三章
キツは、のこぎりを作り終わり、
「リヤカーがほしいな」
と思ったので、のこぎりで木を切った。
のみで木を削って何とかタイヤのようにし、それを四つ作った。
タイヤを作り終えると、キツはふと、弟のことが気になり、タイヤをほったらかしにして岸に向かって走っていった。
キツが一生懸命走っている時、イナリは岸についていて、こちらへ向かってくる船、いや舟を眺めていた。
イナリは頭の中で船を思い浮かべた。
だが、やはりイナリの頭には海賊船が思い浮かぶのだった。
「あれが海賊船だったらな。僕が財宝を取りに戦いの武器を持って船に乗り込みたいな。」
なんていって魚捕り用のやりを振り回した。
やがて舟は岸に着き、オコジョが降りてきた。
だがイナリはまだ財宝のことを考えるのに夢中で、魚捕り用のやりをまだ振り回していたので、オコジョは怒って、
「危ないな、僕は怒ってるんだぞ。」と、どなった。
それにもかかわらず、カワウソは。
「そのやり、僕に譲ってよ。」
なんて自分のことばかり。
イナリが、「魚捕り用なの!」と、ことわっても、
「魚捕り用なんてもったいない、いくらがいいかな、高すぎてもダメだしな、ry」
しかしイナリは、
「だ・か・ら・さ・か・な・と・り・よ・う・な・の。」
と言い聞かせるようにいった。
「わかったわかった。魚も捕ってやるから。一日に四匹な。」
「よし。じゃあ譲るよ。一日四匹よろしくね。」
イナリとキツの取引がようやく終わったところで、キツが走ってやってきた。
「はぁ、つかれた… ところで皆此処で何してるの?」
とキツが聞くと、オコジョは不機嫌そうにいった。
「なにしてるじゃないよ。自分で考えな。」
イナリは、皆に、
「ところで何をするかい?」
と聞くと、キツは
「あの島まで橋をかける!」
といった。しかしオコジョは、
「無理だと思うよ。ここらはいろんな海流が束になった状態でぶつかってくるんだぜ。」
「島の間の所を埋めないように、壊れないように、作ればいいじゃないか。」
その時、イナリがカワウソからもらった二匹の魚を見て、キツに言った。
「おい、たき火はちゃんとしたのか。」
キツは、大声で、「わすれてた!」とどなった。
みんながもっと大声で、「「う る さ い!」」とどなった。
そしてキツは、「リヤカーも忘れてた。」
「みんなで手伝おうか。」みんなは新しいキツの家へ走っていった。
でも相変わらず、カワウソは、「手伝ったら、武器くれよ。」なんて言っていた。
後になってカワウソは気づいたが、実はというとみんな急いでいて、そんな言葉、みんなの耳には入らなかった。
とにかく、みんなはさっそくリヤカーとたき火にとりかかった。キツは前にもらったライターを取り出し、木に着くまで、チャッチャッと火を着けた。
リヤカーもあっという間に出来上がった。キツはさっそく、リヤカーを何も乗せていない状態で走らせた。(もちろん、運動不足なので帰ってきたころには、ばったり倒れた。)
「まあ、ゼェゼェ、明日からは、ゼェゼェ、橋の、ゼェゼェ、材料を、ゼェゼェ、集めるか、ふぅ。」
起き上がりながら、キツは、ゼェゼェ言いながら言った。