第1章 目標
ォン
……ーォン
……ポーォン
――んん...?なんだよ、ウルセェなぁ...
「ポーォン」という音に反応し、俺は目を覚ました。
体を動かそうとすると体全身が酷い倦怠感に襲われる。
(だるい...もう少し寝とくか...)
ポーォン...ポーォン
「...」
ポーォン、ポーォン、ポーォン、ポーォン
「.........」
ポーォン、ポーォン、ポーォン、ポーォン、ポーォン ポーォン、ポーォン、ポーォン
「..................」
ポポポポポポポポポポポポポーォン
いやうるせぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!
あまりのうるささに謎の音に怒鳴りつける。
うるさいわ!!!黙れ!!!!こちとら体がクッッッッソダルイんだよ!!寝させろ!!!
しかし音は鳴り止むどころか更に頻度を増していく。
ポポポポポポポポポポポポポポポポポーォン、ポーォン、ポーォンポッポポポッポポ、ポッポポーォン
なんだよ!!?朝に息子を起こすお母さんかお前は!!!?余計なお世話じゃ!!!
ポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーォン
ぬがぁぁぁぁぁ!!!わかった!!!起きる!!!!!起きるから!!!!起きるからやめろ!!!!やめて下さい!!!!!
ーーハァ…仕方ねぇ起きるか…
体を起こそうと手足を動かす。
ガンッ
動かそうとした手足が何かに当たる。
...は?
え、なに今の。なに「ガンッ」って。怖い怖い怖い。
いやきっとベットに面している壁に当たったんだ、そうだそうに違いない。
そう心の中で自分を落ち着かせもう片方の手を動かす。
ガンッ
……うん、これなにかに閉じ込められてるわ。
そっか俺閉じ込められてんのか。そっかそっか…
イヤァーーーー!!!!誰か助けてぇぇぇ!!!!
手足を全力でばたつかせる。
俺閉所恐怖症なの!!!こんな真っ暗で狭い所が怖いの!!!!なんだ!?あれが!!?ドッキリか!!?
ドッキリなんだよな!!?じゃなかったら新手のイジメだろこれ!!
そうしてこの謎の壁と格闘して数十分経った。
ハァッハァッ…ハァッハァッ…これあれだ。拉致だな。拉致。某北の国に拉致られたな。この後奴隷として働くんだなきっと。って嫌だわ!!!俺はスポーツダメダメ人間よ!!!?というか赤の他人の為に働くとか絶対嫌だわ!!労働反対!!グータラ生活バンザイ!
心の中で1人ノリツッコミをしながらなんとかこの壁を色々調べてみた。その結果この謎の壁について幾つか分かったことがある。
まずこの壁は壁というより卵のように俺を包んでいる。
もう一つはこの卵のような容器、壊せるかもしれないことだ。
しかも俺の指、なにか固いものが付いているこれならこの容器の壁を壊せるかもしれない。
ハッ、ちゃんと持ち物検査するべきだったな!某北の国!俺はこの容器を突き破って脱出してやるぜ!!
出せる力全てを拳に込め、容器にぶつける。
何度も何度も拳を容器の同じ場所に殴りつける。
ーーフッ……
カッテェェェ!!この容器カッタ!!!
なんが「容器を突き破って脱出してやるぜ!!」だよ!!こっちの拳が先に壊れそうだわ!
…でも今のところこれしか方法ないし…やるしかないかぁ
その後拳の痛みを耐えながら何度も割ろうと試みる。
痛みを耐えた甲斐あってか
パキッ
という音がした。
いける!!
ここ(容器の中)から出られる希望を胸に更に力を込める。
うおおおおおおおお!!
すると容器にヒビが入り、光が差し込む。
そのヒビに向かって頭を突き出す。
やった外だぁー…
頭が完全に出ると視界に広がったのは
洞窟だった。
……は?え、どこここ?
周りを見渡すも景色が変わる訳もなく同じ景色が見えるだけだった。
ナニココ知ラナイ…
なんだ?最近は拉致ったら洞窟に置くのが主流なのか?そんな訳ねぇだろふざけんな。
…とにかくこの卵のような容器から体を出そう、考えるのはそれからだ。
体を前に倒し、容器から這い出る。さてどうしたもんかと立ち上がろうとすると足に違和感を覚えた。足を怪我したのかと思い足元を見ると鱗だらけの足があった。
え…いや…は…?これなに?俺の足…?トカゲの足じゃんこんなの…いや恐竜とも言えるな…………
謎が謎を呼ぶ。頭を掻こうとすると手が視界に入り、自分の手が人間の手ではないことに気がつく。
うわぁ!?
咄嗟に頭から手を離し、自分の手を凝視する。
先ほどみた鱗が生え、4本の指に鋭利な爪がついた恐竜ような手のままだった。
なになになに?さっきからなんなんだよ?容器から出られたと思ったら洞窟だし、手は化け物になってるし足は恐竜みたいになってるし……
なにがどうなってんだよ…
ハァ…叫びすぎて喉乾いたわ…コーラのみてぇ…
飲めるものはないかと見回すとすぐそばに泉があった。水の中の細菌とかが気になったが混乱し過ぎたせいで頭が回らず、そのまま泉の水をがぶ飲みした。
ゴクッゴクゴクゴクッ
ップハァ〜泉の水うめぇ〜!!生き返るわ〜。
もう一度泉の水を飲もうと顔を向けるとそこにあったのは。
ゲームで見たようなドラゴンの子供のようなモンスターだった。
…正直、失神するかと思った。
だってドラゴンよ?ファンタジーの代表格よ?
しょうがないよね。
とりあえず自分の体の状況を確認した。今度は現実逃避をせず覚悟を決めて体を調べた。
見れば見るほどドラゴンなクエストを思い出す。長い尻尾、鋭利な爪と牙、全身を覆う鱗…完璧にドラゴンのそれだった。翼は無かったけどね。
改めて見ても信じられないなぁ、自分がドラゴンになるなんて。
そんな事ぼやきながら何故このような姿になったかを俺は考えた。
心当たりはある、あの時の教室に現れた魔法陣が原因なのは間違いない。
多分あれだ。よく小説とかで出てくる転生ってやつだろう。
だがそこ問題はそこではない。
問題はあれがなんなのか、何故発生したのかが分からないという点だ。
情報が少な過ぎる。現世に帰れるかも怪しい。
しかし希望がない訳ではない。
自分だけがここに来たとは考えにくい、
あの場にいたクラスメイトも来ている可能性の方が高いという事だ。
あのとき教室から落下した時にこの現世に帰れるヒントとなりえるものを見たという奴がいてもおかしくない。
ソイツからのヒントを元に現世に帰る方法が分かるかもしれない。
とにかくこれからの目標は
・この世界のどこかにいると思われるクラスメイトを見つける事
・クラスメイトと共に現世に帰える方法を見つけ出す事
この2つだ。
今作は小説ド素人の作者が初めて書いた作品の為
不定期更新&内容薄っぺらいかもしれませんがご了承下さい。