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君の為に、俺の為に・・・  作者: 澤田慶次
11/97

日本タイトルマッチ!!

ついに試合のゴングが・・・

どうなるのか・・・

10月9日、控え室。

池本は集中していた。試合も進み、池本はアップを始める。セミファイナルが終わり入場になった。

会場に「惑星」が流れる。池本が会長・トレーナーと共に現れた。

池本がリングインするとチャンピオンが入場する。

選手紹介の後、中央に両者が歩み寄り、レフェリーから注意事項を受けて一旦各コーナーに別れた。池本は青コーナーである。

「カーン」

試合開始のゴングが鳴った。


1ラウンド…………

池本はいつもの様に頭を振り、左ジャブを打っていく。

チャンピオンは距離を取りジャブを打っていく。

静かな立ち上がりかと思ったが、池本が突っかける。チャンピオンのジャブを左で叩き落とすと強引に前に出た。

チャンピオンが距離を取ろうとし、左ジャブを何度も繰り出すが構わずに前に出て行く。2・3発ジャブを貰うが前進を止めない。一気に懐に入り連打をする。チャンピオンも飲み込まれない様に手を出す。早々に打ち合いになった。お互いに被弾するが打ち返す。池本が上下に打ち分け、左フックがチャンピオンのテンプルに入り、チャンピオンが後退する。池本が追い追撃の体制に入るとすぐにレフェリーが割って入る。

ゴングが鳴っている。1ラウンド終了である。


2ラウンド…………

池本が頭を振って前に出る。

チャンピオンは左ジャブを出し、距離を取る。

何度か左ジャブを掻い潜り、ボディに左を打ち込む。時に右を交えコンビネーションを見せるが、チャンピオンはバックステップを巧みに使い、縮まった距離を戻したり、時にクリンチでその場を凌ぐ。さすがにチャンピオンである。

池本が詰めた分、チャンピオンが下がる。

お互いの駆け引きの中、時間だけが過ぎて行く。2人共に自分の距離で戦う為にあの手この手を使いながら、試合を進めていく。

お互いの思惑が交錯しながら、ラウンドは終了となった。


3ラウンド…………

池本が前に出る。先程と違い、ジグザグに前に出る。前に出ながら左ジャブを放ち、前に前に出て行く。

チャンピオンは左ジャブを放ち池本との距離を取ろうとするが、池本がジグザグに出て来る為に左ジャブが当たらす、少しずつ下がって行く。下がったチャンピオン、いつの間にかコーナーを背負っていた。

チャンピオンがコーナーを背負うと池本の前進のスピードが一気に加速し、一瞬で懐に入る。

その刹那、チャンピオンの左アッパーが池本を襲うが池本は左ボディを放ち、相打ちになる。

しかし、チャンピオンの大振り気味のアッパーに対し、池本の左ボディはコンパクトであり、アッパーが中途半端に当たったのに対し、左ボディは打ち切っていた。

チャンピオンがコーナーに詰まる。

池本は一歩前に出て頭を振る。チャンピオンが左フックを出すのをかわした時、チャンピオンはかわされた左腕を巧みに使い、体を入れ替える。そして左ジャブを打ち、再び距離を置く。

池本は頭を振り、左ジャブを出しながら追いかけていく。チャンピオンの巧さが目立つラウンドとなった。

池本が追い、チャンピオンが捌く。試合展開は、どちらが自分の距離で戦えるかになってきた。


4ラウンド…………

池本が前に出るが、先程までとは少し違う。チャンピオンの左ジャブに慣れてきたのか、強引さが抜け、華麗に前進をしていく。悉く左ジャブを掻い潜り、返しの右ストレートをさらに掻い潜った。

入った所に合わせたチャンピオンの左アッパーを避けながら、左フックをテンプルに入れる。チャンピオンは後方に弾け飛ぶ。

追う池本、チャンピオンはすぐに態勢を立て直し距離を取ろうとする。

しかし、池本は逃がさない。

懐に入ると、左右のボディから左アッパーを出す。

チャンピオンの顎をかするがチャンピオンはクリンチをし、その場を凌ぐ。チャンピオンも必死である。

レフェリーが割って入りブレイクとなる。

離れるとすぐに、チャンピオンは距離を取り、池本はチャンピオンを追う。2人共に、我慢のボクシングである。


5ラウンド…………

池本がギアを上げる。

開始早々に一気に間合いを詰める。チャンピオンが左ジャブを出すが掻い潜り、懐に入る。

チャンピオンがクリンチをしようとした刹那、左アッパーがチャンピオンにクリーンヒットし、チャンピオンが後退する。

池本は一気に詰める。左右のボディから左アッパー、右フックとチャンピオンをまくし立てる。

チャンピオンも手を出すが飲み込まれていく。

池本の左ボディからの左アッパーが綺麗に入り、遂にチャンピオンからダウンを奪う。

レフェリーのカウントが進む。

カウント8でチャンピオンが立ち上がり、試合が再開される。

池本は間合いを詰め、連打をする。

チャンピオンは防戦一方となり、何発も池本のパンチがチャンピオンに入る。チャンピオンの手が出て来ない。レフェリーが割って入り、試合を止めた。5ラウンド1分14秒、TKOにて池本の勝利である。


池本が応援席にいるみんなに右手を上げた。応援に来ていた9人は大興奮である。

池本の腰にベルトが巻かれる時には、全員リングサイドに来ていた。

インタビュアーがリングに入る。

「おめでとうございます!」

「ありがとうございます!」

「素晴らしい試合でした!」

「ありがとうございます……もう少しパンチを貰わないようにしないととは思いますが、勝てて良かったです!」

「応援してくれた方々に一言!」

「ありがとうございます!応援頂いて、力になりました……後、2人の女性に感謝しています。一歩先に進めた気がします……」

渡辺さんと伊藤さんは目を合わせて照れ笑いをした。

日本タイトル奪取!

なかなか白熱でした!

池本は強いんですよ・・・

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