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「残念だったわね、ハクビさん……。悲しいことでしょうけど、もう金子は見つからないと思うわ」


「ま、まあ、大した額は入ってなかったし…………あ」


しょうがないさ。そう続けようとしたが、ハクビはあることに気が付いた。


(確か、あの金子入れには……)


「……うわぁ。まずいよね、これきっと」


「え?」


ハクビは苦笑した。


(あれは、駄目なんだろうな、さすがに)


他の人に渡してはならない物だろう。何と、大変なことになった。


「ごめんよ、娘さん。私は彼を探さなくちゃならないようだよ」


「え? ちょっと、ハクビさん?」


ハクビは、どうしたのかと戸惑う娘に苦笑を向けると、説明もそこそこに彼女を置き去りにし走り出した。


(何でこんなことになるかなぁ)


追うは勿論先ほどの少年。

こうして、ハクビの追跡劇は始まるのだった。

この出逢いがやがて国をも巻き込む大事へと繋がるとは、この時点では誰が知り得たことだろう。しかし、物語の歯車は人々の意に反して動き出す。長き物語のほんの片隅、断片の世界で彼らは出逢った。そして、彼らの運命は加速する――


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