番外編 サプライズ
お読み頂きましてありがとうございます。
ありがちな、バレンタイン特別番外編ということで・・・
本編とは全く関係ありません。
今日は2月14日だ。今、エリーとデート中だ。
日本ならバレンタインデートというところだろう。
当時兵士の結婚を禁じていたローマで、バレンティヌス司教が密かに結婚させたが捕らえられ、処刑された日である。
まあ、日本では、本気チョコ、義理チョコが飛び交う日だが・・・。
そこで、ふと思いつき、市場の花屋で花を買って、エリーに贈った。
「ありがとう。うれしいわ!でも、どうして?」
「今日は2月14日だろ、俺の故郷では、男は好きな女に花を贈る日なんだ。」
欧米では、『あなたのバレンタインより』と書いて花などを贈るらしい。
「へぇ、素敵ね。じつは私も用意してあるのよ。」
エリーが取り出した小さな箱を受け取った。
え、こちらには、バレンタインデーどころか、キリスト教もないのにそんな、習慣があるんだ。
中からは、なんと、10粒程のチョコレートが現れた。
この世界のチョコレートは高級品で1粒100G以上するらしい。
これだけで1000G以上する計算だ。
「いいの?」
俺は一粒食べてみる。日本で食べたチョコレートよりも何倍も洗練された味だ。
さすが、領主ご愛用の品ってところか、きっと100Gでは、きかないな。
「とっても美味しいよ!ありがとう!うれしいよ!」
と言って、もう一粒食べながら、エリーにキスをした。
チョコレート味のキッスだ。一度やってみたかったんだ。
「うん、なかなかだわ!」
エリーはうっとりとキスとチョコレートの余韻に浸ってるようだ。
「へぇ、こちらにも同じような習慣があるんだ!」
「いや無いんだけど。先日、アルメリア神からお告げがあったの。2月14日にチョコレートを供物として捧げなさいとそれに好きな男にチョコレートを贈るといいことがあるよって。とっても、いいことだったわ。花も貰えたし、うっとりするキスも貰ったもの。」
え、まさか。
『そうだぎゃ。そのまさかだがね。わしが妹分のアルメリアに唆したのだわ。サプライズだったのだが、よかったかの?』
『はい、とってもうれしいです。』
俺は心からそう思った。
『それで、この世界のチョコレートはお口に合いました?』
『それがの、捧げられたチョコレートが1粒だったのだがね。供物はアルメリア神しかその世界から取り出せにゃーからあっという間に食べられてしもうたわ。』
まあ、取り合いになるわな。
『アルメリアはそりゃもう、うみゃーかったとゆーとるし、どうじゃ、お主のチョコレートを1粒でいいから、このわしに捧げなさい。』
『駄目です。』
エリーの愛が詰まったチョコレートは一粒たりとも渡せません。
「どうしたの?シムラくん!突然だまりこんで。」
「ああ、今女神からお告げがあったんだ。チョコレート美味しかったって、来年は2粒ほしいって。」
『駄目だがや、今欲しいのだがね。くれくれくれ。』
なんか女神が子供のようになっている。
じゃあ、『1粒で1スキルポイントで。』と唆してみる。
『それでも、いいのじゃ早くくれ。』
おいおい、そこまで言う・・・・。でも、エリーが捧げないといけないんだよね。
「なんか、女神がわがまま言ってるぞ。直ぐ欲しいんだと。」
「無理だわ。このチョコレートは受注販売で、注文してから3日は掛かるのよ。それにもう今月のお小遣いが底をついたのよ。来月に捧げとくわ。」
だそうです。これ以上は説得できません。
まあ、来月の楽しみということで
『嫌じゃ、今じゃなきゃ、嫌じゃ、嫌じゃ』
とりあえず、駄々っ子は放置しておくか。
「わかった。その代わり、来月もこのキスが欲しいな。」
とエリーは真っ赤になって言った。
来月に、山と積まれたチョコレートの箱の前で蒼白となるシムラだった。
もちろん、アルメリア神に捧げられたのは1粒で、しかもまた、
アルメリアに食べられてしまい。泣きが入るナナなのでした。ちゃんちゃん・




