合宿!!!
合宿も最終日・・・
さあ、最後の仕上げだ・・・
気合いの乗りが違うよ!
3日目の朝もロードワークから始まる。ロードワークが終わると、池本はタイヤ叩きを行う。変わらない光景である。
朝食後、ジムワークを行う。トレーナーにこってり絞られ、4人共汗びっしょりである。
午後になり、改めてジムワークを行う。見ているだけで苦しくなるような練習だか、4人は黙ってこなして行く…………
1日が終わり夕食を済ませ、誰と申し合わせるでなく、4人は玄関先で集まりロードワークに出掛けて行く。
(たった3日で変わったな……次の試合が楽しみだ!)
トレーナーがそう考える程、3人の意識が変わって来た。
しかし、それも納得である。世界チャンピオンである男が黙って誰よりも率先して行うのだ。まして、3人の憧れである。その男の背中を追ううちに、自然と意識も変わってくる。
男の背中からは、無言でも強烈なメッセージが伝わってくる。[黙って俺について来い]そのメッセージを3人はしっかりと受け取っている。
合宿は本日の午前中で終了である。
当たり前の様に朝のロードワークをこなし、ジムワークをこなして行く。池本はミット打ちを行う。さすがに疲労のピークらしく、動きがどことなく重い。しかし変わらず10ラウンド行い、次のメニューに進む。3人も負けじと食らい付く。全員疲労のピークだが、1番熱い日となった。
午前中が終わり、ペンションのオーナーに挨拶をしてジムに帰っていく。その3人の後ろ姿をトレーナーと池本は満足そうに見つめる……
ジムに帰り、会長に挨拶する。
それぞれ確認をしながらジムワークに入る。それぞれが疲れを感じさせない様な動きを見せている。
「徳井、スパー行けるか?」
会長が声を掛ける。相手は6回戦のジムメイト、徳井は2つ返事で快諾する。徳井のスパーリングが始まる。
ゴングが鳴る。
徳井は自分から左ジャブを出し、左に回って行く。リングを丸く使っていく。
相手は前に出て来る。左ジャブを打ち、距離を詰めて来る。
徳井は左ジャブからしっかりと距離を取り、相手を近付けさせない。
相手が強引に間合いを詰めると徳井はステップインし、強めの連打を左ボディから左右フックへと繋げ、打ち終わりにはまた、ステップを踏み左ジャブから回っていく。池本とのスパーリングが生きている。どうやったらいいか、何をしたらいいかがはっきりと分かっており、そして確実に実行している。
たった数日の合宿で成長を感じさせる。
3ラウンドのスパーリングが終わり、徳井の戦いぶりに会長はご満悦である。トレーナーも頷いている。
そこから、いつもの様に練習が続いた。
練習後、4人はいつもの公園で飲み物を飲みながら、ベンチで話をしている。
「何かさ……俺、調子いいみたい!」
「調子こむなよ徳井!俺とやったらボコボコだぞ!」
「ふふふ、2人共……この喜多様に敵うと思っているのかな?」
「3人共大丈夫か?…トレーナーが聞いたら鼻で笑いそうだぞ!」
「いや、今ならトレーナーも少しは認めてくれる筈!」
「いや~……合宿の成果が、こんなにも早く出るとは思いませんでした!」
「やっぱり練習あるのみ!」
「う~ん……まぁ、そうだな!練習は大切だ!」
「まあ、俺達……」
「目指せチャンピオン!」
「追い越せ池本!」
「「「だからね!」」」
「はっはっは!なかなか楽しい事言うね……一度言った言葉は……」
「飲み込めねぇぞ、ですよね池本さん!」
「俺達、飲み込みませんよ!」
「池本さんの試合を俺達の前座にさせるんですから!」
「おうおうおう、さらに楽しい事言うじゃないの!いいねぇ……その感じ!ばっちりだ!……しかし、一つ問題が有る……」
「「「何ですか?」」」
「……お前等……い・け・も・とって、呼び捨てにしやがったな?」
「「「それはいいでしょ!」」」
「いいと思ってるのか?……後で厳しいトレーニングだな!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」
「追い越せ池本さんて、語呂が悪いでしょう!」
「それくらいは、大目に見てくれても……」
「…………はっはっは、冗談だ!お前達はお前達で目標持って頑張るしかないんだ……誰に頼まれた訳ではなく、勝手に始めたボクシングだからな……俺もそうだけど、自分の決めた道を他人のせいにして、言い訳するなよ!」
「「「はい、分かりました!」」」
4人は公園で別れた。池本はアパートに向かう。
(合宿の成果がこんなに早く出るわけねぇだろ!…全くあの3人はめでてぇんだから…………気合いの乗りが違うんだ……合宿の成果は後1ヶ月くらい後に出てくる……あの気合いに合宿の成果が付いて来たら、流石にキツイかな?……追い越せ池本が現実になりそうだ……俺も気を引き締めないと……)
そう思う池本であったが、顔は綻んでいた。
3人の成長が見られ、池本も嬉しそう・・・
きっとトレーナーも感じています。
池本も気を引き締めて練習しないと・・・
さあ、試合間近だ!




