表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/62


「よくも親分の金子盗んでくれたな。ただじゃおかねぇぞ?」


臭い息と共に吐き出された言葉。その臭いに僅かに顔を歪めつつ、影は周囲を監察した。前には屈強な身体を揺らして己に近づく男たちが、後ろには木でできた塀が、そびえ立っている。直に応援が駆けつけて、ますます敵が増えることだろう。

絶体絶命と思われる状況を見て、影は何故かにやりと笑った。その影の顔に気づき、男が怪訝な表情を浮かべる。


「てめぇ、何笑ってやがる?」


男の問いに、影は答えなかった。代わりに、影はある言葉を紡ぐ。

影は、呼んだ。呟くように、しかし楽しそうに。その、自身の【真名】を。


「さあ、駆け抜けろ。【  】」


そして――


――視界が、真っ赤に染まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