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君の為に、俺の為に・・・  作者: 澤田慶次
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徳井のデビュー戦!池本の防衛戦!池本のデビュー戦?

ついに徳井のデビュー戦。

しかし徳井は緊張気味。

池本の防衛戦もあるし・・・

忙しいみたいだね。

池本の防衛戦が決まった。2月16日である。前座で徳井のデビュー戦も決まった。

「気合い入れるぞ!」

「い、池本さん、俺、緊張して来ました……」

「またか……プロテストの時もそうだったよな!…やる事やって、出来る事をやるしかねぇんだから、腹を決めろよ!」

「でも……やっぱり不安です…………」

「とりあえず練習だな!不安を取り除く為にも練習だ!…走り行くぞ、用意しとけ!」

徳井は池本に促され着替える。

徳井が着替えている間に、練習に来ている喜多に豊本さんに連絡して徳井への気合い注入を依頼しておく。

「池本さん、用意出来ました……」

「よし、行くぞ!」

池本の声で2人はロードワークに出た。


約30分後、2人が帰って来る。

帰ってすぐに池本は平然とロープスキッピングに移るが、徳井はかなり参っている様子であり少しぐったりしている。

「徳井、次だ次!」

「い、池本さん……は、は、走り過ぎ……です……」

「馬鹿!あれくらい普通だ!休むな、やるぞ!」

「徳井、お前はペース落とせ。池本のペースはまだ無理だ…池本、お前は少し自分の練習量を実感しろ!」

「いやいや、まだまだこれからでしょう?」

トレーナーの一言により徳井の練習は池本とは別メニューになった。とはいえ、試合が決まっているのでやはりいつもより厳しい練習をする事には変わりはない。


池本はいつも通りの練習をする。

トレーナーにミットを持って貰い、8ラウンドのミット打ちをする。

池本のミット打ちの後に徳井がミット打ちをする。ミット打ちは、トレーナーが動きながらパンチを受けて貰える為、試合のような動きの練習ができるがその反面、体力の消耗が激しい。更に、ミットを打つという事のみになる為、ラウンド中はずっと動きっぱなしであり、ここでガードを下げない事への練習にもなる。

デビュー戦とはいえ、プロの徳井でも3ラウンドでかなり息が上がっている。8ラウンドやり、平然とサンドバッグを叩いている池本の凄さが改めて分かる。


練習後、徳井·喜多と一緒に帰る池本。藤沢は池本より1時間以上後から練習に来た為、池本達は先に上がった。

「池本さん、俺、心配で……」

「まだ言ってるよ……練習して強くなればいいだろ!」

「いや、池本さんは強いから……俺デビュー戦だし……」

「俺だってデビュー戦はあったの!世界チャンピオンでもデビュー戦はあるの!」

「池本さん、デビュー戦の時はどうだったんですか?」

喜多が話に入って来た。

「俺の時か……………………


……池本のデビュー戦……

プロテストに受かり喜びに浸かる暇も無く、すぐにデビュー戦の話を会長より貰った。後々聞いた話だが、プロテストの前にデビュー戦の話はほとんど決まっていたらしい。

プロテストの合格を確認した日からすぐ、試合に向けての練習が始まった。


今の池本と比べればスタミナも技術もないが、それでもひたすら練習をする姿は変わっていない。

とにかく妥協をしない、弱音を吐かない、最高の結果を得る為に現状欠けているものを確実に把握し、撤退的に練習をしていく。まさに超現実主義であり、今の池本を作っている。


毎日の練習、試合前の減量を行い、当日になった。

良く緊張した、頭が真っ白になったと聞いていたが、控え室にいても妙に落ち着いていた。

(やる事は1つ……)

池本の強い意志とはっきりとした目標が重なり、緊張よりは必ず遂行するという任務にも似た感覚になり、試合に集中出来ていた。

入場からリングインし、紹介される。対戦相手は2戦2勝の戦績。池本のデビュー戦が始まった。


1ラウンド…………

池本は練習した事をそのまま出していく。

頭を振り、自分から仕掛ける。先手先手で攻撃していく。

相手は左ジャブを出し、距離を取ろうとするが、池本の妥協のない練習で鍛え上げた下半身のダッシュ力と現役のプロが舌を巻く程の練習量で培った実力は、もはや4回戦の選手のレベルではどうにか出来る物ではなかった。

池本が一気に間合いを詰めるが相手は対応出来ず、左右のボディの後に左フック返しの右フックが決まり、ダウンを奪う。立ち上がるがふらついている。レフェリーが確認し試合ストップ、1ラウンド1分07秒TKO、これが池本のデビュー戦である。


……現在……

…………緊張は無かったな!」

「池本さんは規格外過ぎです……」

「徳井、池本さんを参考にしたのが間違えの元だよ……」

「ちょっと待て!……お前等おかしいだろ!俺は普通だ!……俺が言いたいのは、結局の所、練習した事しか出来ないんだから、しっかり練習してしっかり結果を出す事に集中しろって事だよ!」

「徳井、やる事は決まってるんだから、後はお前次第って事だな!やるしかないな!」

「喜多~……お前も池本さんみたいな事言うなよ~……」

突然携帯の音が鳴る。徳井の携帯である。

「徳井さん?」

「豊本さん?どうしたの?」

「試合決まったんだって?」

「えっ!何で知ってんの?」

「えへへ……それより頑張ってね!応援行くから!強い所見せてね!」

「!?……任せて!」

「じゃあ、頑張ってね!」

電話が切れる。徳井はニコニコしている。池本と喜多はそれを温かい目で見ている。

「よっしゃ!やるぞ~!KOだ~!」

「「うるせぇ、徳井!」」

いきなりの徳井の大声に、池本と喜多はハモった。

徳井がやる気出してくれて何より!

池本は元々自分を持っているし・・・

次回は徳井のデビュー戦!

徳井の物語も入れる予定です。

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