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2/4

2/4(中編)

私のいた場所は牢獄のような場所であった。

今となっては前世の姿ではあるけど

自分の姿は元の姿になっていた

周りから有象無象の雑言が聞こえる


「○○一家として生まれたことは名誉である」「生まれたならば文武両道完璧にならなければいけない」「鉄は叩けば直る」「完璧でないなら完璧になるまで叩けばいいだけ」


両手も両足も頭でさえ体が固定されて動かない、叩かれる…叩かれる…叩かれる

こいつらは知らないんだな、鉄でも叩きすぎると壊れちゃうことに


「一家の恥」「一家の恥」「恥なら叩けば直る」「叩いた後は見られてはいけない」「顔以外叩けばいい」


殴られる叩かれる蹴られる唾を吐かれる死ねと言われる

足掻こうとしたことはある、でも足掻けば足掻くほどどんどん状況は悪化していった

すると、目の前に1つの穴があった。

いつの間にか体が動き下を見てみるとかなり深かった、このまま落ちて死ねば楽になると思って飛び降りる………


「死ねると思ったのか?」


そう聞こえると頭上から網が貼られ掬い上げられるとそのまま乱暴に牢にぶち込まれる


「死のうとした一家の恥は家から出すわけにはいかない死のうとした一家の恥は家から出すわけにはいかない死のうとした一家の恥は家から出すわけにはいかない死のうとした一家の恥は家から出すわけにはいかない死のうとした一家の恥は家から出すわけにはいかない」


壊れた音声のように嫌いなアイツらの声が響いてくる、聞きたくないやめろ嫌だ逃げたい逃げたい逃げたい…


そういえば人間は舌をかみ切れば死ねるんだよね………

そう思った時は行動に移すまでは早かった……








「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」


金切り声をあげながら私は目を覚める、と同時に胸にこみ上げてくるものもあった


「う……おえ……」


近くにあったゴミ箱だと思われる円柱状の物に全部吐き出した。あんな悪夢2度と見たくない、拷問って表現するならこんな感じだろうか

夢のように舌をかみ切って自害しようとしたがすぐそこ人がいた


「だ…大丈夫?!気分悪くなったの!?水飲んで……」


黒い犬の女性、ラルさんがそこにいた


「怖い夢でも見たの?」

「はぁっ……はぁ…………げほっ」


悪夢の余りの恐怖に言葉が出なくて震えが止まらない


「はぁ…………」

「ルウマさん?大丈夫?」

「………」

「ルウマさん?」

「え?あ……ごめんなさい、一瞬私の事だと思わなくて…………叩かないで…お願い」


前日、自分の名前を元の忘れたかったから仮の名前を付けたことを忘れてた…

叩かれたくない、怖い……


「大丈夫、と言っても分からないかな……本当に怖い目にあったのね

これを食べて?それで落ち着く?」

「……これは?」


目の前に差し出されたのは、木の器の中に暖かい半分液体状の米らしきものとちょっとした野菜らしきものが入っていた、沸き立っている湯気は暖かく…いい香りがするお粥だった。

まともにご飯を見たのは初めてかもしれない


「昨日ここに運ばれてから何も食べてないでしょ?それにさっきも怖くて戻しちゃっていたからちゃんと栄養取らないと倒れちゃうから食べてね」

「……はい」


流石に自殺したくても飢え死はものすごく苦しい、食べるものは食べておかないといけないし『食べてね』と言われるがまま行動を移してしまう

木のスプーンで一掬いをして口にいれ咀嚼する

舌の上で米が暖かく撫でる、味という味があるか分からなかったけど甘いような味を感じた。

前の世界にいたときは、食事をするにしてもあまりに理不尽すぎる食事の作法によって味わう事が出来なかった。

まだ生きようと考えていた時は『生きるために食べる』ことしか考えてなかった。


口の中でニンジンの甘味も豆のほのかな苦味も広がる、物語で『料理に必要なことは心を込めること』と聞いたことがある、絵空事かと思っていたけどこの瞬間は本当に口内に感じる

ラルさんのことは正直信じ切れてないけど、この人は私のことを助けるために、水の中から救出したり、町の診療所に運んだり、世界の事を教えてもらったり、お粥をいただいたり…


