1話 アルトブルグ
目を開けると、そこには中世ヨーロッパの城下町と言う様な世界が広がっていた
「おぉ。これがVRか・・・本物にしか見えんな・・・」
辺りを見回すと、まず大きな城が目に入り、そこから真っ直ぐと延びる道の途中に
今俺がいる女神像の広場、大勢の人間が行き交うその先には
街を囲う城壁に続き外に出るだろう門があった
辺りの確認を粗方すると今度は自分の姿を確認する
と言っても、鏡が有るわけでもないので見える範囲で服装などを確認するだけだが
肘よりちょっと長い程度の服に、膝下辺りまでのズボン、足にはサンダル
それから肩から背中辺りまでを覆う短いマントらしきもの、そして腰にナイフ
たぶんこれがゲームでよくある、『布の服』と言うやつなんだろう
そんな事を考えていると「お兄ちゃーーん」と突撃された
「ぐはっ」
警戒していないところにタックルかまされたせいで変な声出てしまったよ
タックルしてきた人物を見ると白いフードに白いローブを纏って顔が見えないが
「雪姫か?いきなりタックルはキツイんだが・・・」
「もう。お兄ちゃん?ココではス・ノ・ウだよ!まぁ、何時も通り雪姫でもいいけど」
「分かった。分かった。スノウだな?ところで拓を呼び出して欲しいんだが
ログインしたら、スノウに聞けば分かるって言われたんだが?」
そういえば拓のキャラクター名聞いてなかったと言うと
「えっと拓さんはね『ロキ』って名前だよ。お兄ちゃんのキャラクター名って
やっぱり『オータム』なんだね。お兄ちゃんがやるRPG系のキャラクター名
いっつもそれだもんね」
ドラ○エなどのRPGをやる時、主人公名を『オータム』で入れることが多い
俺の秋良と言う名前の秋の字をもじってるだけなんだが
現代風とか和風?な感じのゲームの時は『秋』でやることもある
「お兄ちゃん。ちょっと待っててね。今、拓さん呼び出すから」
「フレンド呼び出し『ロキ』・・・あ、ロキさん?スノウです。
お兄ちゃんが来たので合流してください・・・今女神像前にいるので
すぐ分かると思います・・・はい・・・それじゃぁ後で」
話が終わったらしいので、雪姫に話を聞いてみた
「今のはどうやるんだ?フレンド呼び出しだっけか?」
「そうだね。今のうちに少し教えちゃうかな?」
雪姫に『フレンド登録』『ステータス表示』『アイテムBOX』の3つを聞き
雪姫と『フレンド登録』をして、先ほど雪姫がやっていた
『フレンド呼び出し』のやり方を聞いた。
『フレンド呼び出し』は『フレンド登録』した相手とのみ会話が出来る
システムらしい。確かに知らない人から呼び出されても嫌だしね
『ステータス表示』で分かった事は、やはり装備は『布の服』で合っていた
マントの方は『旅人のマント』と言う名前らしい
『アイテムBOX』を見ると初心者用ポーション×10とあった
初めてログインすると貰えるものらしく低レベルの時はこれで十分らしい
「そだ、お兄ちゃんにこれを言おうと思ってたんだ
アルトランド王国の首都アルトブルグにようこそ!」