魔界
アリウス。
遥か千年前、後の『人界』における神秘の迫害や衰退を予見した五人の魔法使い達によって創世されたと伝えられる魔法使い達の生きる世界。
魔力の源であるマナに溢れ、魔法を基軸とした文明の発展により特殊な文化、技術の進歩を遂げている。ただし不定期で『人界』からの文化や技術の流入もあり、異文明として完全に独立しているわけではない。魔法使い達だけでなく、『人界』から避難した精霊、魔獣などの幻想の生物も各地に生息する。ただし神代に存在したという神々は、こちらでは存在しない。
三つの大国と無数の小国による連邦国家から成る、四大国家──アレーテイア共和国、聖セレスティアル王国、クラウンヴァリー帝国、ステラルム連邦──に分かれている。魔界の意思統一は独裁制ではなく四大国家の君主達による合議制で行われるが、調停役を務めるレイア・レア・セレスティアルを代表とする見方が強い。
言語は主にラテン語と英語が使われているが、『人界』からの多種多様な移民とその子孫が混在するため、地域によって独自の言語が使われていることも多い。例えばアレーテイアには漢字圏、および日本語を使う地域が存在する。読み書きに関しては国家によって言語が分かれているものの、会話の際は一般的に普及している対話魔術によって難なくコミュニケーションが行われる。
自治権は各国家に委任しているが、魔界創世の後に組織された総魔導連合が実質的に魔界全体の平和維持を担う。草創期には世界間、中世から近世にかけては国家間レベルの大きな戦乱が起こったが、どちらも総魔導連合の手によって鎮圧され、以後は安定的に泰平の世が続いている。
『人界』との交流は表向きにはないものの、世界各地で不定期に“孔”が開き、接点は存在する。その際に『人界』の技術や道具、風聞がこちらの表社会に。逆に魔界のものがあちらの裏社会に流れている。科学技術はあまり根付いておらず、辛うじて魔法と共存出来るものしか広まっていない。