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4/4

4/4(終編)

……




………




……




嫌に意識が強くあった

周りを見ると真っ白な空間であった

これは前日見た夢なのか?

克服し切れてなかったのか?

自分の姿は前世の姿

忌々しい…制服の格好をしていて、素肌はアザみれになっている

怖い……助けて…ラル


『白の魔術…一時的な心の安らぎを…貴方に』


聞いたことのない少女の声が聞こえる

恐怖を感じたけど、突然心の中の恐怖がすべて消えていく

落ち着いた時、目の前を見ると…そこには女の子がいた

姿は純白と言う言葉がとても似合うその姿で

白い髪が膝下まで長いストレートで

服も真っ白なロングワンピースを着ている12歳ぐらいの女の子がいた

…優しい笑顔を浮かべていたが、少し悲しい顔をしていた


「子供?だ…誰ですか?」


自分でも驚くぐらい心が落ち着いているけど、戸惑いはあった


「『白の魔術…不可思議な状況の理解を…あなたに』

こんにちは、私は…アンレイと言う世界の管理者、いわば神様よ」

「神?」


神…信仰の対象だけど……信じたことは一切なかった

助けを求めて願ったこともあったが…状況は何も変わらない

……存在なんかしない、そう思っていた

でもなぜだろう、神との邂逅はおかしいはずで信じれるはずじゃないのに、全てを理解してしまう


「うん……あなたの自殺前にいた地球と言う世界の神じゃないし、転生した後あなたがいたワイルダと言う世界の神様でもない…要は第三者の神様よ」

「第三者……」


疑問は色々とある、なんで神様と言って私と出会ったのか?なんでこんな話をするのか?私に何の用があるのか……でも、私はそれよりも1番に感じた疑問がある


「あの……なんでそんなに悲しそうなのですか?」

「…っ」


そう聞くと神様は一瞬顔をしかめた?どうしたの?

あの時、サリーさんから聞いた感じとは違うけど……声にとても悲しさがあった


「……あなたにとって、幸せの絶頂期にあるあなたに……とても辛いことを言わないといけないのよ………だから、悲しいのよ」

「……辛いこと?」


不気味なぐらいに自分は冷静でいられてる


「辛いことを伝える事、その為にあなたをここに連れて行きました………今から私から話すことはとても覚悟が必要なことなのです。

それも、絶対に聞かなくてはいけないことなので心の準備があるまで待ちます」

「え…あの…私は明日ラルと遊びに行きたいのですが」

「……」


ラルのことを話すと、その神様はまた表情が暗くなった……


「……そのことで辛いことなのですか?」

「はい」

「……聞くのを拒否することは」

「できません」


本気で……覚悟が必要なことかもしれない……


「聞くしか…ないのですか?」

「はい」

「……分かりました、覚悟はできました」


本当は出来てない、でも、「聞く」以外に選択肢がないならそうするしかないのかな…


「分かった……あなたに伝えなくてはいけないこと…それは


あなたは、記憶を持ったまま地球からワイルダに転生してしまいました。

これから、前世の記憶を完全に消してあなたは何も知らない『ルウマ』という猫族の少女として生きていかなければいけないのです」


「前世の記憶を?」

「…はい」


それって……


「私は……この世界に来て幸福や自由を初めて噛みしめられたのに……死にたいと思っていたのに…初めて生きたいと思ったのに……それも全て?」

「……うん」


理解したくない、そう思っているのになぜか頭で思ってしまう

そう考えたくない、現実逃避しようといくら考えても嫌な考えを理解してしまう

私は、立ち上がって反射的にその神様の胸倉を怒りのままに掴んだ


「なんで…なんでなんでなんでなんで!!

否定にまみれて…自由を求めて自害した!物語で見たような別の世界に転生して……自殺することまで否定するのかと思っていたけど…でもラルの優しさ、ラルの暖かさ!人から初めて優しくされて私は初めて人を信頼した!!他の人が怖くて頼ることもした!悪意が相手でも自分にとってトラウマに感じる相手でも…守りたいと本気で思った!!戦って戦って村を守った!

その後にサリーさんの話を聞いた……自分と重ねてしまって…アイツら(一族)同じように否定し続けられて…そいつの父親に言いたい放題言ったら……私は救えた…救えたんだよ!!前世でいくら何でも抗っても助からなかった自分と同じ目にあっていた人を救えて……町の人達から肯定されて初めて普通に生きたいと本気で心からおもった!

