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君の為に、俺の為に・・・  作者: 澤田慶次
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試合間近、練習あるのみ……

試合が決まり、これから佳境に・・・

池本の周りも賑やかになってきました。

池本のこれからは・・・

まあ、引き続き見守って下さい。

翌日、池本は店長と話をした。試合が決まった為、バイトの休みについてである。出来れば早くから休みを取りたいが、あまり休むと試合後の生活が厳しい。とりあえず6月いっぱいくらいを目安に休みを取る予定にした。合宿の事も伝え、6月は最初の週は休みを取った。

店長と話が終わると渡辺さんが出勤してきた。渡辺さんの出勤は月曜と金曜である。月曜は9時からであるが、金曜は13時からである。大学の取っている授業の関係らしい。後期の際は改めて店長と話をして決めるらしい。

店長としては日中、2人のバイトが欲しいらしい。奥さんの腰痛もあり募集も掛けているが見つからない。最も店内の目立たない所に貼ってあるのでなかなか分からない事もバイトが見つからない原因だった。

「渡辺さん、誰かバイトやらないかな?」

店長が言う。

「大学の友達に聞いてみますか?」

「頼むよ!」

「店長、バイト募集してるんですか?」

池本が聞く。

「ずっと募集してるよ……ほら、そこに張り紙してるし!」

「これは気付きませんよ……気付いた人いるんですか?」

「いるよ、渡辺さん!」

池本は渡辺さんを見て

「よく気付いたね……」

と話した。

「私の身長だとちょうどいいんです!」

(渡辺さんは150cmくらいだから見えるのか?)

池本は思った。

「多分、結構希望者来ますよ!」

渡辺さんが言う。

(花屋は人気あるのか?)

池本は思った。

本日の業務もいつも通り終了し、池本は上がる時間、挨拶し、お店を出ようとした。

「池本さん、今週の日曜日用事ありますか?」

「ん、何かあるの?」

「友達が一緒に遊びたいって言っていて……手塚さん達に話をするらしいんですけど、池本さんはどうかなって思って?」

「今週からしばらく暇はないかな……」

池本は答えた。

「渡辺さん、池本君は今週から恋人と濃密な時間を過ごすの。大変なんだから!」

「え、彼女いないんですよね?」

「いないよ!」

池本は答える。

「やっぱり彼ですか?」

「一周回って振り出しだな、おい……」

池本は頭を右手で掻きながら溜息混じりに言う。

「まあ、楽しんでこいよ……」

池本はジムに向かった。

「渡辺さん、その内分かるよ……池本君の恋人は、かなり過激だよ。びっくりするよ!」

店長に言われもやもやした。

(彼女はいないのに恋人はいる?……池本さんは遊び人?……いい加減な人には見えないけど?)


池本のジムワークは厳しさを増していた。

「池本~、どうした?もう終わりか?」

「ここで辛い顔してどうすんだぁ!」

「疲れた顔するな、平気な顔してろ!」

トレーナーの怒号が飛ぶ。池本は黙々と練習を続ける。

トレーナーが自分の為に言ってる事を充分にわかっているからである。当然、ミット打ちにも熱が籠もる。ラウンド数も増え、トレーナーからは、更に厳しい激が飛ぶ。

サンドバッグを打っている時、スパーリングパートナーが入ってくる。スパーリングの準備をする。狙いはスタミナが切れてきた後半を想定した物であり、池本も理解している。スパーリングの準備をする。パートナーのアップを待ち、スパーリング開始である。

しかし、実際にスパーリングが始まると池本の動きにパートナーは付いて行けず、2人のパートナーは敢え無く途中ストップとなる。

池本は、スパーリングの後もサンドバッグを打ち、さらにシャドーを行う。筋力トレーニングをし、シャドーをした後ロードワークに出る。帰ってからも走るので1日4回ロードワークをこなす。

