【全裸肝試し、終幕〜雌餓鬼軍団、襲来】
「アタイの名は『巨乳好きのエイディ』!巨乳っ娘達を取り戻すために、日夜雌餓鬼共と闘ってんだ!」
「アタイはかつて紛争地帯で10年以上生き延びた女!これくらいのことでくたばるアタイじゃねぇんだよ!!!!」
「お前達は長い乳と丸い乳、どっちが好き?アタイ?アタイは両方。」
エイディがかつて語った言葉達が蘇ってくる。
「アタイ、雌餓鬼共との戦いが終わったら、巨乳っ娘だらけのハーレム作るんだ」
彼女は、かつて同志である革命軍の仲間達にこう語った。
それは側から聞いたら死亡フラグの台詞以外の何者でもないが、この言葉を聞いた革命軍達はそのようには感じなかった。
エイディ自身が強いのもあるが、それ以上に雌餓鬼達は皆揃ってペド体型である。
エイディは巨乳美女・美少女以外には興奮しない。故にペド体型の者しか存在しない雌餓鬼達に負けるわけがない、皆がそう思っていた。
だが、現実というのは時に想像を、理想を、軽々と超えてくる。
「おいおい、嘘だろ・・・!?」
本部に戻った善達は、一体の雌餓鬼の姿を見て驚愕した。
その雌餓鬼は他のペド体型の雌餓鬼達に比べて頭身が高く、おっぱいがとてもデカかった。
「『ロリ巨乳型の雌餓鬼』・・・じゃと!?」
「それだけじゃないでヤンス!似たようなのが他にも・・・!」
ヤンス竹本の言う通り、異質な雌餓鬼はロリ巨乳型だけではなかった。
よく目を凝らしてみると、『太ももごん太型雌餓鬼』や『デカケツ型雌餓鬼』の姿も確認できる。
「ま、まさか、雌餓鬼達の生態系に変化があったのか!?」
「そうか、雌餓鬼達とて生き物であることには違いない、であれば、環境に伴って変化することぐらいある!それを今の今まで失念していたとは、なんたる不覚・・・!」
善と翁が驚愕している最中でも、雌餓鬼達にとっては関係ない。
雌餓鬼の集団が一行に襲い掛かかる。
3人は間一髪で雌餓鬼達からの奇襲を避けるが、それだけで攻勢に中々回れない。
「このままじゃ埒があかねぇ、どうすれば・・・!」
その時である。雌餓鬼達の集団の方から爆発が発生し、一部の雌餓鬼達が爆死した。
誰かが雌餓鬼達の集団に爆弾を投げ入れたのだ。
「へっへっへっ・・・!」
爆弾を投げ入れたのはヤンス竹本であった。
ヤンス竹本の体にはいつのまにかいくつものダイナマイトが括り付けられていた。
「翁さん、善さん、アッシがこのまま奴らに突入してスキを作るでヤンス。スキができたら、二人は一旦逃げて体勢を整えて欲しいんでヤンス。」
「竹本、でもそれじゃあお前が!」
「なぁに、お二人に比べたらアッシのような下っぱの命なんて軽い物でヤンスよ」
「———それは違うぞ、竹本」
ゴリ押しの翁が口を挟んできた。
「翁さん・・・?」
「人の命に重い軽いなどの差はない。全ての命が平等に軽いものじゃ。」
「翁・・・」
「それに、整える準備ならもうできとる。お主が爆弾を雌餓鬼達に向けて投げ込んでくれたおかげでな」
ポロンポロンポロンッ!
鳴り響く大合唱。いつのまにか大量のドリフトピアノが翁の元に集まっていた。
「善、このピアノ達の内一台をお前に貸す。そいつに乗ってお主は逃げるのじゃ。ワシは竹本と一緒に、残ったピアノ全てを使役して、雌餓鬼達を少しでも多く轢殺する」
「翁!」
「全ての生き物の命は軽いものではあるが・・・善、お前の命はまだここで散るべきではない。さぁ、早く行くのじゃ!」
善は涙ぐみながらも、一台のドリフトピアノに乗ってその場から逃走した。
後にはヤンス竹本とゴリ押しの翁が残る。
「・・・いいんでヤンスか?翁さん」
「なぁに、元より残り少ない命じゃ。逃げて少しでも生き延びるよりも、未来ある者のために使いたくなっての。・・・お主も死ぬのが嫌なら、善と一緒に逃げてもいいんじゃぞ?」
ヤンス竹本はゴリ押しの翁を少し見つめた後、静かに首を横に振った。
「アッシの覚悟はもう決まってるんでヤンスよ、翁さん。・・・それに、お世話になったお爺さんが一人で散っていくなんて、寂しいでヤンスでしょうからね!」
「こ、こいつ〜!生意気いいよってからに!」
雌餓鬼の一体が二人に襲いかかる。だが、ヤンス竹本が持っていたピストルで雌餓鬼を撃ち殺した。
「竹本よ、ワシは正面からピアノ達を突入させる。お主は高台に登って援護射撃を頼む」
「了解でヤンス!」
ヤンス竹本は軽々と障害物や雌餓鬼達を乗り越え、身近な高台の上へと移動した。
「さぁて、この『ゴリ押しの翁』の力、とくと貴様らに味わわせてやろう!———1の力ならば1000の力を、10000の力なら1000万の力を!どんなに強力な敵でも、圧倒的な質量の物体を大量にぶつければ平等に『死』、あるのみじゃぁぁぁぁ!!!!!」
ポロポロポロポロポロポロポローン!!!!!!!!!
『ゴリ押しの翁』、それは全てを圧倒的な質量を持って潰しにかかる、破壊神たる老兵の異名である。