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8話 クマさんに出会った∴

「謎の草に謎の石、謎のキノコ!何にも分かんないのに数と種類だけはたくさんあるんだけど!」


 両手いっぱいに草や石、キノコや枝を抱えながらの叫びが森にこだまする。


「今は分からなくても、集めとけば何時か使えるかもだから!」


「そういうモノなの?まぁ、いいけど...それよりさ、なんか、暗くない?森に入ってからずっと道なき道を進んでるし...大丈夫?」


 抱えたアイテムを、ボックスに押し込みながらアオに尋ねる。


「ふっふっふ...全然大丈夫じゃないよ!迷子!」


「そんな気はしてたよ」


 ずっと横を歩いてるのに道案内とかしないし。


「でも、何も考えずに進むのもある種の醍醐味だし!もしかしたらレアなアイテムを拾えるかも!特別なサブクエを見つけられるかも!なにも無くても、新しくきたマップのアイテムを拾えるし、モンスターとも戦えてレベル上げになる!」


「ま―確かにモンスターは色々新しいのが出て来たね。鳥とか石とか木とか...レベルも3つ上がったし、このまま進もっか」


「ワープ地点が登録されたから、もう平原を抜ける必要も無いしね!」


 ワープ先のリストを確認すると『木漏れ日の森 入口』が追加されているのが確認できた。


「ずんずん行こーう!」


「おーー!」



 青い炎に包まれながら木...「なんちゃらツリー」が崩れ落ちる。


「ふぅ、おっわり。そっちはどーぉ?」


 視線を向ければその先でアオが尻尾でコウモリを叩き落としていた。


「こっちも終わったよー!体力は大丈夫?」


「まだいけると思う、けどMPが残り少ないかな。フォックスファイヤー3回分くらい」


 どんどん進むと決めた後にも少し相談をして、今回は「初心者ポーション」以外は使わないで行けるところまで行くとなった。


「そっか、こっちも初心者ポーションが10個を切っちゃたんだよね」


「ワープで戻る?」


「いや、行けるところまでは行こ。後は死んで戻ればいいし」


「戻れるの?」


「死んだ場合は、登録してあるクリスタル付近で復活するよ。私たちの場合は、始まりの町だね」


 クリスタル?...さっさと町を出ちゃったから覚えてないや。そんなのあったんだなー。



 あれ?遠くで何か動いてる?...大きい?...てか、こっちに来てる?...来てるよアレは!



「く、クマだ―!!」



【! LAND BOSS ENEMY !】

 

【LBE『ブラッティハンドベア』出現!】



「な、なんか、なんか出た!なんか出た!」


「うっそ!ボス!?」


 みるみる内に木々をなぎ倒しながら、近づいてきたクマが直前で立ち上がり。


「GAAAAaaaaaaaa!!」


 威嚇の声が、衝撃波の様に肌をビリビリさせる。

 こぅわ!


「前に出る!援護!」


「フォックスファイヤー!」


 苦し紛れに魔法をぶつけるが、一切ひるむ様子も無く突っ込んでくる。

 そのまま前に飛び出したアオとクマがぶつかり合う。


「あ、ヤバ...」


 瞬間、アオが光になって消えた。


「へ」


 そして、次の瞬間私の視界が真っ暗になった。


【あなたは死亡しました。デスペナルティが付与されます】


【キャンペン『初心者応援キャンペーン』によりデスペナルティが解除されました】


【『レルダァラ』にリスポーンすます】


【3】


【2】


【1】





 真っ暗になった視界が徐々に開けていく。それに伴い話し声や歩く音、商店の呼び込みや羽の音と色々な音が聞こえてくる。


「あー...戻って、きた?」


 始まりの場所。ゲームを始めた時に立ってた場所っぽい?うん、そうっぽい。相も変わらずにぎわってるね。


「いやいやいや!」


 初死亡の衝撃で呆然となってる!アオは?多分、あれは先に死んだんだよね?そうだ!メール!めーるしよ...


「モミジ~!」


「アオ!」


 自分を呼ぶ声に気づいて振り返ると、アオが居た。


「いやーまさかボスが出るとはね!一瞬でパァンとHPが消し飛んだよ!!」


「いや、ほんと怖っ何アレ怖っわ!」


「いつかはアレを倒せるようになるんだよ!」


「なる...のかなぁ?」


「なるよ!」


 やる気に満ちているアオを見て徐々に落ち着いてくる。


「ふぅー、どうするこの後?私はまだ少し時間が有るけど」


「ワタシもー、なら町を見て回って終わりにしよっか」


「おっけー」


 町かーワクワクするね!

お読みいただいてありがとうございます!

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