episode1-7
「なぁ、お前は魔法って信じるか?」
何処かで誰かが話している。
「魔法って・・・・あんなの漫画やアニメだけだろ?」
「俺もそうだと思っていた」
「本当にあるのか・・・?」
「噂で聞いたことがある」
男は地面に何かを描き始めた。
それは人と何かの化物のようだった。
「人と化物が子を産んだらどうなる・・・?」
化物は、この世界では何千年もの昔の生き物。違う言い方をすれば魔物である。
「産むって・・・そんなの無理だろ」
今はもう化物はいない。だから子も作れるはずがない。
「今じゃ無理な話だ。だが・・・・」
「だが?」
男は新たに地面に何かを書き始める。
「もし昔に子を産み、その子孫がいたら・・・・・」
「魔法を使うやつがいるってことか・・・」
「ま、子供なんてできないだろ。大体化物は凶暴で人間を食らうもんだからな」
「そうだよな、まったく何処の偽情報だ」
取引所(奴隷売買所) 第8番牢
足音が前方から聞こえる。
後ろからは多数の怒声。
俺たちは挟み撃ち状態。
武器は完全オートショックガンと手榴弾のみ。
というか、手榴弾しか使い方わからない。
さぁて、どうする。
目が慣れてきたみたいで、檻の中がみやすくなってくる。
「?警備員の人ですか?」
ビクッと背筋が伸びる。
目を凝らすと、前方に人影が見えた。
さっきの声と同じだな・・・・なんというか、冷たいような。
「今灯りをつけます」
カチッとボタンが押される音がする。
すると、天井に光が灯った。
「眩しいっ」
お嬢が目を回す。真っ暗なところでいきなり光をつけられるとくらっとするのは当たり前だ。
しかしなんだ?なんで檻の中にこんな設備が・・・・
牢の方がもうすこしましだと思ったが、檻の方が設備は良さそうだ。
って、なんで俺はこんなことを考えているんだ・・・・・。
「どうします?お茶にしましょうか?」
「あ、お構いなく」
・・・・・・あれ?なんか違うよな。
「あの・・・・貴女は?」
貴女?確かにさっきの声は女性・・・・でも何か違う気が。
フードを被っていてよく顔が見えない。商人・・でもなんで檻の中に?
「私は通りすがりのお茶屋です。一杯どうです?」
それは絶対違う。
「まぁなんでもいいだろ、とりあえず追ってから逃げるぞ」
お嬢の手を引っ張り、入ってきたところに向かう。
このまま檻の中にいたら袋のネズミだ。一旦檻からでて・・・・・
「追われているのですか?」
後ろから呼び止められる。
「あぁ、ちょっと急いでいるんだ」
追ってはもう近くまで来ている。とりあえず武器をしまって・・・・と。
「私が力をおかしましょうか?」
「へ?」
ふ抜けた声が口からでる。
「助けてくれるの・・・?」
「私のお願いを聞いてもらいますけどね」
何か・・・怪しくないか?
顔も隠して何も見せない女性(?)が何ができるっていうんだ?
「どうすればいいの?」
お嬢が勝手に話を進める。身勝手すぎる・・・・
まぁ別に困ることはないだろう。
「そうですね・・・この手鎖外してもらいますか?」
そういうと、その女性(?)は両手の手鎖をみせる。
「おいアンタ、・・・・奴隷か?」
「そうですが?」
そうですがって・・・
「だって、ホラ、早く外してあげなさい」
「え?上から目線?」
「もうっ!冗談はいいから!」
冗談じゃない。マジだ。
でもこの手鎖、結構頑丈だな・・・というかこんな素材の手鎖見たことないぞ。
《なぁお嬢》
《なに?》
女性(?)には聞こえない程度の声でお嬢に話しかける。
《怪しくないか?奴隷が力をもってるとおもえないぞ?》
《そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?早く外して》
ダメだ、全然考えてない。
・・・・・もう何か起きたら全部お嬢のせいにしよう。
鎖を捻じ曲げ、手鎖を外す。
本体はわからなかったが、鎖の部分は普通の素材だった。
簡単に折れる鎖なんて必要あるのだろうか。
なんてことは置いといて。
「どうだ?その力を使えそうか?」
半信半疑で女性(?)にきく。
すると、手をグーパーと動かし始める。何も異常はなさそうだ。
「ありがとうございます」
礼をいうと、フードのせいでよくわからなかったが、笑みを浮かべているきがした。
「で、どうするの?もう来てるんだけど」
檻の出口をみると、既に警備員達で一杯だった。
「交代ですか?お疲れ様です」
「いや、俺たちは警備員じゃないからな」
え?と、言うと俺たちと警備員を交互に見る。
「・・・・服装が違いますね」
それだけか・・・・・
俺たちが警備員じゃないと知ると、女性(?)は後ろに下がった。
「ん?どうしたんだ?」
「あなた達も・・・・・」
「え?何?」
「私の力目的にきたのですかっ!!」
檻全体に声が響く。
「な、何のことだ?俺たちはただ・・・・」
「ここにも、信頼できる人は・・・」
なんだ?一体どうしたっていうんだ!?
とにかくとてつもない殺気を感じる。
「お嬢、逃げるぞっ!」
「えっ、なんで?」
警備員の上を飛び越え、一気に檻からでる。
その瞬間だった。
まばゆい光を放つと同時に、牢が一瞬で吹き飛んだ。
「「・・・・・・・」」