優しいというのはこうなんだろうか

初めて食事で『美味しい』と感じたかもしれない、そう思うと静かに涙が出てきた


「…大丈夫?美味しくなかった?」

「……ぐすっ……ちがうの…」

「痛いところがあるの?」

「……ひぐっ、そうでもないの…ずっと怖くて」

「話したかったらゆっくりでいいよ……」


お粥を膝の上に置きながら絞るような声で話していく

優しい言葉に涙がさらにポロリポロリと流れていく


「怖くて……あなたの事も怖くて………怖い夢もみて…ぐすっ………」

「大丈夫……私は怖いことしないから」


そう言ってラルさん私の頭を撫でてくる、普通であれば体に触れられることは嫌なことだったのに身をゆだねてしまう………前世ではだれもこうやって寄り添ってくれる人がいなかった。誰かいてほしかった……こうやって感じたかった…


「た……叩かない?」

「叩かない」

「理不尽こと……しない?」

「しないよ」

「……泣いてもいい?」

「いっぱい泣いていいよ」

「う……ぐすっ……あああ………うああああぁぁぁ………」


私はラルさんに抱きついて小さな子供のように泣きわめいた

誰かのやさしさ

誰かの温もり

誰かの暖かさ

前世でできなかったこと……いや、前世で求めていたことが今になって初めて知ることができた。これが人生であたりまえのことのはずなのにとても貴重に感じる……

---ラルさんの事、少し信頼してもいいかもしれない……






「落ち着いた?」

「……はい、怯えていてすいませんでした」


ずっと泣いていたからか目の周りが熱い…でもいつも泣いていた時とは違って心の霧が少し晴れたような……そんな気分がした


「うーん、謝るの多いけど何かあったの?」

「……話せません」


まだ、完全には信頼できない…


「そう…でもこれだけは言いたいんだけど…」

「な…なんですか?」

「謝らないでほしいな?」

「ごめんなさい……」

「ほら、また謝った!」

「ごめ……むぅ……」


謝らないように…どうすればいいの…


「うーん……謝らないのは難しいかな?じゃあ代わりにあなたにとっていいことしてもらったら『ありがとう』って言って欲しいな」

「ありがとう……ですか?」

「そう!」

「…助けていただきありがとうございます」

「その調子よ!これから町の案内もしたいけど体調的に難しいかな?」

「体調は……」


落ち着いたのか、体の震えは収まっていた。

お粥も完食し少し運動したいな、と思った


「少し歩きたいです……」

「あなたが寝ている時にお医者さんが魔法で治したのが聞いたみたいね!一緒に行きましょ?」

「はい……」


魔法という物って便利だな…そういったものが前世の世界であったらよかったのにな…でもあったらあったでまともな使い方をしてなかったと思う

街を見回るのは、隙を見て逃げたりいい感じに死ねそうなところを探したりしたいという気持ちもあった

ラルさんのことを少し信頼しているけど……でも、死にたい気持ちの方が大きい


「少し元気になったみたいでよかった、昨日はずっと耳が後ろ向きだったけど少し落ち着いてきているみたいでよかった」


そう言っているラルさんは受付らしいところで何かしら手続きを行っている

その間にラルさんの姿を改めてよく見る。

顔つきは日本人のようなアジアの人ような顔つきではなく、今の私と同じ外国人のような顔立ち

目の色も髪の色も黒く私ぐらい長めで、頭の上の方には犬のような耳が生えていた

服装としては読んでいたファンタジーな物語の『村人』のような恰好をしていた

上半身は薄く黄色い布地で襟が付いているような恰好で、下半身には足首の上ぐらいまで長い茶色のスカートに真っ白なエプロンのようなものが付いていた

お尻の方を確認してみると服に穴が開いていてそこから生えるように犬のようなしっぽがあった、自分のは猫のように細く長めで真っ白はあるがラルさんのしっぽは黒く三日月のような形をしていて

