プロローグ
新作投稿しました! 本日はプロローグ含めて4回ぐらい更新する予定です。
少年は十歳の時に住んでいた村を失った。
モンスターの大群に村を蹂躙されたのだ。
両親もそれに巻き込まれて死んだ。妹も行方不明になった。
少年は一人になった。身よりはなくなったし、村も廃村になって、帰る場所もなくなってしまった。
町の孤児院で彼は育てられた。
その後、少年は長じると、冒険者になった。
経営が苦しそうな孤児院のためにも、お金を早く稼げる職業につきたかった。
冒険者の生活も楽ではなかったが、同じ冒険者の友人もできた。
二人で困難なクエストもこなしていった。
けれど、その友人も強大なモンスターの討伐中に命を落とした。
また、彼は一人になった。
だが、彼は偶然にも、自分が一人になった事件の原因を聞いてしまっていた。
どちらも酒場でギルドの職員が話しているのを耳にしたのだった。
もし、ギルドが健全に機能していたら、人々のためにギルドが行動していたら、村が滅ぶことも、友が死ぬことも、彼は孤独になることもなかったのだ。
冒険者の友人を失ってから、彼は変わった。
広義の冒険者にはまだ含まれるだろう。なにせ、戦って生きているのだから。
けれど、彼が倒すのはモンスターというより、ギルド内にはびこる悪だ。
その実力は天下無双と言われる。事実、ギルド内の悪がどんな強大な用心棒を連れていようと彼にはかなわなかった。
そして、彼は悪を何人も裁いていった。
いつしか、人々は彼のことをギルド・クラッシャーと呼ぶようになった。
次回は実質スタートなのですぐに更新します。