ラルと一緒の家でお泊まり会して…私の前世の事も自殺したことをしたことも全部話して……それでもラルは受け入れてっ!受け入れて!!初めて親友が出来た!!

明日が楽しみだと……ラルとサリーさんと一緒に遊ぶって!!思ったのに!!

それなのに……こんなに生きたいと感じたのに忘れて……実質完全に死んでと言いたいの!?

神でさえも……神でさえも私のこと否定するの!?」

「本当は……あなたが転生した直後にココに呼んで前世の記憶を消したかった……あなたにとって望まない結果になる前にココに呼びたかった」

「なんで!!なんですぐに呼ばなかったのよ!!呼ばれた直後なら…私は死にたいと思っていたのに!!あなたの記憶を消すことを肯定したのになんでこんな幸せの絶頂から絶望のどん底に落とすような真似をしたの!?」

「本当にごめんなさい……自分の管轄外の世界だったから見つけるのが遅れたの……」


そう言っている、神様の目はうるんでいた……最初に言っていた「心を落ち着かせる」と言う事も言わずにただただ私の罵倒を耐えるように受けていた

これじゃあ私がアイツらみたいじゃないか…


「私の責任よ……怠惰な地球の神へのちゃんとした指導をしなかったことによるあなたの人生が狂わされたことと…早く処置をしなかったこと

言いたいことも、もっと言いまくってもいいし、八つ当たりしたかったら八つ当たりしていいよ」


言いまくっても八つ当たりしても意味はない

神様は単に報告しただけ少しでも私の負担を減らすようにしていた

何を言っても本当に意味はない

それを理解した私は手を放して………


「なんで……なんでなんで……あああああぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」


そのまま…崩れ倒れながら泣きわめいた……神様は目をつぶってスカートを力強く握って静かに聞いていた……




泣き終わった後……私は、かなりの虚無感しかなかった……

正直、どうあがいても「前世の記憶が消える」そのことを理解して


「私はね……」


神に話しているか、誰でもない虚空に向かってか、それとも単なる独白のつもりか話し続ける


「前世は本当に何も楽しくなかった…自分を殺して逃げるぐらい楽しくなかった。生きてきた17年間よりも転生した後の2日間が本当に楽しかった……逆に言えばあの2日間が私が人生で感じるはずの全ての幸せだったんだなと思ったよ」

「……」


今度は…はっきりと神様に向いてに聞く


「前世の記憶を消す…ね……どうして記憶を消さなきゃいけないの?」

「…世の中には、前世に大事な人がいて…そのまま転生してしまうと、いくら過去を願っても一生会う事が出来ないのよそんな苦しみを合わせたくない

生き返らせるほど医療技術が発展していたり多少ばかりの例外はあるけど、基本的には生き返らすことは出来ない、生命がどう死ぬかは運命的に決まっているからね

それに…あなたみたいにトラウマを抱えたまま死んだら、来世でもその恐怖を一生抱えて生きなきゃいけない

苦しませたくないから……苦しませたくなかったから

神々の間では禁止にされているから記憶を消すと言っているけど私のエゴだと思ってもいい」

「あなたを傷つけてごめんなさい神様」

「謝らなくて…いいよ、むしろ謝りたいのは私、本当に苦しませてごめんなさい」

「………」


質問って…答えてくれるのかな


「ねぇ……」

「質問?いいよ何でも答える」


まるで心を読んでいるみたいだ…神様だから当たり前かもしれないけど

それもどうでもいい


「どうせ全部忘れちゃうから聞きたいけど、これから未来のことって私…いや、ルウマとして幸せに過ごせる?」

「うん、ワイルダの神様は新人だけどちゃんと管理をしているから大丈夫」

「私だけでなく、サリーさんも……最初で最後の親友…ラルも幸せになる?」

「なるよ…神様だから未来が見えるから分かるよ」

「そうですか……」


それはもう…私ではなく()()()()()()()()の人生……ルウマが幸せならもう……


私なんて…どうでもいいや


「……1つだけ、いいことを教えるよ」

「何でしょうか……」

「あなたが…自殺する前に警察に投げつけた遺書なんだけど、ちゃんと意味あったわよ」

「…」

「あなたを否定し続けたいじめっ子や一族の奴ら……警察は結局役に立たなかったけど、たくさんの人が見ていたでしょ?ネットやニュースとかであっという間に自殺の事と遺書の内容が広がって、あいつらの悪行が全世界中にばれたのよ…奴らは全員立場とか名誉とか完全に無くなったわ」

