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スカイアドベンチャーの楽しい学園生活 作者:紅藤

スカイアドベンチャーの失態 ~二年生~

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首謀者をさがせ!


「そういえば、舟長に変な噂が立ってるの、知ってる?」
「変な噂? 女子生徒に呼び出されてるってやつ?」
「なんで剣士がそれを知ってるんだよ」
「廊下歩いてたときにすれ違った女の子が言ってた」
「なんで、そっちの噂は学園中に広まってるわけ?」

 舟長はびっくりすると同時にお手上げ状態だった。
 もう既にアサシンの誤解は解けているので、これ以上広がっても別に困らないのだが。

「そっちの噂ということはもう一つあるの?」
「お、魔法使いにしては賢いじゃん」
「舟長、わたしの杖の先に立ってくれるかな」
「わざわざ死ににはいかねーよ」

 じゃあ、わたしが移動すればいいのか、と腰を浮かした魔法使いを慌てて押しとどめる。
 今日はまだ死んでないし、できれば死にたくなんかない。SP消費的な意味で。

「教務室のはにわが盗まれた話だろ?」
「さすがに斧戦士は知ってるか。え? はにわ?」
「戦士課の教師が噂していたのを小耳に挟んでな」
「はにわなんか盗んでどうするの?」
「さあ。濡れ衣をかぶせられた舟長なら分かるかもしれないぞ」

 ちょっと分からなかったので、無茶ぶりを舟長に向かって全力で投げ飛ばす斧戦士。

「分かる訳ねーだろ! はにわだって知ったのも今だぞ!?」
「そうなの?」
「調査上の理由で教えてもらえなかったんだよ」
「じゃあ、知ったのやばくない?」
「たぶん、二度とオレには調査来ないと思うから大丈夫だ」

 教師間での疑いは晴れていると思われるので、そういった舟長だった。
 斥候課は、スカウトやシーフを育てる学課だ。
 たぶん、下手に嘘をつくのはやめておいた方がいい気がする。正直に言えと迫られるぐらいなら、初めから知っていたことを言った方がいい。

「スカイアドベンチャーいちの情報通、斧戦士の調べではどこまで分かってるの?」
「調べてないから知らんぞ」
「え? 調べてないの? 魔法課に魔法使いちゃんの噂立てるヤツいたらやばいでしょ?」
「今回は斥候課だろ? っていうか舟長が関わってるとは知らなかった」
「こいつ、本物の斧戦士じゃないな!?」
「魔法使いちゃん、斧戦士はどこに行ったの?」
「なんなんだよ、おまえらは……」
「ここにいるよ?」

 疑われる斧戦士である。
 舟長とアサシンが本物の斧戦士を探すが出てこない。
 当然だ、珍妙な顔で絶句しているのが斧戦士なのだから。

「黒トキワさん、ちょっと二人をはたいてあげて」
「ん。まかせろ」

 魔法使いは黒トキワに命ずる。黒トキワは了承して、スライムの頭部分を伸ばして手の形にすると、妙なことをしているカップルをはたいた。
 ぺちーん、ぺちーん。結構痛そう。

「これでも治らなかったらリバイブしないと」
「戦闘不能にするのは任せろー!」
「はっ、オレはいったい何を……?」
「よく見たら斧戦士そこにいるじゃない」
「いやーなんて言うか、人間って怖いな」

 この騒動の間、ずっと黙っていた剣士である。
 実のところ、斧戦士が調べていないことには同じように驚いたのだが、途中から発狂し出した二人と同じだと思われたくなかったので、なんにも言わなかったのだ。

「剣士も変なこと言う?」
「言わない。言わないって」
「まったく、失礼なヤツだよな。斥候課のすべての人間が昏倒してもいいなら、今すぐ調べてきてやるけどさ」
「おいおい。それはまずいだろ」
「それでオレの疑いが取っ払われるならそれもいい気がする」
「やっちゃえーゴーゴー!」
「おい、このカップル! 自重しろ!」

 剣士が舟長の首を絞め、アサシンを魔法使いに任せたが、当然の如く抑えきれない。
 斧戦士が立ち上がる。黒トキワも一緒だ。

「じゃあ、調べてくる」
「ええ!?」
「舟長、後悔先立たずだぜ」

 一瞬にして消えてしまった斧戦士をもう止める術はない。
 剣士は呆然とし、魔法使いは黒トキワがいなくなって悲しんだ。
 後悔がなんたらと言われた舟長は、次第に顔が青ざめていく。

「え? ガチで行っちゃったの?」
「大丈夫、最悪、斧戦士のせいにすればいいから」
「いやダメだろ。ま、魔法使い、早くあいつを止め」
「そんな虫のいいこと言われても……」
「ぐうの音も出んよな」

 そうこうしているうちに斧戦士が帰ってきた。

「あれ。もう終わったの?」
「終わった。疲れたよー」
「舟長は昏倒してないみたいだが……?」
「斥候課の敷地内にいるすべての人間の記憶と心を覗いてきた」
「それって関係ない人も巻き込んだってことだよな?」
「うーん、通りがかった戦士課の生徒とかはいたかも」

 ぐでーっとしながら斧戦士が言う。
 舟長は別の意味で昏倒しそうだ。

「で、犯人は分かったの?」
「犯人? 自首するように催眠かけといた」
「良かったね、舟長。解決したみたいだよ」
「あ、うん……」

 元気のない舟長である。そそのかしたアサシンはけらけら笑っている。
 こればっかりは誰にも八つ当たりできないので困っているらしい。
 斧戦士も剣士も魔法使いも、助ける気はない。
 にっこり笑って食堂を去っていった。

「やっぱり舟長ってリーダーらしくないよな」
「ここ一番のときに判断ミスってどうするの?」
「舟長外して三人で冒険するか」
「アサシンも外すのかよ。いいけどさ」
「仕方がない。黒トキワと裏トキワを貸してやる」
「これで元通り五人だね」
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