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俺とお嬢と旅争記  作者:
俺とお嬢と魔法使い
5/9

episode1-5

ぶ・・・・・無事か?

体を起こして落ちてきた穴を見る。

結構な高さだというのに、なんで怪我ひとつないんだ?

「お嬢、大丈夫か?」

隣で倒れているお嬢の肩を叩く。

「うぅ・・・ここは?」

「多分地下か何かじゃないか?」

よく見ると、灯りがちらほら見える。人がいるのは確かだろう。

「ねえ、なんか変な臭いしない?地面もやわらか......ってこれっ!?」

立ち上がろうとしていたお嬢が、異様に驚いていた。

「一体どうしたんだ?見てはいけないものを見てしまった、みたいな顔をして」

「え......だってこれ......」

お嬢は地面の方を指差した。

すると、何処かで臭ったことあるような臭いが鼻をさす。

「な・・・死体・・・・か?」

まさかと思い、他の地面を見る。

「俺たちが落ちてきた場所は・・・死体処理場か・・・・?」

「うぅ・・・・お化けが出そう・・・・」

お嬢が頭を抱えてしゃがみこんだ。さすがに怖かったのだろう。

とりあえずココから出るとするか。あっちの明るい方は死体はなさそうだ。

「お嬢、さっさといくぞ」

「足が震えて動かない・・・連れてって・・・」

涙目で、俺の服の袖を引っ張る。しょうがない.......

「・・・・・・・」

「え、ちょ、おいてかないでよっ」

勿論置いて行く。

何で俺が苦労してまでお嬢に手を貸さないとだめなんだ・・・・

「もぅ・・酷い・・・・・」

よっぽどあそこで一人にされるのはきつかったんだろう。自分で歩けるなら最初から言わないで欲しい。

「貴方って時々私の執事じゃないわよね・・」

「そーだね」

「酷い・・・」

ワガママお嬢はほっといて、先に進もう。




しばらく進むと、人のざわつき声が聞こえてきた。

なんだ?かなりの人数の声が・・・・

岩の陰から顔を出して様子を見る。

「すごい人・・・・。なんでこんなに・・・?」

声の正体は、商人らしき人たちの声だった。顔を布で隠し、誰だか分からないように。

だが、もう一つ分かったことがある。

「見ろ、答えはあれだ。」

「あれって・・・・えっ!?」

奥の方を見ると、首輪で繋がれた人達が牢獄に閉じ込められていた。

そう、人身売買だろう。

「おかしい・・・奴隷化は禁止されているはず・・・・」

6年前、この国全域で奴隷化制度が禁止された。それなのにまだ続いている。

「み、皆に伝えないとっ」

お嬢は岩陰から飛び出し、銃を取り出した。

「って、バカかっっ!?」

急いでお嬢の手をつかんで岩陰に避難。

「ちょ、なにするのよっ!」

「お前は馬鹿か!?発砲なんてしたら確実に殺されてたぞ!?」

お嬢の顔を自分の視線の方向に合わせる。

「奴隷の牢獄の近くには銃を持った警備員、四十八方には監視カメラ!見つかったら最後だぞっ」

「うっ・・・・・」

悔しそうに俯く。自分の話を聞いてもらうためにアピールしようとおもったのだろう。

「とにかく俺たちにはどうすることもできない。わかったな?」

「助けたい・・・・」

「は?」

「助けたい!奴隷にされている人々を救いたいっ!」

コイツ・・・・俺たちにはそんな力ないのに、なんてことを言うんだっ・・・・

「無理だろ!分からないのかこの状況!囲まれて終わりだ!」

「それでも助けたい!」

こんの・・・っ!バカにもほどがある・・・・

俺でも助けられるのなら助けたい・・・・だが、力不足だ。

一体どうすれば。そう思った時、後ろから声が聞こえてきた。

「お主達に力を与えよう・・・」

一瞬その言葉に驚く。ゆっくりと後ろを見ると、他の商人同様布で顔を隠した老人(?)が座っていた。

「ね、ねぇ、力を貸してくれるの・・・・?」

商人はコクリと頷くと、後ろの復路からカバンを出した。

「このカバンにはとても役に立つものが入っている。もっていきなさい。」

「ホ、ホント!?・・・えっとお金・・・」

「お金は結構だよ、持って行きなさい。」

なんだこの商人・・・なんでこんなに協力的なんだ?

「ありがとうおじいさん!ほら、カバン!」

お嬢からカバンを渡される。結構な重さだが、何が入っているんだ・・・?

「なんで俺たちにココまでしてくれるんですか?貴方には阻止するべきでは?」

「ちょっと、なんで阻止する必要があるのよっ」

「俺たちがココを潰したら商人の貴方は困るはず。そうでしょう?」

商人は少し顔を下げ、体を震わせた。

「え、どうして泣いて・・・・」

泣いている?何故なくんだ?

「一人、娘がいてな・・・。2年前から家に帰ってきていないのだ」

その言葉で、察した。

「まさか・・・・その子がこの中に・・・?」

「うむ・・・」

涙をポロポロおとし、お嬢の腕をとる。

「なるほどな、その子を助けて欲しいと。」

「あぁ、頼めぬか・・・?」

少し考える。この話は本当だろうが、俺たちに頼む必要はあるのだろうか。

すると、俺が何かをいう前にお嬢は口を開いた。

「任せて!絶対に助けるから!」

「お嬢・・・・」

何も策がないというのに、この意味不明な自信。

昔から・・・こんなやつだったな。

「しょうがない、俺も手伝うとするか。」

「あ、ありがとう!」

キラキラと目を輝かせる。これだからワガママお嬢は。

「では、よろしく頼みましたぞ。」

俺とお嬢は手をふり、檻の方へ向かって行った。



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