試合当日……
遂に当日・・・
さあ、決戦の時・・・
試合当日、池本は会長·石谷トレーナー·篠原トレーナーと会場入りした。
控え室で着替えた池本は、ゆっくりとしていた。
控え室にラリオスが通訳と来た。
「調子はどうだ?」
「このタイミングで調子がどうのとは言わないよ……」
「そうか…………ちょっと話が有るんだが……」
「何だ?……」
池本はラリオスと何かを話している。
少しの間、2人の話しは続いた。
「用は済んだ、後は見てるぞ!」
「ああ、任せろ……明日、少しだけ時間作れよ!」
「それは分かった……お前らしいな……」
「そうか?……確かに、俺は楽しみたがな!」
ラリオスは控え室から出て行った。
篠原トレーナーが徳井達を連れてきた。藤沢·西田·甲斐も居る。
「池本君、後はやるだけだね!」
「そうですね……」
「落ち着いてるね!」
「ここまで来て、ジタバタする気はありませんよ!」
「そうだね、やる事はやって来たからね!」
「残りの奴等が大分静かですが、邪魔ですね……」
「池本君の試合なのに、緊張してるんだよ!」
「成る程、他人の事でしか盛り上がれない……可愛そうだな、小物は……」
『池本さん!』
「池本この野郎、心配してやってるのに!」
「西田、お前に心配される程落ちぶれてねぇ……甲斐事でも心配してろ……」
「ぐぬ……」
「佐伯、甲斐……」
「「はい!」」
「お前等は弱いんだから、今日の試合で勉強しろよ!」
「「はい……」」
「馬鹿トリオ!」
「ちょっと……」
「それは酷い……」
「言い方あるでしょう?」
「何でもいい……お前達、しっかり練習してチャンピオンになれ……いいな、必ずだぞ!」
「「「はい、なります!」」」
「出した言葉は飲み込めねぇぞ!」
「勿論……」
「飲み込む気なんて……」
「始めから無いです!」
「よく言った……俺の自慢の後輩!」
「「「!?」」」
「藤沢、いつもありがとうな……」
「いや……俺の大切な兄貴の試合ですから……」
「そうか……しっかり見とけよ……」
池本は右拳を前に出す。
藤沢が自分の右拳を池本の拳に軽く当てる。
「さぁ、みんな出て行くよ……池本君の集中の邪魔だからね!」
篠原トレーナー達が出て行くのと代わりに、会長と石谷トレーナーが入って来た。
「池、遂に来たな!」
「はい!」
「池本、絶対勝つぞ!」
「勿論です!」
「これで最後なんだろ?…池!」
「最後の挑戦なんだろ?……池本!」
「2人には、嘘は言えませんね……はい、ラストチャレンジです!」
「お前が来て、ジムに火が灯った……」
「その火に、たくさんの男が集まった……」
「………………………………」
「その中心は、いつでもお前だった……池!」
「そして……お前に憧れた全員が見てる……池本!」
「周りは関係ないです……俺が初めてジムに来た時から……ずっと2人に育てて貰った……恩返しになればいいんですが。」
「恩返しなら、すでに貰っている……」
「池本、お前の為に協力する……会長も俺も、お前と過ごせた時間は宝物だ……」
「会長、トレーナー……」
「いいか、池……努力した全ての者が成功する訳じゃないが、成功した者は必ず努力している。お前の努力は俺達が知っている……」
「会長も俺も、何があってもお前の味方だ……しっかり集中しろよ、最後の挑戦……必ず成功させるぞ!」
「はい……本当にありがとうございます!」
会長と石谷トレーナーは控え室を後にした。
池本は集中する。
今までの思い出を振り返る。
(辛い思い出がねぇな……楽しい事ばっかりだ……俺は恵まれていた……さぁ、最後だ!)
池本の集中力が高まっていく。
会長と石谷トレーナー·篠原トレーナーが再度控え室に入って来た。そろそろ入場の時間である。
入場の合図が入った。
「池、最強になるぞ!」
「池本、楽しみにしてるぞ!」
「池本君、最後まで見てるからね!」
「はい、任せて下さい……俺は、出した言葉は飲み込まない主義です……勝ちますよ!」
「よし、行くぞ!」
「はい!」
池本達が控え室から出て行った。
徳井達は升席に座る。いつものメンバーが居る。
いつものメンバー9人に佐伯を加えた10人が近くに座り、陣取っている。
両国国技館の電気が消え、青コーナーの花道にスポットライトが当たる。オーケストラが生演奏をしている。その演奏が重厚な音楽が作り出し、「惑星」を奏でる。
スポットライトからガウンを着た池本が姿を現した。ガウンの背中には「魂」と書いてある。
池本の後ろには、チャンピオンベルトを2つ掲げたトレーナーと会長·篠原トレーナーが続く。
池本はリングの前まで来ると、観客に一礼しリングインした。
続いて赤コーナーの花道にスポットライトが当たる。
オーケストラが重厚な音楽で「運命」を奏でる。
スポットライトから[フェリックス・ホプキンス]が姿を現わす。
ホプキンスは鎧を着て入場して来た。
後ろに、こちらも2つのチャンピオンベルトを掲げたセコンド陣が続く。
ホプキンスは両手を高々と上げ、リングインした。
2人が同じリングに立った。
国歌斉唱が始まる。
日本とアメリカの国旗が上がっている。
日本国歌が流れる。池本は目を瞑っている。
国家が終わると、池本は静かに目を開いた。
続いてアメリカ国歌が流れる。ホプキンスは胸に右手を当てる。
国家が終わるとホプキンスは体を軽く揺すった。
続いて選手紹介である。
「青コーナー、WBC・IBF世界ミドル級統一チャンピオン、池本純也!」
池本は客席に一礼する。
「赤コーナー、WBA・WBO世界ミドル級統一チャンピオン、フェリックス・ホプキンス!」
ホプキンスは右手を上げる。
2人はリング中央に歩み寄る。
レフェリーから注意事項を受ける。
2人が頷く。
2人が各コーナーに一旦下がる。
「カーン」
遂に、統一戦のゴングが鳴った…………
遂にゴングが・・・
どうなる?