「それは…よかった」


心から良かったとは思ってない

あの遺書がどうなったかはどちらでもよかったから 


「それで、これからあなたの記憶を処理して、ワイルダの生命との関係は色々と修正する」

「私が説得したり村を守ったことは…」

「それはちゃんと意味のあったことにする『あなたは()()()ラルと親友でサリーとも親友である』と言う事実に変えることになる」

「……ルウマは幸せになりますよね?」

「うん……それは絶対よ」

「じゃあ……早くお願いします。もうこの虚無感は感じたくない」

「分かった………『白の魔術…魂の浄化を…貴方に』」


そう言われると、自分の前世の記憶が溶けるように消えていく

自分は幸せだっただろうか…不幸だっただろうか…

そんな疑問も消えていく

死にたいと感じて自殺して

初めて肯定されて生きたいと感じたら

神に真実を言われて死にたいと感じて

もうどうでもいいやと感じてる

地球の神?管理者?どっちでもいいけど

そいつが元凶であるなら、一発でも殴りたかった

さようなら……否定だけでアザだらけの体

さようなら……ルウマとしての体

さようなら……傷だらけの心で…ボロボロな私






最期に神様から「本当にごめんなさい」と聞こえた気がした…














「う…うーん、ふぁ~ん」


目が覚めて、両手を前に伸ばしながら背伸びをする

ポカポカした朝日が気持ちいい……あれ?


「あれ?私の家じゃない?」


キョロキョロ見渡すととても美味しそうな匂いがする…


「あっ!そうだ!昨日はラルの所でお泊まり会をしたんだ!」


そう言うと寝室の入り口から私の大好きな親友、ラルが入ってくる!


「ラル!おはよう!」

「おは……わっぷ!?」


大好きな親友に抱きながら鼻をこすりつける

ラルもしっぽをパタパタ振っていて嬉しいの?

ラルが嬉しいなら私もうれしい!!


「おはよう、朝ごはん食べよルウマ?一緒に手伝って!」

「うん!!」


キッチンに向かいながら私たちは楽しく会話をする

…何気ない日常だけど、みんな大好き!!!


「昨日は本当にありがとうね?」

「ん?何が?」

「だって猫の種族と犬の種族の喧嘩を止められて…サリーさんの事も救えたからね!」

「そんなことないよ!ラルだって私がたどり着く前に話し合い頑張っていたし

それに……怖かったから最後泣いちゃったけど、その時に撫でてありがとう!!」

「うん!ありがとう!」

「それと……これからも親友になってね!!」

「もちろん!!」


朝ごはんが出来て、「いただきます」をしてさっそく私は一口頂く


「おいひい」

「こらこら、口に物を入れたまま喋らないの」

「こくん……美味しいよ!本当に昔からずっと…いや、昔からどんどんおいしくなってる!!」

「ありがとうね、あなたも昔から美味しそうに食べるから作り甲斐あるよ!!」

「それで、今日の予定はもちろん……」

「サリーちゃんと遊ぶ!」

「…料理振る舞いたいけど、美味しいと言ってくれるかな?」

「もちろんだよ!!」

「うふっ……ありがとう、私の大好きな親友ルウマ!」

「どういたしまして!私の大好きな親友ラル!」


今日も一日楽しい日になる、昨日は怖かったけど今日は絶対に楽しい日になる!!

幼馴染で大好きな親友と共に、これから新しい親友と共に遊ぶ!

生きているのって本当に楽しいな!!

自由にのんびりと暮らして生きていく!!






******************






「はぁ……あの地球の神…いえ、あの屑は『ちゃんと生命の管理をして』といくら言ってもサボってばかり……はぁ……私とオーラのことをあんな目に合せまくって………本当に死ねばいいのに」


浄化の処置が済んだアンレイの管理者…レインは小窓を開きルウマの様子を観ながらひとり静かに呟く


「先輩…大丈夫ですか?僕が行けばよかったのになぜアンレイを担当しているレイン先輩が対応したのですか?」

「……」


小窓を閉じながら、レインは新人の管理者に話し始める


「その前に伝えたいことがあります

あなたが地球の管理者(あのクズ)と違ってちゃんと管理をしていたからあの女の子が無事でよかったな…誰も管理してなくて本当に戦争が起きている世界に転生してしまったら凄惨なことになるからね

本当にありがとう」

「あの…最後の説明に関することですけど、生命に色々言われていましたよね?

まず…なんでアンレイを担当しているレイン先輩が対応したのですか?

