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君の為に、俺の為に・・・  作者: 澤田慶次
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池本のいない外出……

なぞなぞの答えが明らかに・・・

ほうほうほう、なるほどね・・・

池本の真面目さがよくわかる!

まあ、時には息抜きも必要だよね・・・

日曜日、大学の友達と4人で遊園地に来ていた。男子4人が声を掛けて来た。この間の合コンの男性陣である。

「池本さんは来ないの?」

伊藤さんはいきなり不満を言ってきた。

「ごめん、無理って言ってたの伝えるの忘れてた……」

渡辺さんが謝る。

「池本さん、しばらく無理だよ……現在超絶練習中!もう少しすると減量が始まるから雰囲気怖いよ!……俺達でも話し掛けられないもんな!」

藤沢が言うと男性陣が全員頷く。渡辺さんは、

「恋人はいるけど彼女がいないって何だと思いますか?」

と聞いてみた。

「この間のやつ?池本さんに怒ってもらった方がいいって言ったじゃ~ん!」

伊藤さんが答える。

「遊び人か何かの発言?なかなかゲスい発言だね?」

喜多が言う。

「いえ、そうじゃないんですけど……最近言われた事なんです……」

「もしかして……花屋の店長でしょ!それ言ったの?」

藤沢が言う。

「はい、店長が言ってた事です……」

「なになにー?店長の知り合いで遊び人がいるのー?やっぱり池本さんにビシッと言って貰った方がいいんじゃないのー?」

伊藤さんは少し難しい顔をして言っている。

「ははは、伊藤さんそれは無理だよ!池本さんの事だからね!成る程……上手い事言うね!」

「え?どういう事ですか?……藤沢さん?しかも笑ってるし……?」

伊藤さんの顔は困惑している。

「渡辺さんは池本さんに聞かなかったの?」

「聞きました。もしかして彼ですかって……」

男性陣が大笑いをした。

「ちょっとぉ!何笑ってるのよー!池本さんの恋人って何ー?」

伊藤さんが癇癪を起こした。藤沢が、

「伊藤さん、ごめんごめん!池本さんが同性愛者って凄い発想だなと思って!池本さん何て言ってた?」

「バイトに入ったばかりの時に、女に興味がないんですかって聞いた事があって……」

「何か、更に面白そうだね!」

手塚が言う。

「伊藤さんから彼女がいるか聞いて欲しいって言われたから聞いたら、分からないって答えてって言われたから……」

「だからあの時、分からないって返答だったのね!……それより池本さんの恋人!」

「待って、それは話すから!……渡辺さん、それから?」

徳井が言う。

「店長から彼女はいないけど恋人がいて……過激だって聞いたから、彼ですかって聞いたら……[一周回って降り出しだな、おい]って溜息混じりに頭を掻きながら言われました……」

男性陣はさらに大きな声で笑った。

「ひー、待って、待って…あの池本さんが同性愛者って……あー、ダメ、今ダメ」

「あっはっはー!池本さん、とんだとばっちり!池本さんに、今度このネタ、話してみよう!」

「池本さんが、池本さんが……無理、笑い止めるの無理……っていうか、笑かす為に言ってるの?渡辺さん?」

「私は至って真面目です!」

「お、お、お前等、わ、わ、笑過ぎ…………クククククッ!」

「藤沢さんだって笑って……あっはっはっはっ!」

男性陣の笑いが止まらない。

「笑ってないで、いいから教えて!」

伊藤さんはかなり怒っている。よく見ると渡辺さん以外は怒っている。藤沢は、

「ごめんごめん、池本さんをよく知らないもんね!……でも、池本さんみて同性愛者を疑うのは初めて聞いたよ!池本さんの恋人の話だよね?」

「そうです!」

伊藤さんは不機嫌に言う。

「池本さんの恋人はボクシングだよ!」

「そう、ボクシング!……池本さん、元々真面目だけどボクシングに関してはさらに別格なんだ。一切妥協を許さないしね!しかも定期的に池本さんを独占するし、減量始まると、怖くて話しかけられないし……確かに過激だな!」

徳井の言葉に藤沢が付け加えた。

「まあ、だから池本さん、彼女できないんだろうね?……なかなか理解してくれる人、いないからね……」

徳井が言う。

「私なら理解するのに……」

伊藤さんは言っていた。

(伊藤さんは本気みたいだな)

渡辺さんは思った。


遊園地は楽しかったが少し物足りなさを感じた。昼を食べた後、

「午後は予定を変更しよう!」

手塚が言う。

「そうだな、伊藤さんと渡辺さんは俺がジムに連れて行くよ、行くぞ喜多!」

藤沢が言う。

「俺ですかー?」

「お目当ての工藤さんがいないんだから付き合えよ!…本当、池本さんの爪の垢でも飲ませたいよ!」

「うわー、それ言っちゃダメなやつですよー!」

「そっちはよろしく!」

「はーい、大丈夫です!」

徳井は答えた。


藤沢、喜多に連れられて池本のジムに着いた。窓に池本が見えた。

「こんにちはー」

藤沢と喜多が挨拶して入る。

「なんだ、今日は休みだろ?」

トレーナーが言う。

「見学したい方達がいたので!」

藤沢は答えた。

「すいません、大丈夫ですか?」

伊藤さんが言う。

「見学はいいけど静かにね……大切な時期だから……」

トレーナーに注意された。

池本は見学の位置から離れた所でアップしていた。池本の他に3人いた。いずれも180cm以上の大きい人達である。

「始めるぞ、用意しろ!」

会長が声を出す。池本がヘッドギアを装着しグローブをはめる。3人の内の1人がリングに上がる。

「始めるぞ!」

トレーナーが言い、

「カーン」

ゴングが鳴る。


スパーリング開始である。

最初から池本は前に出る。左を2・3度出し間合いを詰める。相手のパンチをしっかりガードし、頭を振って前に出て行く。相手のジャブをかわした瞬間、一気に懐まで入り連打をする。

相手が後退するが逃がさない。相手はクリンチをしようとするが一瞬相手の顔面に左フックを入れ距離をとり、クリンチをさせない。

また頭を振ってリズムを作り前に出て行く。

2分を過ぎたあたりで左ボディから返しのアッパーが決まりダウンを奪う。相手も立ち上がるが池本のラッシュを受けトレーナーに止められる。

パートナー交換である。

次の相手も同じような展開である。3人目は少し粘ったが、2ラウンドでストップされた。

その後トレーナーとミット打ちをし、サンドバッグを打つ。ロードワークに出る際4人に気が付いた。

「お?来てたのか……じゃあ!」

そう言って池本は右手を上げ出て行った。4人は挨拶しジムを後にする。

「池本さん凄いね!びっくりしちゃった……雰囲気も違うし、正に戦う男だったね。声掛けられた時、ドキッとしちゃった!」

伊藤さんが言う。

「池本さん、ボクシングしてると違うんだよね。元々真面目だけど、それだけでなく自分に厳しいというか、妥協を許さないというか……」

藤沢は言う。

「池本さん見てプロは諦めたんだ。俺はアマチュアでやろうと思ってね。趣味として試合が出来ればいいと思っている俺には、あそこまでストイックには出来ないよ……」

喜多が言う。

「池本さんて、いつもあんなに練習してるんですか?」

渡辺さんが聞く。

「今日は特別に厳しいけど、池本さんは大体いつも厳しい練習してるよ」

藤沢は答えた。池本の知らない一面を見た渡辺さんは少し圧倒されていた。

試合が近づいてきました。

練習もキツくなっていきます。

しかし、池本は弱音を吐きません。

なんかもう、池本凄いよね!

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