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【全裸肝試し、終幕〜VS貧乳好きのアンディ】

深い深い穴にしばらく落ちた後、3人はようやく穴の底の地に立った。

いや、正式には「地」ではない。大きく柔らかなマットだ。3人が穴に落ちるのをすでに見越しての配慮であろう。

「ケヒヒ・・・ついに来ましたねぇ、侵入者が」

暗闇が広がる奥の方から、明らかに雌餓鬼ではない人間がやってきた。その人間は黒いコートを身に纏っており、青白い肌をしていた。さながら伝承に出てくる吸血鬼のような容貌である。

「!お、お前は!!」

「『貧乳好きのアンディ』!!!」

『貧乳好きのアンディ』、かつて『巨乳好きのエイディ』と長い間対立し続けた男であり、雌餓鬼ハザード発生後は速攻人類を裏切って雌餓鬼側に着いた者である。

「まさか雌餓鬼達の始まりの地でお前に会えるとはな!」

「ケヒィ!悪く思わないでくださいねぇ、雌餓鬼が増えれば、それだけ貧乳も増えるもんでねぇ!!!」

「そんな・・・今だとロリ巨乳型の雌餓鬼もいるってのに!」

「そういうタイプは胸を削ぎ落として無理矢理貧乳に変えるんで問題ありませぇん!!!」

なんという狂気。己の欲望を満たすためなら平気で人類を裏切り、あまつさえ巨乳を無理矢理貧乳に変えることすら躊躇しない。

外道である。

「気をつけろ!『貧乳好きのアンディ』はビーストテイマーだと聞いたことがある!」

「え!?」

「ケヒャァ!その通り、———おゆきなさい、『殺戮凶獣(さつりくきょうじゅう)ヘルポメラニアン』達!!!」

貧乳好きのアンディの呼びかけに応じるかのように、デカいポメラニアン達が一斉に3人に向かって襲いかかってきた。神殿の入り口に詰まったデカいポメラニアンと同サイズだ。3人を突き飛ばして入り口に詰まったポメラニアンも『殺戮凶獣ヘルポメラニアン』だったのだろう。

「いやちょっと待てよ、『殺戮凶獣ヘルポメラニアン』って何だよ!デスポメラニアンまでならまだ聞いたことあるが、ヘルポメラニアンなんて知らねぇよ!」

「説明しましょう!『殺戮凶獣ヘルポメラニアン』とは、殺戮凶獣デスポメラニアンを品種改良し、よりデカく、より凶暴に、より可愛くした人工的な新種ですケヒャァ!」

「ありがとう、解説!」

「だが説明通りならこのポメラニアン達は実質『死』の実体化だ!!!」

戦の言う通りであった。殺戮凶獣デスポメラニアンはただでさえ1匹で100人を殺す程の獣なのだ。それがさらにパワーアップした個体となると、3人に勝ち目があるようには思えない。その上、殺戮凶獣ヘルポメラニアンは見渡した限りでも4〜5体もいる。勝ち筋が見えない。

「「「「シャァァァァ!!!!!!」」」」

殺戮凶獣ヘルポメラニアン達のスピードは音速を超えており、一番戦い慣れている戦でさえも目で追うのは不可能であった。

3人はガードの姿勢をし続けていたが、長くは続かない。殺戮凶獣ヘルポメラニアン達の音速のスピードによる攻撃によって、どんどん傷が増え、血液も流れ続ける。

(まずい、このままだと出血多量で普通に死ぬ!)

(なにか、なにか手はないのか!?この猛撃を止める方法が・・・!)

「・・・・・・」

3日の中で唯一、善だけは傷を負い続けながらも思考していた。

「ケヒィ!そろそろガードし続けるのも限界でしょう!ヘルポメラニアン達、トドメをさしちゃいなさーい!!!!!」

「「「「シャァ!!!!」」」」

殺戮凶獣ヘルポメラニアン達の牙が3人に向く、一思いに食い殺すつもりだ。

成志と戦はこれまでか、と思いながら身をこわばらせ、自身が殺戮凶獣ヘルポメラニアン達に噛み殺されることを覚悟した。

———だが、殺戮凶獣ヘルポメラニアン達の牙が3人に届くことがなかった。届く前に、大量のメガネを使って作られたバリアが貼られたからだ。

「こ、これは、メガネで作られたバリア!?」

「信じられん、こんな真似が出来るのは眼鏡しかいない!だがアイツはあの時雌餓鬼になったはずだ、一体誰が・・・」

「俺だよ」

答えたのは善であった。

「実はさ、こっそり練習してたんだ。眼鏡(アイツ)の得意技。大量のメガネを体内に隠し持つのも、出したメガネを使って何かを作るのも、まだまだアイツには及ばないけどさ、どたんばで上手くいって良かったぜ。」

