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四話:特別試験2

そろそろ中間の時期がやってきました。範囲の覚え間違いなどもあって、憂鬱です……。


二日に一度ペースとは言え元々不定期ですが、投稿も少し遅くなると思います。

 

「…………え?」


 耳に入る言葉が、理解できない。

 何故、師匠は俺だと気付いていないのか。


 目の前の光景が、理解できない。

 何故、師匠は俺を面倒そうな目で見たのか。


「──飛び道具の使用は禁止。また、私の前を通過することも禁止です。後遺症が残る攻撃、死に至る攻撃を受けた場合、観客席に自動で転移されます。その時点で受けた傷は回復され、命を落とすこともありません」

「…………前を通るな。つまり、魔法魔術を撃ち合うことしかできないですね……」


 ルール説明をするジーク先生を真剣な表情で見る師匠は、やはり俺の師匠である。

 学院で行われる決闘のルール説明など、師匠にとっては耳にタコが出来ることだろうに、こうして真面目に聞くのは……やはり師匠としか思えない。


 ……でも、師匠は俺に気付かなかったんだよな。

 師匠のおかげで習得した魔法、あれを使えばあるいは……


「──ですか? 宜しいですか? シンさん」

「……え、あ、はい。すみません」


 いつのまにか、ルール説明は終わっていたのか、ジーク先生が俺に確認を取っていた。

 シンさん。その名前を聞いても、師匠は特に反応を見せなかった。

 眉を潜めることも、何かを考えるそぶりも。


「シン……何やら緊張しているようですが、私は手加減しません。ですから、貴方も本気でかかって来てください」

「……元から、そのつもりです……!」


 師匠が俺のことを忘れていても、俺がすることは変わらない。

 たとえ、安全な結界の中の仮初めの殺し合いだとしても、師匠との魔法魔術だけの戦闘なのだ。手を抜くなど、俺に出来る筈もない。

 現に、俺の中の魔力は懐かしい師匠を前にして、荒ぶる海のように騒いでいた。


「頑張ってー! シン!」


 エミリアの応援する声。

 そうだ。

 エミリアが見ているのだ。

 護衛が誰かにやられる所を、主人に見させる訳にはいかない。


 俺は〈ストレージ〉という魔法を使い、師匠から譲り受けたローブを虚空から取り出し、羽織る。

 首に掛けているネックレスの先には、小さなアンティークな鍵がある。その鍵は、師匠が作ってくれた杖である。俺は、鍵を杖に変えて持つ。

 あの頃は大きかった杖だが、今ではピッタリである。


 師匠の予想通りというか、願望通りというか、日本の時から少しだけ大きかった俺は、この世界でも平均より少し身長が高い。

 杖の太さも、エミリアだと片手持ちでは持ちにくく、両手持ちになる太さだ。成長した俺を想定して作られたその杖は、俺の手に程よく収まる。

 この杖を見たらもしかしたら……、そう淡い期待を抱いていたのだが、師匠は眉を潜めただけで何かを言うこともなかった。

 王女の護衛である俺が、職人の作るような杖を持たないことを疑問に思ったのだろうか。


「頑張ってー! シン!」


 エミリアの応援する声が聞こえる。

 ああ、もう一度言おう。


 エミリアが見ているのだ。

 護衛が誰かにやられる所を、主人に見させる訳にはいかない。


「おう、エミリア!」


 俺が、杖を持たない左拳を振り上げて応援に応えると同時。


「始め!」


 ジーク先生の合図で、試合が始まった。


 ♦︎♦︎♦︎


「ウォーターボール」


 最初の攻撃は、師匠の詠唱ありの初級水魔法だった。

 俺が、魔獣相手に使ったものだ。

 だが……威力が桁違いだ。

 速度も、水の量も。そしておそらく、当たれば濡れるだけでは済まないだろう。初級魔法にしてはあまりにも凶悪すぎる。

 だけど俺の目は、師匠の放った魔術ではなく、師匠の手元に向いていた。

 〈ウォーターボール〉はあくまで初級だ。死ぬことはないし、試合を決定づけることも出来ない。

 何をしてくるか分からない師匠から目を離すのはアホだ。


「ウォーターボール」


 詠唱ありで放った同じ魔術は、師匠のものとぶつかり相殺する。

 勿論、師匠の手元から目は離さない。


 お互い、相手の出方を伺い、数秒沈黙する。


水刃(すいじん)


 今度は俺から!

