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時。ロードオブダーク。
著:ルッディ・トルシア:マスターデーモンスレイヤー。
あなた方はソムカというデーモンスレイヤーをご存知だろうか。
我らデーモンスレイヤーが血に汚れた手で縋るように捲る、デーモンに関する知識書。その書に記された一字一句、羊皮紙の繊維にまで染み渡る智慧のすべては、彼が地獄の業火に身を投じ、その魂を削って抽出した勝利の結晶に他ならないのです。
ソムカはデーモンスレイヤーの礎を築き上げた我々の祖であり、父とも言えましょう。
彼のような高名な戦士でさえデーモンという存在の前では、常に背筋を凍らせる畏怖を抱いていたのです。
彼にとってデーモンとは、ただ屠るべき獣ではありませんでした。それは魂を震わせ、底知れぬ恐怖であると同時に、自らの生を証明するための至高の供物でもあったのです。恐怖を食らい、高揚を剣に変えたソムカの背中。我らは今も、その残像を追い続けている事を忘れてはならないのです。




