第5話:ふたりの妻と、これからの約束
──ふたりの先生と、朝まで甘くてキケンな同棲生活
⸻
静かな夜だった。
窓の外では雨も風もなく、まるでこの家だけが時を止めたような静寂に包まれていた。
リビングのソファに座る僕の左右には、美湖先生と美咲先生。
ふたりとも、パジャマ姿で、お風呂上がりの香りをほんのりと漂わせている。
「……ねぇ、遥輝くん」
不意に、美咲先生が僕の肩に顔を預けた。
「わたし、最近すごく幸せなの。
大学でがんばって帰ってくる遥輝くんに“おかえり”って言えることも、
一緒にご飯を食べて、一緒に眠れることも、全部……」
「……私もよ」
美湖先生が、彼女の言葉にそっと続けた。
「あなたが私たちの間にいてくれることで、心が満たされる。
きっと私はもう、一人では眠れないわ……」
「……先生たち……」
僕は、ふたりの手をそれぞれ握った。
「……僕も、です。
大学でどれだけ疲れて帰ってきても、ふたりの顔を見た瞬間に元気になる。
この家があって、ふたりがいて……それだけで、生きていける気がするんです」
「ふふ……なら、よかった」
「……ねえ、遥輝くん」
ふたりが、同時に僕を見つめて言った。
「私たち、いつまでも“先生”じゃなくていいの。
“恋人”って呼んでくれていいし……
できれば、そろそろ……“妻”って、呼んでくれたら、嬉しいな」
一瞬、言葉を失った。
でもすぐに、その願いが僕の胸に深く落ちてきた。
「……わかりました」
僕は立ち上がって、深く頭を下げた。
「……結婚してください。美湖さん、美咲さん。
ふたりと、家庭を築きたい。名前も、未来も、全部ふたりと共有したいです」
その言葉に、美咲先生が思わず涙ぐみ、美湖先生は唇を震わせた。
「……もう、ダメ。キスさせて」
「わたしも。いまだけは、先生の立場なんて捨てる」
ふたりの唇が、同時に僕に触れる。
右からは甘くやわらかい美咲さんのキス。
左からは深くて静かな美湖さんのキス。
どちらも違って、でも、どちらも僕を愛してくれていた。
キスはやがて、頬から唇へ、唇から首筋へ──
気づけば僕はソファに押し倒され、ふたりに挟まれていた。
「ねえ、最後の夜にしようよ。“ただの恋人”としての夜」
「明日からは、“ふたりの妻”として、あなたを迎えるの」
「──いいですか?」
「「……もちろん」」
ふたりが僕の両手を取り、導いてくれた。
服を脱ぎ捨て、肌が肌に触れ合い、唇が交差し、甘い吐息が絡み合う。
美咲さんの指先が胸元を撫で、
美湖さんの唇が耳元で「好き」と囁く。
すべてが優しくて、すべてが愛しくて、
その夜、僕たちは──何度も、何度も、愛し合った。
⸻
翌朝。
カーテン越しに差し込む春の日差し。
僕の右手には、美咲さんの指。
左手には、美湖さんのぬくもり。
「……おはよう、旦那さま」
「ん……これからは、毎朝そう呼ぶの?」
「うん。だってもう、私たち、家族だもんね?」
「ふたりの……夫、になった気分です」
「なったんじゃない。“なってもらった”の。
私たちのほうが、遥輝くんに選ばれたんだから」
「ふふ……今日から、朝ごはんも新婚メニューね?」
「それは期待していいんですか?」
「ええ、でもその前に──」
美湖さんが、僕の胸にそっとキスをした。
「もう一回だけ、朝のキスをね」
美咲さんも加わって、僕の唇は左右から奪い合われる。
──僕の朝は、今日も、これからも。
ずっとこの甘いキスで始まっていく。
終わらないラブストーリー。
ふたりの妻と、僕の“家族未満で家族以上”の毎日が、今も続いている。
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