 水で作られた刃が、師匠に襲いかかる。

 これは中級魔法だが、師匠は昔これで木を切っていたことがある。

 つまり、極めばそれ程の切れ味があるのだ。流石に師匠程の切れ味はないと思うが、俺のこれでも木は切れる。ちなみに、師匠はこれで岩を切った。師匠、ヤバイ。


 俺の着るローブもそうだが、ローブは鎧に比べて別に頑丈という訳でもない。当たれば死は免れない刃は、同時に五つが放たれている。


「フリーズ」「ストーン」


 水が凍り、小さな石礫で粉々にされる。

 初級魔法のコンボで難なく防御。氷結系の魔法は消費魔力が高いので、消費した魔力量はほぼ同じ。


 まあ、俺も師匠もまだ本気なんて出していない。


 初級、中級、上級、()級、王級、覇級、神級。

 七段階ある魔法のうち、まだ最初の二つしか使っていないのだ。

 一人前として周りから一目置かれる条件が、六属性のうち一つが威級であること。若しくは六属性のうち三つが上級であること。六属性とは、炎、水、風、土、治癒、そして無。

 無属性は光と闇にさらに分けられていたりするのだが……そのどちらかが上級なら無属性も上級と、どちらかが王級なら無属性も王級とされる。


岩石弾(ストーンキャノン)


 今度も俺から。

 紡錘形の岩石が、物凄いスピードで射出される。

 同時に五つ。それを僅かな時間差で五回。

 合計二十五。


「シン……凄い……」

「…………!」


 感嘆するエミリアと、口を開けたまま呆然とするジーク先生。口の中が乾かないか心配だ、

 俺が同時に放った二十五の岩石弾。これには師匠も少し驚いたのか、半歩後ろに下がる。


 そして……俺はこれを待っていた。

 土属性の魔法は、実は苦手な属性が少ない。

 込める魔力によって、硬度を大きく上昇させることができるからだ。つまり、準備された土属性魔法は、相性の良い属性でも対処に時間がかかる。


 師匠が選択したのは〈水壁〉。水の壁を作り出すそれを、師匠は俺の〈岩石弾〉一つ一つを包むように作り出した。

 勿論、ただの水では岩石弾は止められないが……。


「フリーズ」


 凍らせ、無理矢理止める。

 それだけでは岩石弾の勢いは止まらないが、先程と同じく〈ストーン〉で撃ち落としていた。

 師匠、〈フリーズ〉から〈ストーン〉のコンボ好きだな……。強いのは分かるけど。


 そして俺は、それを見ながら杖を首飾りに戻し、ローブの下に隠していた細身の剣を鞘から引き抜く。ジーク先生がギョッとしているが、気にしない。

 細身の剣は、反りがあって刃は片方にしかない。

 そう、刀である。日本刀が嫌いな日本人は少ないだろう。勿論、俺も好きだ。だから、俺は少し知り合いに頼んでこの刀を打ってもらったのだ。

 根っからの職人気質の彼女が満足するまで打ち続けた結果、なんとまるまる一ヶ月かかった逸品だ。日本に残る名刀の如き斬れ味もさることながら、これにはもう一つ特殊な使い道があったりする。

 俺が今回使うのは、そちらの方だ。


 俺はそのまま師匠が足を止めている間に、観客席に向かって大きく飛ぶ。足に強化魔法をかけ、さらに風魔法で跳躍の支援をすれば、まあ流石に届かないなんてことはない。

 そのまま、エミリアの前、つまり()()()()()()()()を走る。

 俺は、ルールを破ってないよな?