同ジムのプロからも心配な眼差しで見られるが、池本にとって当たり前である為、特に気にしていない。

全ての練習が終わると、洗濯機を回しシャワーを浴びる。洗濯が終わるまで横になるがそのまま朝を迎える、この時期の池本にとってはいつもの事である。


翌日、渡辺さんの大学では、いつもの5人で集まっていた。伊藤さんから、

「池本さんをあの後、ホテルに誘っちゃった……」

と言われた。

『えー!』

みんなびっくりしていた。

「どうなったの?」

金田さんが聞いた。

「断られちゃった……自分を大切にしなさいって!自分を振り返った時、胸を張れるようにって!どうしよう……本気で好きになっちゃった!私の事、本気で考えてくれたんだよ!」

「うまく断られたんじゃないの?」

工藤さんが言う。

「違うよ!ちゃんと連絡先を交換したし、恋人に立候補したもん!……体が目当ての同い年とは違うよ!」

「確かに池本さんは紳士だよね……」

豊本さんが言う。

「渡辺さん、協力して!……直接接触できるのは、渡辺さんしかいないの!」

「私ですか?」

「そうか!渡辺さんがいれば会えるんだね!」

金田さんが言った。

「えー!金田さんも池本さん狙い?」

伊藤さんは言った。

渡辺さんは店長と池本の言葉が気になっていた。恋人がいるのに彼女はいない、何かのなぞなぞのようである。みんなに聞いてみた。

「何それ~?遊び人がする言い訳?……池本さんに1回怒ってもらった方がいいよ?」

伊藤さんは言うが、

(いや、池本さんの言葉なんだけど……)

と渡辺さんは思った。

最近このメンバーだと話があの合コンの男性陣の事が多い、特に池本さんの事は伊藤さんから良く出る。金田さんも時々出してくるが本気で狙っているのだろうか、ならば、この話を伝えた方がいいのだろうかと渡辺さんは考えてしまう。

「どうしたの渡辺さん?」

工藤さんに言われ、

「ああ、そうだ!バイト先の店長から誰かバイトしないかって話があって、誰かやらないかなって思って!」

「私やる、店長さんに連絡して!」

「私もやりたい!」

伊藤さん、豊本さんであった。時間があったので店長に連絡を入れる。2人の予定も聞きながら面接は金曜日の13時になった。豊本さんは木曜日、伊藤さんは火曜日水曜日、2人とも13時から17時での希望である。


金曜日、渡辺さんは友達2人とバイトに来た。池本がおり、挨拶をしようと思ったが、

「池本さんこんにちは!」

伊藤さんが先に声をかける。

「ん?…ああ、どうしたの?」

「面接です!」

今度は豊本さん、

(2人とも池本さん狙いだっけ?ていうか工藤さん以外池本さん狙いか……)

渡辺さんは思った。池本が店長に声を掛け後ろに通した。面接はそんなに時間はかからなかった。30分くらい経っただろうか、店長から呼ばれた。

「池本君、来週から2人入るから教育よろしくね、2人とも知ってるみたいだね!」

「「よろしくお願いしまーす!」」

2人が言った。2人が帰った後、いつも通りに仕事をする。

「何か疲れてますね?」

渡辺さんが心配そうに言う。

「恋人が激しいんだよな!」

店長が言う。

「店長……よく考えたら、店長のそれが俺の彼女ができない原因の一つじゃないですかね?」

「今更だね、気にしちゃいけないよ!」

池本は溜息混じりに右手で頭を掻く。予定の時間で池本は上がりジムに向かう。

「店長、池本さんの恋人って?」

「渡辺さん気になるの?かなり過激だよ……まあ、悪い事ではないけどね……」

「意味深ですね……池本さんに彼ですかって聞いたら溜息つかれました……」

「はっはっは、面白い発想だね!池本君は同性愛者じゃないよ、本人に聞いてみなよ!」

やっぱりもやもやする渡辺さんであった。

恋人はいるのに彼女はいない、しかも池本は遊び人ではない、答えはなんでしょう?

しかし、その答えが「彼がいる」って、以外な答えですよね。

渡辺さんにも注目かな・・・

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