…少し垂れ下がっていた。前世の犬の特徴と同じなら疲れているみたいだ…私のせいで


「案内するね…と言いたいけどそんな特徴的なところは無いんだけどね……アハハ」

「あ…アハハ…」


こういう時は笑った方がいいのかな?分からない…


「じゃあ案内するね」


そういって診療所の扉を開ける

町の外から見た光景と同じ壁は石のレンガ、屋根はオレンジ色の瓦で出来ている家が10軒以上あった、猫の耳と言うのは便利なのか不便なのか分からないけど、周りの人達の足音がよく聞こえていた

食べ物?を売っている店があってラルさんそこによって…


「こんにちは!」

「あらこんにちは!」

「……こ、こんにちは」


少し年配そうな店員の犬の人に挨拶をしていた

ラルさん以外の人は正直怖い……周りを見れば犬の人達がいるけど、私は猫の人、歓迎されてない目で見られているかもしれない


「あら?その子?」

「ひゃっ!?」

「驚かせてごめんなさいね、池に落ちたのよね?体調大丈夫?」

「え……あの………」

「どうしたの?」

「怒らないのですか?」

「怒らないって?」

「ラルさんから聞いたのですが……今猫の人と犬の人で喧嘩しているって……」

「はーっはっはっは!」


急に笑い出した!?

ビックリしてとっさにラルさんの後ろに隠れる


「あらあら怖がらせてごめんなさいね、あなたは怪我人だしそれに確か今は喧嘩しているけどだからと言って猫の種族が悪いわけではないわ!だから安心しなさいよ」

「ほらね、悪い人はこの村にいないのよだから安心してもいいよ」


頭では理解したけど…心ではまだ理解できないのか全然落ち着かない、ラルさんの服の裾を少し強く握ってしまう


「あら~貴方に随分なついているわね」

「うーん、どうしてだろう?溺れているところを助けただけなんだけどね」

「あらあら…うふふ」

「あ、そういえば買うの忘れてた!いつものお願いします!」

「あいよ!いつものね?用意してあるわよ」


そう言ってラルさんがお金のようなものを渡すと、店員さんは紙袋のようなものを渡した?

ここは食べ物屋さんだけど何を買ったんだろ?


「ありがとう!これで美味しいシチューが作れるよ!」


シチューの材料みたい…ラルさんは嬉しそうにしっぽをパタパタしながら満面の笑みを浮かべていた。本当にうれしそうな顔をしている……


「ルウマさん!元気になったら今度はシチューをごちそうするよ!」

「え…私にですか?」

「うん、おいしそうにお粥食べていたからもっとおいしい物を食べさせてあげたいなと思って…」

「ありがとうございます」


でも、私死ぬ気しかないんだよな今


「それでね、町の真ん中には少し大きな広場があって時々ある祭りはみんなで踊ったり美味しい物を食べたりするんだよ?」


そう言われながら町の中心に歩いてきた、食べ物屋さんからここに来るまでいろんな犬の人達を見たが誰も優しく挨拶をしていた…ほんとうに……


「警戒しなくてもよかったですね」

「そうでしょ!誰もあなたに対して悪い気持ちは持ってない!安心して過ごせるでしょ」

「ええ……あの、ラルさんはこの街の何処に住んでいますか?」

「私?じゃあ今度は私の家を案内しようかな?」


そう言って歩みを進めようとしたラルさんでしたが…急に止まりました


「え?どうしました?」

「……ルウマさんごめんね、案内は中止、いったん診療所に戻ろうか」

「え?急にどうしたんですか?」

「町の外から猫の種族の匂いがする…もしかするとやばい人が来たかもしれない」


ラルさん以外の犬の人達もそれに気が付いたのかざわついていた。猫の耳にははっきりと聞こえるぐらいにみんな心配しているのが伝わる


「や…やばい人って?」

「一部猫の種族、誘拐したとか勝手に怪しんでいる人たちなのよ、今回は3人もいるし危険ね…こっそり戻りましょう」


そう言って引き返していたが…その「やばい人」の怒号がだんだん聞こえてくる


「ここにいるのは分かっているって言っているだろ!」「お嬢様を誘拐したのは」「お前らじゃないのか?」「知らないならお嬢様は何処に行ったんだ?」


優しさのあったこの世界で、悪意ともとれるような否定ともとれるようなそんな声が響く

心に煩く聞こえてくる

心に刷り込まれた傷が深く抉る

息が荒くなる


「はぁ……はぁ……」

「大丈夫?怖い?」

「嫌だ……否定しないで……」

「……」


震えながらも歩き、何とか診療所前にたどり着いたがラルさんの様子がおかしい


「……」

「ラルさん?」

「ルウマさん、あなたはこのまま中で待ってて」


そう言うとそのまま別方向にラルさんは歩いていく?