 あくまで、ジーク先生の後ろを通って師匠に近づこうとしているのだから。しかも、ルールに移動範囲は示されていないしな。

 魔法の撃ち合いというのは、あくまで師匠の捉え方で、俺はジーク先生を倒してから刀で襲いかかるとかも考えていた。

 エミリアが見ている前で、流石にそこまで出来ないけどさ。

 というか、俺の戦闘スタイルは剣技や体術を交えた魔術戦闘だ。幼い頃に師匠から学んだ魔法と、王城で騎士団の人達に鍛えてもらった剣術と体術。

 使わない手はない。


「行きますよ、師匠!」

「ですから師匠ではないと……」


 最後まで言わせず、俺は師匠に斬りかかる……ことはせず観客席を走り回りながら魔法の斬撃を飛ばす。

 〈水刃〉もそうだが、刀の斬撃に乗せて放つと効果の上がる魔術は実は多い。

 この刀には、魔力用金属とも言われるミスリルと、師匠と暮らしていた家にあったオリハルコンを使っている。魔術を放つための剣と言っても過言ではない。

 先程とは比べ物にならない速度で様々な刃が師匠に遅いかかる。


「風刃!」

「炎槍」

「氷刃!」

「炎槍」

「フリーズ」

「……〈煉獄地獄〉」

「炎が…………〈ウィンド〉」

「……熱波が酷いですね。水魔法の応用で体温調整しなくては……」

「雷撃!」「雷斬!」

「…………〈絶縁〉」


 両者一歩も動かず、魔法の撃ち合い。

 師匠が時々呟く言葉が気になるが、場は俺に有利だ。師匠は、俺の魔術師としてはあり得ない戦闘スタイルに困惑していて、魔法の発動に躊躇がある。

 ただ、徐々に俺も斬撃が放てなくなってきた。師匠が俺のペースにしないために、斬撃が効果を発揮できない範囲魔法を多用するようになったからだ。

 ちなみに、消費魔力量は比較にならない程俺の方が多い。


「私が見たことのない魔法が…………」


 そう、疲れた顔をしないでくださいよ。ジーク先生。

 電撃系統は水魔法の応用ですよ? あまり知られていないけど。まあ、それに完璧に対応した師匠は流石だ。てかなんだ、〈絶縁〉って。俺そんなの知らないんだが。むしろそっちに驚くべきだろう。

 まあ、でもあれだ。

 師匠だから、でこの世の全ては説明が着く、だ。


 ……と、そろそろ師匠の方も焦りが来たかな?

 師匠が気付かないことはないだろう。

 俺が魔法の撃ち合いをしている中、練り続けていた魔力に。

 ジーク先生の真上を飛び越すように跳躍し、元の位置に戻る。学校の走高跳ならクラスのヒーローになれる跳躍だったな、今の。


「そろそろ終わらせます、先生……レイ先輩!」

「やれるものなら……やってみてください……!」


 俺が叫ぶと同時、()()()()()()()()魔法陣が光を放つ。その数は三つ。

 俺が中々斬撃を放てなかったのには、この魔法陣を少しずつ刻んでいたのもある。

 すると、それを見た師匠も同じく溜め込んでいた魔力を解き放ち…………


「…………ははっ…………」


 ジーク先生の乾いた声が聞こえると同時、


「「引き分けですか…………」」


 お互いの喉元に、氷の刃が迫っていた。

 その隙間は、僅か数センチ。


 最後の最後で、同じ魔法、同じ考えで決着をつけようと考えたのだ。

 相手に攻撃されたことに気付かせず、試合を終わらせる、と。

 入念な準備していたにも関わらず、結果は引き分け。やはり、師匠とは地力が違う。


「「…………」」


 この勝負、師匠の癖とかを知っている俺が有利だったが、俺は魔法の撃ち合いは得意でない。俺の戦闘スタイルはさっきも言ったが体術も交えての魔術戦闘で、つまりかなり動き回る。

