もう一つのバイトと休み!
練習とバイト・・・
池本は息抜きしてるのかな・・・
新しいメンバーが出てきます。
是非、確認して下さい。
翌日、池本はいつも通りに起き着替える。そしてロードワークに出かけた。いつも通りに走って帰る。アパートのドアを開け、いつも通りに着替えを取ろうと部屋に入る。
「誰、何!」
渡辺さんに大声を出された。
「声が大きいよ……酔いつぶれてたから連れてきた。住んでる所は分からないし、その辺で寝かしておくのもまずいしね……」
「ごめんなさい……迷惑を掛けてしまって……」
「いや、大丈夫だけど…服を取りたいんだけどいいかな?」
「あ、どうぞ……」
渡辺さんは少しどいた。池本は着替えとバスタオルをとり浴室に入っていった。数分して出てきた池本、
「もう少し休んでていいよ。俺、バイトだから帰る時は鍵を郵便受けに入れておいて!」
池本は出ていった。
「池本さん、土曜日もバイトなんだ……」
渡辺さんは呟いた。
池本はコンビニでお弁当等を並べている。
「池本さん、大丈夫ですか?なんか疲れてませんか?」
一緒にシフトに入っている近藤が言った。
「色々あってね……」
「池本さんモテそうだから、女の人と何かあったんですか?」
「無いよ!」
(こいつうるせえんだよな……しかも中途半端に感がいい……)
バイトはいつも通りに進んだが近藤が五月蠅い。何回も、
「何があったんすか―!」
と聞いてくる。このしつこさが彼女が出来ない原因だろうと思っている。お客が入ってきた。
「いらっしゃいませー」
池本は声を出した。
「すいません、鍵を返しに来ました……」
渡辺さんであった。
「郵便受けに入れてなくなっていたらと思ったら心配で……」
「よくここが分かったね!」
「連絡先と住所が書いてありました、枕元に!」
「何々、この娘が泊ったんですか?」
「近藤うるせえ、仕事しろよ……自分の事で楽しめよ!」
「さーせん……」
近藤はジュースの補充に向かった。特に客のいない時間であった為、少し渡辺さんと話をした。鍵を受け取ると、
「ありがとうございました!」
と言われた為
「飲みすぎに注意、分かった?」
「はい……ご迷惑をお掛けしました……」
「いや、迷惑はかけてないよ!」
池本はそう声を掛け、渡辺さんを見送った。
バイト後は練習、いつも通りにジムに行った。
「お願いします!」
「おう、すぐ用意しろ!」
トレーナーからの指示で着替え、アップを始める。今日のパートナーは3人、2人は池本と同じくらいの身長だが、1人は池本よりさらに大きい。池本はアップを終えるとスパーリングの準備をする。準備が終わると対角線にパートナーが入ってくる。
「用意はいいか?」
池本とパートナーは軽く右手を上げる。
「カーン」
ゴングが鳴る。
池本はいつも通り頭を振り左ジャブを出す。
相手は左ジャブを出し、足を使って距離を取る。
池本は左ジャブを出しながら少しずつ前に出て行く。相手は距離を取っているが、ドンとコーナーにぶつかる。
池本に上手く誘導をさせられたのだ。
池本は一気に距離を詰め、上下に打ち分けていく。丁寧に素早くパンチを的確に当てていく。
相手がクリンチをしようとした時、バックステップから右ストレートを顎にヒットさせた。堪らず相手はタウンをする。立ち上がるが、トレーナーがパートナー交代を告げる。
2人目がリングに上がる。池本より大きい彼であった。
「カーン」
ゴングが鳴る。
池本は先程と同じで、頭を振り左ジャブを打っていく。
相手が左ジャブを打つ。池本が届かない所から届いてくる。
池本は丁寧にブロックをし、前に出て行く。相手は距離を取り池本の届かない所から左ジャブを出す。
池本は頭の振りのスピードを上げていく。相手が左ジャブを出した瞬間、その左を掻い潜り一気に懐に入る。
相手は先程のスパーリングを見ていたので、右手を下げ、ボディをガードするが池本は嘲笑うかのように左フックから入っていく。左フックはクリーンヒットし、相手がぐらつくと池本は一気に連打を上下に打つ。相手はガードを上げ、コーナーに張り付けとなる。
