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「なぁ秋良!VRのオンラインゲームやらないか?」
大学の講義が終了し、これから夏休みに入るという日にゲームオタクの悪友、御崎拓に誘われ
拓の家に行くと其処には、ダンボール箱が1個置かれていた。
「実はな?VR用のHGが懸賞で当たったんだが、学校のヤツにやるのも何だし
自分用のは持ってるしな。そこでお前にこれを進呈しようと思ってな」
結構前から、この悪友は妹と手を組み、俺を引き込もうと色々と画策していたらしい
この悪友がはまっているオンラインゲーム『Cross Cross Online』と言うらしいんだが
俺の妹の雪姫が同じオンラインゲームをやっているらしく、妹からもやらないかと誘われたんだが
「態々HG買ってまでやる気は無い」と言って諦めさせていた
そして今回、HGを用意までされると諦めるしかなくなってしまった次第である
「分かった。やればいいんだろ?だがそのゲームって金掛かるんじゃないのか?」
「基本料は無料だぜ。特殊なアイテムとか買う時だけ課金するようになってる」
「ふーん・・・まぁ、金が掛からないならやってもいいか」
「HGは精密機械だから、箱のまま持って帰ってくれな?設置方法や最初の設定は雪姫ちゃんが
知ってるから、そっちで教えてもらってくれ」
「分かったよ。設定とか終わったら連絡入れるからな。お前が引き込んだんだから最初のうちは色々教えろ」
「OK。OK。俺は先にログインしてるから、設定が終わってログインできたら雪姫ちゃんに言えば俺の事を
呼び出す方法を教えてくれるはずだ。教えんのはそれからでいいだろ?」
「そうだな・・・ひとまず、これはありがたく貰っとくよ」
と、HGの入っているダンボールを掲げる
「ういうい。貰っとけ。貰っとけ。そんで俺の遊び相手になるのじゃ」
拓はおどけながら返事を返してきた
「これ設置する為に帰るかな・・・んじゃ拓。また後でな」
「ういうい~。後でな~」
俺はHGの入ったダンボールを抱え帰って行った