 ジーク先生の前を通らないのが、予想以上に痛かった。師匠に近づいても、バックステップをすれば運が悪いと制限に引っかかるからな……。

 こういう制限のある試合は苦手なんだよ……。


「これで良いですか。ジーク先生」

「あ、はい。というか、最初の方に合格と言ったのですが…………」


 計らずも師匠と同時に魔法を解除し、ジーク先生に尋ねると、ジーク先生が困ったように頰を掻く。その視線は、闘技場自体に向けられていた。

 うん、言いたいことは分かる。結界のおかげで観客席には俺の刻んだ魔法陣以外の被害がなかったものの……地面やら壁やらは、悲惨なことになってますね。はい。


 でも、そうか……試合、止めてたのか。

 聞こえなかった訳じゃないんだよ。聞こうとしなかっただけで。師匠との試合を止められたくない、その気持ちが勝っただけで。


「…………」


 バツが悪くなって、そっと視線を外すと、全く同じ表情をしている師匠と目が合った。

 なんか、照れ臭い。

 師匠もそうだったのか、顔を少し紅くしてはにかむ。

 こんな短時間で女神が二柱いるなんて……ここが楽園だったのか。


「シン、と言いましたか。良いでしょう。教育係を任せられた時はどうなることかと思いましたが……なっても良いかも知れませんね」

「そ、それは本当ですか……!」


 な、なんだ? ジーク先生が「奇跡だ!」と言いたげな顔をしているけど。

 疲れた顔が今だけは輝いている。

 いや、それでも年に似合わず刻まれた皺が、職務の過酷さを物語っているけど。


「はい。勿論。そこのエミリアさんも」

「ありがとうございます! エミリア様、貴方様もシンさんと同じく教育係をレイさんに努めて頂きますが、宜しいですか?」

「あの……ち、ちょっと待ってください。試合の前から少し疑問だったんですけど。教育係? 何ですか、それは?」


 勝手に話が進んで行く。

 悪い話ではなさそうだが、やはり気になる。

 まあ、俺は元から師匠になら、自分を使った魔術実験でも協力する覚悟はあるけどさ。俺は師匠のためなら生きた状態での全身臓器提供も可だ。悪魔にだって魂を売る覚悟。


「ああ、そういえば説明していませんでしたね。この学校では、先輩が後輩に色々と教わる教育係というシステムがあります。詳しくは……先輩によって変わるので、私からは何とも」


 そこまで言うと、ジーク先生は口を閉じて何も喋らなかった。

 それを見た師匠が、「成績上位者に限る話ですが」と付け加える。


 さ、流石師匠だ!

 なんでも知ってるぜ!

 詳しく知っていそうな師匠に話を聞くと、つまりこういうことだった。


 ・入学成績上位者には、成績上位の上級生が教育係としてつくことがある。ただし、後輩がどんなに望んでも、先輩側が認めなければ教育係を得られない。逆に、後輩が断ることもできる。


 これに関して。俺とエミリアはどうせ上位だろうと判断されたから、結果が出ていないにも関わらず教育係が付くことが決まったらしい。


 ・基本的にはパシリのように使われることが多い。ただし、あくまで教育なので後輩は結果を出さなければいけない。後輩、通称教え子側は定期的行われる試験をパスしなければいけない。