トレーナーから声が掛かり、一旦止まる。再開をするが、池本の攻撃に防戦となり、終了となった。
「カーン」
3人目とのスパーリングである。
池本は同じように頭を振り左ジャブを出していく。
相手も承知している。相手が間合いを詰め、打ち合いに持ち込む。
相手が打ってくるが池本はしっかりガードを上げ、クリーンヒットを許さない。しっかりガードをした上で的確にパンチを当てていく。
リング中央で打ち合っていたが、20秒もすると池本がどんどん前に出ており、相手はいつのまにかコーナーに詰まっていた。苦し紛れに右を大振りしてきたが、池本は冷静に自身の右フックを合わせ、カウンターを取る。利き腕同士のカウンターである。相手は一撃でダウンとなり、トレーナーはすぐにスパーリングを止める。
スパーリング終了である。
その後は、普段のジムワークへと移っていく。試合が決まっている為、ジムワークにも気合いがはいり、自然と厳しい練習になっていく。
「ありがとうございました!」
「ゆっくり休めよ!」
「はい、ありがとうございます!」
池本はトレーナーに声を掛けられた。
明日は休み、池本は明日何をしようかと考えた。多分、もう少しするとボクシングウィークに入る。いわゆる練習の量が増え、スタミナのアップと筋力のアップをする、第一次追い込み期間である。5月からはかなり厳しい練習になるだろう。
(今の内に息抜きをしておこう……)
池本は思ったが、何をするかが分からなかった。
(明日考えよう……なるようになるかな……)
池本は思い帰路に着く。アパートについて着替えをしロードワークに出かけた。
(昨日走ってないから、少し厳しめに行くか……)
池本はいつもよりペースを上げて走る。距離もいつもより伸ばして走った。
がんがんに走り、アパートに着いた時には汗がかなり出ていた。服を脱ぎ洗濯機に入れる。洗濯機を回している間にシャワーを浴びた。着替えて出てくる。
(明日はどうするかな……)
池本は考えた。
日曜日、朝はいつも通り走ってきた。
何もする事がないのでテレビを見ていた。午後3時、携帯の電話がなる。
「池本さん、藤沢です!」
ジムの後輩である。
「今日合コンなんですけど1人欠けちゃって……」
(こいつ合コン好きだなぁ……いつも合コンだよな。俺はパスだな……)
「いや、間に合ってます!」
「池本さん、いつもそう言いますけど、たまにはどうですか?息抜きですよ、女子大生ですよ。池本さん、その気になればモテますから行きましょうよ!」
「お前はもっと練習しろよ!」
「あちゃ~、痛い事言いますね。それはそれ、今回は合コンの話。お願いします、一生のお願い!」
「何回一生のお願いがあるんだよ……」
「とりあえず、今回は俺を助けて下さい!」
結局付き合わされる事になった。藤沢が6時半に迎えに来るらしい、7時からとの事だった。
(とりあえずやる事ないしなぁ……まぁいいか……)
池本はまたテレビを見始めた。
藤沢が迎えに来た。池本は少し眠っていた。藤沢のノックで起きた。ドアを開ける。
「ちょっと池本さん、着替えて下さいよ!何やってるんすか?」
「すまん、寝てた……今着替える……」
「頼みますよ~……」
池本は着替えた。ジーンズにTシャツ、黒のトレーナーの上に灰色の前開きの厚手のパーカーを着た。
「池本さん、なかなかいけますよ!」
藤沢は言った。少し髪の毛を直し現地に向かった。7時ちょっと前に着いた。メンバーは藤沢・手塚・喜多・徳井と池本だった。
「遅いっすよ~!」
徳井に言われた。
「悪い、池本さん寝ててさ……」
「マジっすか?俺なんて興奮して昨日から眠れてないのに……」
喜多が言う。手塚が頷く。
「お前らはだから弱いの!」
「うわ~、厳しい……でも、そんな池本さんが俺らは好きですよ!」
「……キモいんだよ……」
池本は言った。
次回は合コン!
どんな合コンになるのか・・・
池本は乗り気じゃないんだよね・・・
何かあるかもしれないし、ないかもしれない。
どうなる事やら・・・