「どこ……行くの?ラルさん……のお家に帰るの?」

「ねぇルウマさん?この声怖いの?この声があなたの恐怖の原因なの?」

「…ちがう、けど怖い……のは本当」

「うん、わかった」


そう言うと、ラルさんから聞いたことないような声が聞こえた。犬がうなり声を上げるときのような声をしていた


「ちょっと、早くこの場が収まるように止めてくる、あなたが安心できるようにするから!」

「え…あのっ!」


私の静止も聞かずにラルさんは駆け出してしまった!?

さっきまで歩いてきた方向と反対方向に全力で走って行きその背中はだんだん見えなくなっていった…走るのが得意と言うのは本当でスピードは普通に人間のその速度を超えている

ラルさんが…止める?でも相手は3人であんなに怖い声で怒鳴っていたから入り口に門番みたない人がいたとしてもラルさんが勝てるなんてわからない…でも無理をしてラルさんが止めようとしてに何かあるなんて考えたくない


「ラルさん……」


自分自身に戦闘能力があるかと言えば自信はない

けど武道や武具を扱った戦いは無理矢理教えられたから普通の人と比べれば戦うことができる

更には前世の奴らに抵抗するために学んだ独学の武道もあった…奴らに寄ってたかって殴られたからほとんど意味がなかったけど…

でもそれは現代社会での話であり、ここはそことは違う世界

異世界の人達に自分の実力で戦えるか分からないけど、ラルさんのいる村を守るためにもガムシャラに戦うしかない……誰かのために行動するのは初めてだけど、守りたいという気持ちが本当に強くあった

自殺してここを見捨てるのは本当に気分が悪い

私は近くに落ちてある長めの棒を拾い震える足を無理やりに進めて止めることにした


「ラルさんを…ラルさんの住んでいる村を……守らなきゃ…守らなきゃ!!」


駆け足でラルさんのいた方向に向かうと、そこには慌てている門番の人達とラルさんと完全に威嚇顔で怒号を発している猫の男性達3人がいた。

話し合っている様子であったがその1人の猫の男性はこぶしを門番に向けて殴ろうとしていた


「やめてええええええっ!!!」


ラルさんの悲痛な叫びを聞きながら私は棒を男の拳を殴って逸らす


「いってっ!?」

「え……ルウマさん!?」

「……手を…手を出さないで!!殴らないでよ!」

「ルウマさん…なんでここに?」

「待っていられなくてごめんなさい、診療所にいても声が聞こえてて…何もしないでいるのは嫌なんです」

「あの……何をする気なの?」

「この人を止めます、殺しはしないですが少し痛いことになるかもしれません、待っててください……」

「戦えるの?」

「戦いは……行けます」


本当は自信がないけど、ここで弱みは見せたくない


「おめぇ……同じ猫のくせに手を出したなら逃がさねえぞ」


相手の気迫に私は怯えているけどもう後には引けない


「俺たちも戦う」

「村を守るのが門番の役目だからな」


そう言って門番の二人も臨戦態勢になった。

…3対3の戦い1人1人ずつ戦えば1人に集中できるけど勝てるかな…でも絶対に負けるわけにはいかない!!


「あの…無理しないでね!あなた診療所に入院中だけど……戦えるなら頑張って!戦える男の人を呼んでくるから!」


そういってラルさんは村の中をかけ走っていた。

ラルさんに対する危険は去ったかな…


「手を出したやつは俺がやる、やられたらやり返さなきゃ気が済まねえからな!」


相手は再び殴ってきたがそれを棒で受ける、棒を通じて殴る威力を考えるとかなり強いのが分かる…ひとたまりもないほどではないが速さは前世で散々受けた人間の速度に比べたらかなり早かった。

でも、受け止めるのは全然できる…戦える!


