episode1-2
時は過ぎて翌朝。
屋敷が近かったため宿にも泊まれず、隠れ場所が多い湖の近くで野宿をした。
「はぁ・・・・なんで俺が野宿を・・・」
わがままに付き合わされた挙句、寝袋も用意しないで野宿。まぁ用意しなかったのは俺だけど。
「じゃあいまさら屋敷に戻れって言うの?今からじゃ貴方クビだと思うけど?」
「え?辞めれるなら・・・・・」
いや、俺は屋敷から出る前からやめとけって言ってるんだけど?
・・・・・でも、こんなわがままお嬢と一緒にいるより自由に暮らすほうがマシだ。
そう考えたら体が楽になった。よし、さっそく屋敷に戻るとしよう。・・・・気が変わらないうちに。
「じょ、冗談よ!本気にしないでっ!」
ほうらこれだ。
というか、本気に見つかるとクビだな。
これはチャンスか?コイツを困らさせるにも丁度いい・・そうだ、このツンお嬢!今までの仕返し!(特に何もされてない)今に見てろ!
上から目線ができるように岩の上に立ち、Sッ気たっぷりに言い放つ。
「俺がいないと何もできないくせにいい度胸だな!」
「ど、度胸って・・・別にひどいこといってないでしょ?」
「フン、そんな態度でいいのか?俺はクビにされても構わないぞ?」
お嬢が顔をしかめる。よし、この勝負俺の勝ちだな。
でもあれだな・・・未来は世界を代表する人間になるならこの性格は駄目だな。
わがまま・ツン・周りを考えないの3拍子。
とにかくお嬢の性格だけでも直していくか・・・・。
こんなこと考える俺はしっかり執事してるな、さすが俺。
「なんてナルシストっぽいこと言ってる場合か・・・・」
お嬢のほうを向いて、ポケットからペンを出す。
「な・・なによ?」
何かを予感したのか、お嬢が後ろに一歩下がる。
「ふぅ・・・さてお嬢。」
「・・・・・?」
「仕方がないので一緒に旅をしてやろう。」
パァァと嬉しそうな顔をするお嬢。何かを言われる前にさっき書いたメモを見せる。
「その代わり、それが守れない場合俺は辞めるんで。」
・自分勝手な行動をとらない
・うざい冗談を混ぜない
・俺の命令はきけ
「無理」
思った通り即答だ、即答だけど・・・俺には策がある。
「無理か、無理なんだな?なら____________」
「なら?」
「______殴る。」
暴力で言い聞かせる。
「…ひどい」
何がひどいかわからない。これは妥当な答えだと思う。
「うぅ・・・・っ!こうなったら貴方を倒して言うことを!」
「はっ!かかってこい!俺に勝てるとでも__________」
そんなこんなで昼過ぎになり・・・・
「♪~」
「うぐ・・・・」
くそ・・・まさかジャンケン勝負だったとは・・・っ!ノってしまう俺もあれだけど、弱い俺に腹が立つ・・・・っ!
「これで無条件で旅について来てくれるのよね?」
「そーっすねー・・・・」
こうなったらしょうがない、旅でお嬢を再教育だっ・・・・!
なんで最初にこれを思いつかなかったんだろう・・・
「ねぇねぇ!最初どこ行く?私は西の大都市に行きたい!」
なんだ、コイツは観光にでもいくつもりなのか。
「そんな有名な場所じゃ、メイド達がいると思うぞ?それでもいくのか?」
俺に返答するのがメンドイのか、聞こえてないのかって感じで嬉しさでクルクル回っているお嬢を見ると、何か平和な気分がした。
一般市民の女の子たちはこれくらい楽しそうな顔をするのだろうか・・・
なんて思ったりする。
「じゃあ日が暮れないうちに行くぞ?乗れ。」
湖の水を飲んでいた馬を引っ張り、背中に乗る。それと同時にお嬢に手を伸ばす。
「よし!出発―♪」
・・・・・・五月蠅いなぁ・・・・・
どうか旅が終わるころには立派な人間であっていてほしいと、肩を落とした。