 師匠のためなら、なんだってするので何も問題はない。エミリアに出来なさそうなことなら、俺が代わりにやるので何も問題はない。


 ・お互いはペアの念話石を持ち、困った時はお互いに助け合わなければならない。


 王国軍ではよく使うな。


 ・教育係は、教え子に対して何も強制権を持たない。


 別に俺に対してはあってもいいんだけど……どうせなんでも言うこと聞くし。



 師匠曰く、結局は仲の良い先輩後輩と変わらないらしい。

 ただ、寮は階層毎に学年が別れているのだが(食堂、大浴場は共通)、他の学年の階層にいても何も言われない利点があるらしい。

 勿論、他学年の階層に行ってはいけないきまりはないが、やはり知らない人が住処の前をウロウロするのは気になるということかね。


「まあ……特別生徒にはあまり関係ありませんが」


 まあ、寮自体が別の所にあるしな。

 毎年何人と決まっている訳でもないから、階層も学年毎に分かれていないし。


 つまり、特別生徒の教え子が、特別生徒の教育係をつけることの意味はあまりないのだ。


「どうしますか……?」


 師匠……いや、レイ先輩はどうするかの判断をこちらに委ねてきた。

 確かに、明確なメリットは、普通の人にならないだろうな。

 だが、レイ先輩と一緒に居れるのだ。

 合法的にレイ先輩と会話したり、魔法の特訓をお願いしたりできる。レイ先輩の研究を手伝うのも良いかも知れない。


「こちらこそ、宜しくお願いします! 至らない所あるかと思いますが、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いします。大好きです、先生!」

「なっ…………!」


 あ、やべ、いらんこと口走った。

 まあ、ししょ……レイ先輩は大人だし、美人だし、結構言われ慣れているだろうから大丈夫だろう。

 きっと、冗談だと流してくれる。俺の気持ちは全く冗談ではないのだが。


「そ、そそそそうですか! こ、こここちらこそ宜しくお願いしますね! で、では私は忙しいのでこれで失礼します!」

「せん……レイ先輩!?」


 だが、レイ先輩は顔を真っ赤にして逃げてしまった。

 あれぇ……おかしいな。ここは「ふふ、私もですよ」とか冗談で言って貰って、数年間幸せに浸るつもりだったのに。


「…………シン」

「ああ……じゃなくて、はいエミリア様。どうしました…………」


 後ろから声をかけられて振り向くが、思わず固まってしまう。


「え、エミリア!?」

「むーーー」


 え、待って何この状況。

 エミリアが頬を膨らませて怒っていた。


「あ、シン!」


 身の危険を感じた俺はその場から逃走。

 後ろから、エミリアの驚いた声が聞こえるが、気にしない。


「エミリア様! 次は適正テストですよ!」

「あ、そ、そうだよね!」


 後ろから、エミリアが走ってくる音。


「シン!」

「うおっ!」


 な、なんだ!?

 急に背中に重量が……!

 こ、これはまさか……


「エミリアです」


 天使だ、女神だ、いやエミリアだ!

 天使で女神でエミリアなエミリアだ!

 あ、ちょっと混乱して来た。

 エミリアは天使、エミリアは女神、エミリアは宇宙の真理……よし、落ち着いた。


「エミリア? どうしたんだ、急に?」

「何でもなーい」

「お、おう?」


 な、何でもないのにこんなことをするのか。

 うちのエミリアは、天然の小悪魔気質なようです。

 もう……将来が心配だわ。僕が守らなきゃ……。


「早く、テストに行こ?」

「お、おう…………」


 しかし、本当に何なんだ?

 明かされる婚約のことといい、筆記テストのことといい、師匠のことといい、今のエミリアのことといい。今日は混乱してばっかだな。

 こんな時は、これまでエミリアと会話した回数を数えるに限る。……当たり前だが分からなかった。

 俺が馬鹿なことを考えていると、エミリアが繋いでいる手に力を込め、コツンと頭を俺の背中に当ててきた。


「良かったね、シン…………」

「ん、何か言ったか?」

「エヘヘ、なんでもなーい」

「な、なら良いんだけどよ……」


 エミリアが、いつも以上に可愛く見えた。


護衛魔術師というよりも、護衛魔術剣士の方が正しいと気付く。


魔法と魔術の違い……杖などの道具さえ使わなければ全て魔法です。

なので杖を持っていても使用しなければ、それは魔法になります。

ですが、あまり気にしないでください。

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