5話 攻略会議から森を目指して
「ふふふ、これよりソールステージ攻略会議を始めるっ!」
昼休み、お弁当を食べ終えたヒトミが机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってくるゲンドウポーズで話し始めた。
「休み時間に話したけど、取り合えず森の中に在る村を目指すんだよね」
食べ終えたお弁当を片付けながら休み時間の話を思い出して話す。
「そう!目的地は決まったけど、ほら、進化とかスキルと色々あったでしょ?昨日遊んだときは良く調べてなかったけど、あの後に私、色々調べたんだ!」
「うーん...私も少し調べたけど、進化関係は良く分からなかったんだよね。まぁ、でも、取り合えず人型を目指そうかな?」
私もぱっと見たら、進化段階、進化ランク、退化、継承スキル、幻想進化、モンスターのDNA、変化の輝石、その他諸々と有った。良く分からなかったけど、昨日は普通に楽しかったから、今分からなくてもイイかな。と、思って昨日は調べるのをやめてしまった。
「進化関係?どこら辺?」
「進化ランクと進化段階の辺り...あと、食べ終わったならお弁当片しちゃいなよ」
ああ、っと納得の声を上げてお弁当を片付けながらヒトミが答える。
「進化段階は進化した回数で、ランクは強さの基準?かな。例えば、進化ランク1のまま3回進化した時と2回目の進化でランク2になった時の最終ステータスならランク2の方が高い...けど、ランクは8で最終進化になっちゃうから段階を刻んだ方が最終的には強くなる的な?感じ...だった思う!」
ふーむ、なるほど、なるほど...?ヒトミが分かってるみたいだし大丈夫だね!
「それより、ヒトミはどういう進化したいか決まった?休み時間の時は龍や竜人、竜...ドラゴンを上げてたけど」
「そうなんだよねー。龍も良いし、ドラゴンも人型も捨てがたい......よし、ショシカンテツで取り合えずは、ドラゴンの方に進化しよう!」
腕を組みながら悩みだしたと思ったら、突然変なポーズを決めたヒトミとそのまま昼休みを終えるまで雑談した。
【認証中...ようこそ、楓さま】
突き抜ける様な青空の下、見渡す限りの草原の真ん中で目を覚ます。
「時間ピッタリだね!モミジ!」
声のする方を向けば。
「またせた?」
ヒトミ...アオのアバターであるデカいトカゲが居た。
「私も今来たところだよ!じゃ、森へ行こ!」
「そうだね、にしても」
辺りを見渡す。
始まりの町はもう大分遠くに見えるのに、いまだに見渡す限りの草原である。昨日はただ意味も無く走り回ったり、点在している朽ちた建物を見てみたり、スキルを試したりとしていたからあまり気にならなかったけど。
「ひっろいね。移動がめんどくさくなりそう」
「一度行った場所にはメニューからワープできるよ。ほら、左下の渦巻きアイコン」
教えてもらった場所を確認すると確かにワープが出来るみたい。
____
【ワープポイント】
・始まる町 エンパリ―ズ
____
「へぇーこんな機能も有るんだ」
「それに、ほら」
アオが、顔を空へ向け、その先には。
「世界が広くても、私たちも大きく成れるからね」
大きな白いドラゴンが私たちの頭上を飛んで行った。
ふと視線を戻せば、白いドラゴンをキラキラとした目で見つめるアオが目に入った。
「...そうだね!」
「モミジ、ワクワクしてる?」
「わかる?」
「そんな顔してる」
「そっちこそ」
「ふへへ...よし!行こう森へ!」
「おーー」
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