「善!」

かつての仲間、眼鏡のことを思い出す。彼は常に体内に大量のメガネを隠し持っていた。そして体内から出したメガネを使って、いつもいろんなものを作っていた。メガネ手裏剣、メガネハンマー、そしてついにはメガネで人工衛星を作って飛ばしたこともあった。

(アイツに比べたら、俺はせいぜいメガネで3人分のバリアを作ることしか出来ねぇ。・・・いなくなってからようやくわかる、アイツの凄さが。)

善はもういない眼鏡に対して、思いを馳せた。

「ケヒィ、メガネで作られたバリアがなんだというのです!そんなもの、消し飛ばしてしまえばいいんです!・・・・・・『犬ビーム』一斉掃射!!!」

殺戮凶獣ヘルポメラニアン達から犬ビームが放たれる。

犬ビームとは、戦闘力がめちゃくちゃ高い犬のみ放つことができるという、必殺のビームである。

「なんの!犬ビームもメガネバリアで・・・ギャァァァァァ!!!!」

「頭上からビーム・・・いや、これはレーザー!」

「ケヒィ、見事にヘルポメラニアン達と犬ビームばかりに気を取られてくれましたねぇ!私が使役してたのはヘルポメラニアン達だけじゃないんですよぉ!」

頭上には複数の猫が飛んでいた。どの猫も皆尻尾が二股に分かれているので、恐らく猫又の類であろう。

飛んでいる猫達の目からは、絶えず目からレーザーが射出され続けていた。

「ケヒィ、頭上から降り注ぎしレーザーの名は『猫レーザー』!強い妖力を持った猫のみ放てる必殺のレーザーでケヒィ!!!」

「「「ぐぉぉぉぉぉ!!!!」」」

頭上から猫レーザーが射出され続ける。一方で犬ビームの掃射が止む気配もない。

3人は一方的に攻撃され続けていた。

「クソァ!折角殺戮凶獣ヘルポメラニアンの猛撃を止められたと思ったら、今度はこれかよ!」

「くっ、せめてスキさえ作れれば俺が直接アンディを殴りに行けるのに!」

3人の体は連続の犬ビームと猫レーザーによってボロボロになっていった。その状況で声を出したのは成志である。

「・・・・・・スキ、作ればいいんだな?」

「「!?」」

善・戦の2人は成志の方を見た。

「かつてあいつから・・・エロ山から教わった秘伝の技がある。そいつを使って俺がスキを作る!」

「そんな、流石に危険だぜ成志!」

「こういう絶対絶命な状況ってのは、危険レベルの無茶しねぇと打破出来ねぇもんだぜ!ハァァァァァ!!!!!」

成志が掛け声と共に気合いを入れていくと、成志の陰茎が徐々に扇風機のようにブゥゥゥゥンと回転し始めた。

回転する陰茎から発せられる風圧はどんどん強くなり、やがては犬ビーム・猫レーザーもろとも跳ね返してゆき、最終的に成志は真上に飛んでいった。

「秘技、チンコプター」

チンコプターは陰茎を使って宙を自由自在に滑空する秘技である。

殺戮凶獣ヘルポメラニアンと猫又達は、チンコプターで宙に浮く成志につい注目がいってしまい、犬ビームと猫レーザーを放つのを忘れてしまっていた。

(今だ!)

