表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/22

第十九話 ミミズさんは避難中





ミツキ「うへ、気持ちわり」


車に轢かれて潰れたミミズたち。


ミツキ「雨の日の後は、こういうの多いよな」


サッと避ける。


ミツキ「なんで道路に出てくるんだろ。土の中に居ればいいのに」


アゲハ「せっせ、せっせ」


前方に登校中のアゲハ。

枝を持って道路端をウロウロ。


ミツキ「あ、おはよーございます!門城先輩!」


アゲハ「お、ミツキ君おはよー」


ミツキ「何やってんすか、小枝なんか持って」


アゲハ「あ、これ?」


ウネウネ


ミツキ「み、ミミズじゃないすか!?」


アゲハ「え、そうだけど?」


ミツキ「あの……、それは何を……?」


ウネウネ


アゲハ「ああ、彼らの村が水害に遭ってるから、避難誘導をね」


ミツキ「水害?避難誘導?」


アゲハ「避難誘導は違うか、うーん、ボランティア、かな?」


ミツキ「どっちも、よくわかんないすけど」


アゲハ「ほら、君も手伝いなさい。あっちのご老人を運んで」


ミミズ「ウーネウネウネ…」


ミツキ「あの、どうやって……」


アゲハ「ほら、こういう枝を拾ってさ、ひょいって掬ってあげるの」


ミツキ「えと、は、はあ……」


アゲハ「ほら、やってみて」


ミツキ「えーっと、こう、でしょうか……」


ミミズ「ウネウネ!ウネウネ!」


アゲハ「こ、こら!もっと優しく!」


ミツキ「す、すいません!」


アゲハ「見ててね。はいどうぞー、こちらですよー」


ウネウネ


ミツキ「お、おおー」


ヒョイ、道路横の雑草地にポトリ。


アゲハ「こんな感じね?」


ミツキ「お、おす」


アゲハ「ほら、あそこにも目的地が分からず彷徨っている方が。ミツキ君、お願い」


ミツキ「やってみるっす」


そー。

ウネウネ。

ヒョイ、ポトリ。


アゲハ「パーフェクツ!ファンタスティック!ノーミステイク!ブロウンアウェイ!!」


ミツキ「え?」


アゲハ「グッド!ベリーグッド!エクセェレェエント!!」


ミツキ「え?」


アゲハ「え、まだ足りない? しょうがないな……。ナイス!ナーイス!!ナアアア!!!」


ミツキ「わ、わかったっす!褒めてくれたんすね!ありがとうっす!」


アゲハ「うん」


ミツキ「あ、あの、これはいつまで続ければ…」


アゲハ「本当は道ゆく全てのミミズさんたちを誘導したいけど、時間もあるしね。この付近はやっちゃいましょ」


ミツキ「うす」



***



ミツキ「も、門城先輩!そろそろ時間がやばいっす!」


アゲハ「オーケイ、オールモストゼア!」


ミツキ「……今日ずっとこの調子かもな」


アゲハ「はい、誘導完了! 急ぎましょうか」


ミツキ「うす!」


テッテッテ


ミツキ「あの、なんでこんな事してたんすか?」


アゲハ「夜中まで雨降ってたでしょ? だから、みんなパニックだったんだよ」


ミツキ「パニックって?」


アゲハ「土の中が雨で満たされちゃって、息が出来なくなるんだよね。つまり土の中に居たら溺れちゃうってこと」


ミツキ「え、そうなんすか……」


アゲハ「それで道路まで逃げ出して来てるってわけ。でも道路の上にいたら、ほとんど生還不可能じゃない?」


ミツキ「まあ確かに」


アゲハ「草むらだって安全じゃないけどさ、まだマシかなって。そもそも地上に出て来るだけで危険なんだよね」


ミツキ「雨が降らなかったら、災難っすね」


アゲハ「でも水分ないと、彼らって干からびちゃうしさ、なんかジレンマだよね」


ミツキ「確かに。水分はみんな必要としてますし。……なんか僕もノドが乾いてきた」


アゲハ「朝から走ってるからねー。水筒ある?ちょっと休憩しましょ」


ミツキ「う、うす」


ジー、パカ


ミツキ「げげげ」


アゲハ「なに?」


ミツキ「す、水筒忘れた……。しょうがない、後で給水機使うか……」


アゲハ「あれまー。じゃあ、私の飲みな」


ミツキ「え……」


カポン、トクトクトク


アゲハ「はいどうぞ。冷たい麦茶」


ミツキ(……ドキドキ)


アゲハ「は?」


ミツキ「え?」


アゲハ「嫌なの? 私のお茶」


ミツキ「い、いただきますー!」


グイー


ミツキ「プハ、美味い!」


アゲハ「ハイドレートユアソウル。その飲みっぷりにパッションを感じたわ。それでこそ姉弟のサカヅキに意味もあるというもの」


ミツキ「え、なんて?」


アゲハ「さ、急ぎましょう。遅刻しちゃうわ」


ミツキ「うす」


ドキドキ


アゲハ「これからは姉さんと呼んでもいいわよ。ミツキ君、いえ、弟分」


ミツキ「え?急になんすか……。嫌ですけど……」


アゲハ「ええー!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