人界
テッラ。
時代を経る度に魔法を扱う者を異端者として排斥し、マナの衰退等の理由により神秘とは袂を分かった人類の世界。数多の英雄、偉人達によって文明の発達と進歩を繰り返し、魔法に頼らずとも繁栄を極めた人間達の叡智が広がる。
こちらの世界でも魔術師は現存している。しかし現代では既にマナは枯渇状態にあり、魔力の補充が難しいため細々と活動することを余儀なくされている。現存する魔術師の多くは『魔界』への移住を拒み、自身の故郷、文化、宗教などに執着している者ばかり。
マナを求めて『魔界』への侵攻を企てる者は過去に何度も現れたが、マナの潤沢な『魔界』側の魔術師との戦力差は圧倒的であるため、約半世紀前のトゥーレ協会による侵攻を最後に途絶えている。その後も各地に魔術結社は存在するようだが、『魔界』から流れてくるものを巡って小競り合いを起こすことしか出来ていないような状態にある。時折“孔”が開くことで『魔界』からマナを吸収しているが、場所や時間が不規則なため魔術師達にはあまり恩恵がないようだ。
──曰く、極東には近付くなという魔術師達の不文律が存在する。