対応するにしても、また心を落ち着かせる魔術を使って心を制御したりすればあんなに言われなかったと思います。

もしくは、対応そのものをしないで前世の記憶を消してそのままにする…とか」

「……確かにそうだけど、私はね…『地球からの転生者』と話をしたいのよ、その時に危害を加えられても心無いことを言われても受け入れる、すぐに助けられなかった自分への戒め…いやこれはただの自分のエゴかもな

…それで、もしその人が望むことであれば可能な限りのことをする、今回の人は……心の底から自由を求めていたこと以外要望は感じなかったな……

言い訳になるけど一応理由はあるのよ、対応しないで前世の記憶をそのまま消すと覚えていたことがごちゃごちゃになる可能性が高い、バグ修正したらまたバグが起きるようにあの子自身が何の覚悟もしてない状態で記憶を勝手に消していたら………人間に憎悪を抱いた状態のままになって、下手をすればワイルダで戦争が起きるかもしれなかったからね

沢山の生命が満足して生きるために………言われたことは受け入れるつもりよ」

「自分達世界の管理者は…何万何億年も生きていて……それで言われたとこを受け入れて覚えていて……辛いと感じないのですか?」

「言われている時はつらいけど、でも世界の管理者ならそれが当たり前、私はアンレイの生命たちの話をちゃんと目と目を合わせて聞いているし、悩みだって聞いているの

オーラも担当しているオンレイにて同じことをやっているの

管理者と生命…上下の差なんてものは無いと思いたいから私たちは普通に自分の担当している世界で普通に暮らして生命と共に過ごしている」


ふと、疑問を感じた新人の管理者はレインに質問する


「それ…いいんですか?」

「なにが?」

「生命と親しい中になるのは禁止されてないですが…生命と管理者…管理者は実質不老不死で寿命差は圧倒的すぎますし……生命と仲良くなっても生命の寿命が先に尽きて、死別してしまいます

自分は…それが怖いからこうやって遠くから観ることしかできません」

「うん…親身になって話は聞いているけど、いつもその生命が……誰だって死んじゃう時は辛いけど、それでも親身になって話を聞く」

「……本当につらくないのですか?」

「うん、私にはオーラがいるから辛いのはもう平気」

「それなら…いいですけど」

「心配してくれたの?ありがと」


レインが感謝をすると、新人の管理者は資料の整理を始める


「それにしても…なぜ、今回の地球からの転生者はいくらか成長した状態からになったんでしょうか?言葉も通じましたしそれに位置も適当な草原にいましたし」

「エラーみたいなものなのかな?以前オーラが対応した人は赤子からだったけど」

「エラー…なんてあるんですか?」

「分からないけど…命を無くした生命は絶対に記憶を消す浄化をしなきゃいけないけど、ガサツでやる気のない地球の管理者(アイツ)だけは手を抜いて記憶をそのまま転生させちゃってるの

以前別の世界の前管理者が『飽きたから』と言うふざけた理由で地球の重犯罪者を送り出したことはあったし、私たちが管理者になったばっかりの時、どこかの世界で『別の世界の魂を救世主として転生させる』と言う今では完全に違反になる行為が横行していたけど、現在それ以外で記憶そのままで転生させているのはあいつだけ」

「その事件ありましたね…現在その世界は自分と同じ新人の者が自ら管理を行って安定していますし

にしても、地球の管理者が浄化をしなかったから、ある程度成長していたうえ言語も理解していましたね……最後の話も含めて地球の管理者に任せられたらいいですが…」

「あいつに期待は絶対に出来ない

生命の管理もずさんで地球では生命同士の争いが多くて戦争もしていて……さっきの人間の女の子のように否定され続け世界に絶望して自ら命を絶つ者だっている、以前の男性のように理不尽にほかの生命に殺されてしまう人もいる、転生時の浄化も何もやらないなら異世界への転生者や転移者を助ける人はいなくなる

私たち…私とオーラで助けるしかないの

地球からの不幸で理不尽な犠牲者はこれ以上いて欲しくない、地球の管理者がいくら言ってもやる気を出さないなら自分たちがその人を救う…それまでよ……」


そう決意する、レインの様子を観て

新人の管理者はこれ以上質問するのをやめた

世界の管理者は誰かに仕事を託さない限り

永久的に世界の管理を続けなければいけない

その世界で生きている「生命」が快適に暮らせるよう

管理をし続けなければいけない


この物語は管理者の間では

当たり前の日常のワンシーンである

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