「フン!!!!!!!」

「ギョエエエエエエ!!!!!!!!」

戦は一気に貧乳好きのアンディの至近距離まで移動し、そのまま貧乳好きのアンディの顔面を殴りつけた。

顔面を殴られた貧乳好きのアンディはそのままノックダウンし、主人が倒されたのを見た殺戮凶獣ヘルポメラニアンと猫又達も、散り散りに逃げていってしまった。

「・・・なんとかなったみたいだな」

「ここで大分ボロボロになっちまったがな」

そう言いつつも、3人はチンコプターの本来の使い手であったかつての友人エロ山に思いを馳せた。


「・・・てぇ。ウルトラマン並みにデカい巨女のおっぱいに潰されて死にてぇ・・・。それか巨女の放屁嗅ぎながらイキてぇ・・・」

エロ山は5人の中では最も男子高校生らしい男であっただろう。

部屋には5千冊ものエロ本が置いてあり、その中には一般的な女性が描かれたものから人型のケモノ女性がメインのものまで様々であった。

幼い頃は覗きや痴漢を繰り返しすぎて頻繁に警察の世話になっていたらしく、その回数は万を超えるという。

また、全裸肝試しの直前の日には、体育教師を務めている雄っぱいのデカい成人男性に興奮し、5秒で勃起と射精を同時に行っていた。

それ程に性欲の強かったエロ山は、己が欲望を満たすために、様々な秘技を身につけていた。チンコプターもエロ山の持つ秘技の一つであった。

(アイツは今も雌餓鬼として生き続けてるんだろうか?それともとうの昔に討伐されてしまったのだろうか?・・・どちらにしても、俺達が『エロ山』であるアイツと関わることはもうないだろう)



「なぁ、RPGみたいに都合よく回復ポイントとかねぇかな?ボロボロ過ぎてこの先戦っていける気がしねぇよ。」

「確かに、この状態のまま挑んでも間違いなく負けるしな。」

「ずっと休んでいるわけにもいかないしな。他にも敵が潜んでいるやもしれんし、ヘルポメラニアン達が戻って来て再度襲ってくる可能性もある。」

「———フォッ、フォッ、フォッお困りのようじゃのう」

「「「誰だ!?」」」

3人が声のした方を振り向くと、そこにいたのは小さい人間のような存在だった。

頭に黒いシルクハットを被り、首には蝶ネクタイ、手には杖を持ち、顔には白くて立派なカイゼル髭が蓄えられている。

なによりも注目すべきは、身につけているものはそれだけで、後は全裸だったことだろう。股間からは常に光が発せられており、背中からは絵本の妖精がつけているような羽が生えている。

「吾輩は全裸の妖精。ここまで全裸で戦ってきたお主達に敬意を払うため、馳せ参じた。」

「全裸の妖精だと!?」

「さぁ、回復してやろう。それが吾輩なりのお主達への敬意じゃ。」

「すげぇ!ご都合主義な展開になってきたぜ!」

「ついでに吾輩も一緒についていってやるぞい」

「ますますご都合主義だぜ!ご都合主義すぎてなんか怖いぜ!」

「フォッ、フォッ、フォッ。いいんじゃよ。ご都合主義に任せていいんじゃよ」

(クククク、バカめ!あえて回復させ、「自分は味方です」アピールすることで、相手を油断させる吾輩の作戦にかかりおったわ!!!)

全裸の妖精は雌餓鬼側の刺客である。

(このまま即死級の罠が張り巡らされている場所まで連れて行き、そこで全員皆殺しにしてや「ギャァァァァァァァァ!!!!!!!!」


「全裸の妖精さーん!!!!!!!!!!!」

全裸の妖精を襲ったのは殺戮凶獣ヘルポメラニアンの一体だった。

彼は神殿の扉に体を詰まらせていたが、つい先ほど自身の体を解放させられたので、仲間の元に馳せ参じたのだ。

しかし彼が来た頃にはすでに戦闘が終わっていたため、どうすればいいのか分からず、とりあえず光ってるなんか変なものを口に咥え、どっかに持って行くことにしたのた。

主を失った殺戮凶獣ヘルポメラニアンには、敵と味方の区別がつかない。

「ううっ、殺戮凶獣ヘルポメラニアンの野郎、よくも全裸の妖精さんを・・・!」

「悔やんでも仕方ねぇ。行こう、全てを終わらせるために」

3人は雌餓鬼ハザードに終止符を打つため、神殿の奥を目指していった。

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