「はぁああああっ!」


受け止めると同時に相手の足の方に思いっきり当てる

男はかなり痛みが響いたのか足を押さえながらうずくまっている

自殺する勇気や痛い目に合せる気はあっても人を殺す勇気はない、頭に当ててウッカリで命を奪うなんてことはしたくない、そんな結果は多分だれも望んでない


「おまえっ…随分と……」

「迷惑を……迷惑をかけるのは止めてください!!」

「うるさい!『吹き飛べ石よ』!」


魔法まで放ってくる!?でも、小石を1つ飛ばすだけの物だっら野球のように……


「街に飛んでいかないでええええぇぇ!!」


避ける事は簡単であったが、避けたら背後の村に飛んで行って誰かに当たってしまう

この世界の人達はどれぐらい頑丈か分からないけど下手をすればあの小石1発で死んじゃう人がいるかもしれない、だから思いっきり町の反対側へはじいた

戦う前は震えるほど恐怖していたはずなのに今は怖くなかった、衝動的に行動すると人はここまでできるなんて自殺の時と一緒だけど、動機か違ってもここまで出来るなんて…前世で知りたかったな


「ありがとうな……俺たちの代わりに」

「はぁ…はぁ……どういたしまして」


門番の人達に感謝されながら少し周囲を見てみる、門番戦い方の様子を見てみると優勢に感じる、頑張ってほしい

…誰かを応援するのも初めてかもしれない


「はぁ……こいつめ……」


相手も息切れをし始めている、そろそろ諦めてほしいな…


「温厚に済ませる気だったが本気でも出してやるか……」


いきなり手を出している時点で温厚で行く気なかったでしょ!

相手は長袖をめくり襲い掛かってくる、筋肉質な腕を振るって拳を殴り降ろしてくる


「っ!?」


さっきよりも急に速度が上がっている!?かろうじて回避できたけどこれが何発も来たら危険すぎる


「う…うそでしょ……」


さらには、振り下ろして宙を舞った拳はそのまま地面についたけど、少しへこんだ……こればっかりは、喰らったらひとたまりもないよ!?


「どうした?ビビったか?」

「…う」


殴られた時の恐怖を思い出す、でも……それでもここを守りたい!


「こ…怖くなんかない……怖くなんかないから!絶対にラルさんも町も守るから!絶対に通さない!!」

「威勢だけはいいな、だが威勢だけでな何も意味ないことを分かれよな!『小石の弾丸』よ!」


さっきのとは違い1つではなく何発もの小石が飛んでくる…こんなの弾ききれない!


「いっ……たっ!」

「お、おい!さすがに今のはまずいだろ!」

「うるさい!」


少し弾いたけど、数発は体に喰らってしまった………痛い、痛い……怖い

猫の男らは言い争いをしているけどそれどころじゃないぐらい痛い

足や腕に当たって血がにじんでいる


「流石にこんな大きな魔法使ったら死者が出たらやばいだろ!!落ち着け!女性にそんな本気になるな!」

「うるさいうるさい!女にやられているのが嫌なんだ!実力で分からせてやりたいんだよ!」

「だ…大丈夫か!?」

「俺が前に出るから怪我の治療をしてくれ!」


私と戦っていた男は他の2人に羽交い締めにされて止められている

門番の人が近寄って私に…


「『怪我の治療てくれ』」

「痛い…痛いいた…………はぁ………え?」


服ににじんだままの血はそのままであったが、痛みが引いて行った…そういえばラルさんに「魔法は傷を治す」と言われたことがあるな……本当に助かった


「あ…ありがとうございます……」

「いや、これぐらい普通だ、それよりも戦えるか?」

「やります」

「分かった、でも無理をするなよ」


そう言って再び棒を構えて………


「いい加減にして!!人を傷つけないで!」


いきなり乱入してきた人がいた、その人は猫の男たち全員を引っぱたいていた

急な光景にお思わずしりもちをついてしまった


「だ…大丈夫ですか、怪我大丈夫ですか!?うちの馬鹿が本当にすいません!!」


手を差し伸べてきた人は…高貴ではあるが汚れているドレスを付けた三毛猫の女の子がいた。

…もしかして、行方不明の人?









「…見つけた…けど…遅かった……この世界にいい影響はあるけど……処置は…絶対に本人にとって望まない結果になる」

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