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塵は積もれど関の山  作者: 月影
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プロローグ


塵も積もれば山となる


それは、わずかな物も積もり重なれば高大なものとなることのたとえ


しかし、それはどんな希望的観測にすぎないだろうか

塵は結局塵のまま

塵以上にはなりえないし、塵以外にもなりえない

積もり重なった先にあるのは、ただのゴミ



ある国で、そう遠くない昔に、ある先人がこう言ったそうだ


『天才とは、1%のひらめきと99%の努力である』


それはつまり、1%のひらめきに至るためには並々ならぬ熱意と努力が必要であるということだろうか


それともあるいは、最初のひらめきがなければどんなに努力しても無駄ということだろうか



よく耳にすることがあったのは、

「無駄な努力なんかない」

「努力は必ず報われる」

という言葉


しかしこれは、成功を掴んだ一握りの勝者、所謂強者の理論だ

そして、現実から目を反らす敗者の希望だ


自分は出来る自分は出来る自分はできるじぶんはできる

そう信じて努力することは、まさしく思考の停止に他ならなくて、そうして費やす努力はただのエネルギーの消費なのだ


努力という言葉に隠れているのは、諦念だ


無駄な努力なんかないというのは、別に間違った理論ではない

ひらめきを得るためには、努力こそが必要であり、その努力が目的に直接的に必要であったか間接的に必要となったのか、その当否は重要ではないのだ

努力は必ず報われるというのもまた、間違ってはいない

正しく努力したものは、正しく、ひらめきを得る


言葉には裏と表があるように、物事にも筋がある


それをどう読むかは、まさしく本人の気質次第だ



どうやら空気というものは吸うだけでは生きていけないらしい

空気というものは、察さねばならぬもので、読まねばならぬもの


1%のひらめきを得られた人物は格別、それ以外のその他大勢はそれこそ無駄な努力を強いられる



世の中は他者との相対評価で成り立っているように見えるけれど

その根底にあるのは絶対評価に他ならない


どんなに努力をしても、評価されるのは目に見える結果という事実なのだ



だからどんなに努力をしても結果が伴わないのなら、それは結局、なんの意味もない

そう、正しく、無駄





ずっと品行方正に生きてきました。

「自分がされて嫌なことは他人にもしない」

「自分の価値観を他人に押し付けない」

空気を読んで

空気を読んで

愛想よく笑って

他人の話に耳を傾けて

空気を読んで


そして、期待に応えられるように




自分でやるって決めたから

もう後戻りはできないから

もうそれ以外に道はないから

逃げるなんて、

許されないから



小さい頃から体が弱くて、運が悪くて、

たくさん心配をかけてきた


頭もそれほどよくなかったけれど、なんでも初見である程度まではできて

いわゆる器用貧乏という奴で

それ故に学校の勉強で良い成績をとれるものだから、勘違いをしてしまって



試験に失敗してしまっても

大丈夫だよ、生きていてくれるだけで嬉しいよ、そんなに辛いならやめてしまってもいいよ、頑張りたいなら全力で応援するよ

そう言って、試験に挑戦する内に徐々に孤独となっていった自分を電話越しにいつも励ましてくれた家族


ありがとう

頑張るから

ごめんね

もっと頑張るから

ごめんね

ごめんね

ごめんね

ごめんね


もっとずっと頑張るから

死に逃げたりなんて許されないから

だからもっともっともっと頑張るから

いつか絶対に恩返しをするから

だから


皆はもう社会に出ているのに

試験に落ちてごめんなさい

他の皆よりも余分にたくさんお金を掛けさせてるのに

返せなくてごめんなさい



嗚呼、結局、


『よいこ』には、なれなかったんだね







初投稿なので、色々と至らない所が多いと思いますが、よろしくお願いします。

作者はメンタルが朧豆腐なタイプの厨二病なので、そっとしておいてください。

主人公は大分SAN値が低いスタートです。

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