始まり
逃げ場のない炎で囲まれた屋敷。
そのなかで叫び逃げ惑う人たち。
時刻はもうすぐ正午、火が燃え広がってから3時間は経つだろうか。
必死の消火活動が屋敷外が続いているが、火は消えるどころか激しくなるばかり。
あぁ・・・・本当にお嬢はやってしまったか・・・・。
あの時は本気だと思ってなかった・・・・・
4時間前
「ねぇ!私と旅をしてみない?」
「え・・・?」
朝食の片付けをしている最中、お嬢はおかしなことを言い出した。
お嬢・・・と俺は呼んでいるが名前はソニア・ミーティアス。
彼女は道旗大文字の主の一人娘である。
と、ここで説明。
【道旗大文字】世界では名を知らない者はいないといえる大企業。
全ての業に関わっているが、裏では核兵器を売買しているのでも有名である。
核兵器を嫌っている国が何度か潰そうとしたが、どこも返り討ちにあっているらしい。
敵に回すと万が一でも敵う相手ではない。
そして俺がお嬢の執事をしているヒューテンス・メイビー
俺がまだ小さい時は貧しかったらしく、奴隷として売られたらしい。
お嬢に助けてもらい(買われた)執事として今を過ごしている。
小さい時の記憶は思い出せない。
「なんでいきなりそんな事言い出すんだ?」
お嬢がいなくなると主(ソニアの父)はどうなるだろう・・・世界が傾くんじゃないんだろうか。
まぁ自由に暮らしたいというのも無理はないと思う、生まれたときからこの屋敷で過ごし街にも出たことがないらしい。
屋敷にはお嬢専属の学者達がいるため、学校に行かずとも不自由なく暮らせる。
そのせいかお嬢は一人だったが、俺と出会って何か変わったらしいけど。
「なんでって・・・外の世界にそろそろ出てみたいかなって・・・」
「・・・・・・・・自己中だな。」
「なっ・・・・・」
俺は敬語は使わない、なんかイライラするから。
元執事のおっさんには怒られたけどな・・・(病を患って中)
「わ、私の何処が自己中なのよっ!」
「家出なんてしたら主やメイド達にどれだけ迷惑がかかると?」
「い・・・家出じゃないもん!」
はっきり言って長時間話すとイライラする。
もう17歳になるのにこのワガママお嬢め・・・
「まぁいいや・・・・何か起こったらお嬢の責任ですからね・・・」
どうせこのお嬢の事だろう、はったりか軽い冗談だ。
危険な目にあってもらうと俺が怒られるけど・・・・まぁ気にしない。
「と、とにかく武器や旅をする準備はしておいてよね!」
はいはい、といって部屋を出る。まったく困ったものだ。
「火でもつけて・・あ・・皆を外に避難させる経路を・・・」
今のは聞かなかったことにしよう。
現在
「ちょ・・お嬢!何処だ!」
いくらなんでも火が強すぎないか!?逃げ場が・・・っ!
倒れてくる壁や柱を避け脱出できそうな場所まで離れる。
「あ・・・来た・・ここよっ!」
ここよっ!・・・じゃない!まったく・・・
「どうするんだ?これは間違いなく俺たちは死んだとか思われるぞ?」
お嬢の近くまで荷物を抱え火を避けながら進む。
「う~ん・・・パパや皆に迷惑かけちゃうけど・・・・ね?」
ね?の意味がわからない。
多分「私に自由な暮らしをさせないからだめなのよ!」とか思ってるに違いないだろう。
「とにかくココ離れるぞ?」
何か乗り物はないかと探していると、逃げれずにいた乗用の馬を発見。よし、アイツを使おう。
「えー・・・・馬は私・・・」
「なんだ?馬乗れるだろ?」
「・・・・一昨日馬刺し食べちゃって・・・」
何勝手に食べてるんだ?何処に馬刺しあった。おい。
とにかくお嬢を無理やり馬に乗せ、なんとか屋敷から離れた湖に到着した。




