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中途半端で何が悪いっ!~ネタキャラ死神による魂の協奏曲~  作者: 八坂
第三章 それぞれの真価、越える、スキル
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虚空の言葉

「コピーが勝つか、コピーの欠片が勝つか……」


 何もないその場所で、胡坐をかいたその人物はクツクツと笑っていた。


「ああ、でもなぁ、あれは何だかおかしな方向にいっちゃってるなぁ……」


 虚空をピンと立てた指でなぞる。


「こっちは大体思い通り。けど、どうだろう? なんかあいつらナチュラルに越えてってるし。欠片の癖に……」


反対側の指を、こちらは折って一瞬躊躇って、また虚空をなぞった。


「大仰な芝居を打ったけど、人選間違えたかなぁ。もしかすると、欠片側につくかもしれない。まぁ、でもそれならそれで面白いけれど――」


 今度は立ち上がって、別の虚空をなぞる。


「最初のはたまたまからの思い付きだったんだけど、でも面白いようにはなってるかな? でもそうするとフェアじゃない気もするけど、元々差があるからそんなもんかな? 量産品だけでも与えておくといいだろうか?」


 腕組みをして顎をさするように手を動かす。


「ここまでは予想通りだけど、あれはよくない。もし、あれが――」


ふとそこで動きが止まる。

突如としてその空間にけたたましく音が鳴り響いた。


「あれ、これまずいんじゃね?」


慌てたように虚空をなぞっていくと、音が鳴り止んだ。


「あー……」


虚空で指を止めて、後ろ手に頭を掻き毟った。


「厄介な事になるかもなぁ、どこだ?」


 両手を虚空に添えて、せわしなく指を動かし始める。

 それは規則正しく、一定のリズムに乗って動いていくから、旋律を奏でているようにすら見える。


「ち、見つからない……」


 舌打ちしてぼやくと共に、その指の動きはぴたりと止まってしまっていた。


「仕方ないか……」


 忌々しそうに呟くが、その口角はニタリと意味ありげな笑みを零していた。


 次の瞬間には、そこには何もなく、誰もいない、ただの空間となる。


 どれくらい広いのか、あるいは狭いのか、それすらもわからないそこは、主を失うと、音も無く崩れ去って消えていった――

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