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男は硬くて優しい方がいいと親友が言い募る席で

「緩すぎても駄目よ。自分というものを持っていてね、それで、自分以外の人の話も聞いてあげたり興味を持ってくれる人こそ、なの。」


 私はシャンタルの思う理想の男性像を聞きながら、それはきっと彼女の夫であるルーファスの事なんだと羨ましく思った。

 彼は近づきがたい雰囲気の男性だが、話してみると気さくで優しいのだ。

 時々何の話を始めたのかわからない時もあるが。


「その点なら、あのお坊ちゃんは合格ですわね。」


「まあ、伯母様もそうお考えになって?」


 私はもう少しで吹き出す所だった。


「え、今までのはルーファスについてののろけ話じゃ無かったの?」


 私の親友とルーファスの大叔母は親子のようにして顔を見合わせ、その数秒後に同じタイミングで私を見返して来た。

 機械仕掛けの人形みたいでちょっと怖い。


「ええと?」


「あなたの結婚でしょう。財力に人柄、そして、外見。そこを考えれば、あなたの新後見人様こそ最高の人参でしょう。」


「そこでどうしてニンジン。」


「だって、あなたって顔の前に人参をぶら下げなきゃ動かない馬みたいだもの。ずっと聞きたいと思っていたの。どうして侯爵が迎えに来ないからって手紙も書こうとしなかったの?いくら軽薄な前侯爵様だとしても、あなたの手紙を無視はできないでしょう?」


 私は顔を下げた。

 お父さんみたいだと思った人に、慰められていたから平気だったと言えない。


「全く、あのうすらボケ親父に操を立てているの?」


 私は自分の思考を読んだシャンタルにぞっとしていた。

 私は彼の事を彼女に相談なんかしていたかしら?

 小柄で少々お腹の出た老年に近い男性は、ミルクティーのような茶色の髪に優しい緑色の瞳をしていた。

 そして、会えば必ず私に悩み事を打ち明けたのだ。

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