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異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~  作者: 黒蓬


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第86話 森の調査、百毒華の原因は・・・?

次の日の朝、リオンはすっかり元気を取り戻していた。朝食のテーブルでは、昨日の出来事を振り返る会話が続く。


「本当にすみませんでした。皆に心配をかけて……」


リオンは恥ずかしそうに頭を下げた。緑がかった髪が朝日に照らされ、健康な輝きを取り戻している。


「気にするなよ。誰だって初めて見る植物に興味を持つさ」


悠真は牛乳をコップに注ぎながら穏やかに答えた。


「でも、百毒華がこんな近くに生えているのは本当に不思議です」


リーフィアが真剣な表情で言う。彼女の銀色の髪が朝の光を受けて輝いていた。


「本当にそうですね。百毒華は通常、魔力の濃い場所にしか生えないはずです」


リオンも同意し、考え込む様子を見せた。


「まずは森を調査してみるか。他にも危険な植物があるかもしれないし」


悠真の提案に、全員が頷いた。


――――――


朝食後、一行は念のため、ヘラクレス、フレア、そしてアクアを連れて森へと向かった。リオンが毒に触れた場所を中心に、慎重に調査を始める。アクアも一緒なのは、二人の力を使った時に火事になるのを防ぐためだ。


「あっ、あそこにも!」


リオンが指さす先には、鮮やかな紫色の花が咲いていた。昨日見た百毒華と同じものだ。


「間違いありません、百毒華です」


リーフィアが警戒の声を上げる。


「フレア、頼めるか?」


悠真の言葉に、フレアが「コン!」と鳴き、尾から炎を放った。三本になった尾を上手く操り、百毒華を焼き尽くす。その後、アクアが水を操って鎮火した。


「さすがフレア、コントロールがすごく良くなったな」


悠真が撫でると、フレアは誇らしげに胸を張った。


「これで一つは片付いたな」


悠真がほっと息をつくと、リーフィアが周囲を注視している。


「でも、なぜこんな危険な花がこの森に突然現れたのでしょう?」


「それを調べるのが今日の目的だ。森全体を調査して、他にも百毒華がないか確認しよう」



――――――


森の奥へと進むにつれ、悠真たちはさらにいくつかの百毒華を発見した。その度にフレアの炎とアクアの水で対処していく。やがて、木々が途切れた小さな空間に出た時、全員が息を飲んだ。


そこには、漆黒の霧のようなものが渦巻いていた。地面から立ち上る黒い煙のようでもあり、液体のようでもある不気味なものが存在していた。


「これは……間違いありません、闇の瘴気です!」


リーフィアが小さく叫んだ。


「闇の瘴気?」


「はい、自然の力のバランスが崩れると生まれる負のエネルギーで、周囲の植物や生物に影響を与え、変異させることがあるといわれています」


リーフィアが震える声で補足した。


「つまり、この瘴気が百毒華を生み出した原因というわけか」


悠真が眉をひそめる。ヘラクレスとフレアは明らかに警戒している様子で、アクアは不安そうに悠真の肩に飛び乗った。


そして、闇の瘴気を見つめながらどうすればこれを除去できるのか考え始めた。


「フレアの炎では焼き尽くせないだろうな……」


「えぇ。たぶん難しいと思います。下手に手を出すと広がる可能性も……」


リーフィアの言葉に、一同が黙り込む中、リオンが小さく声を上げた。


「レインの力はどうでしょう?光を操る能力なら、この闇を浄化できるかもしれません」


「確かに対極の力なら可能性はありそうだな。一度牧場に戻って、レインを連れてこよう」


――――――


悠真たちが牧場に戻ると、レインは空を泳ぐように優雅に飛んでいた。純白の体が太陽の光を受けて、キラキラと輝いている。


「レイン、少し手伝ってほしいことがあるんだ」


悠真が呼びかけると、レインは興味津々といった様子で降りてきた。

悠真はレインの背中を優しく撫でると、再び森へと向かった。


――――――


闇の瘴気がある場所まで戻ってくると、普段はいつも楽しそうなレインが珍しく嫌そうな表情を浮かべた。


「レイン、悪いけど頼めるか?」


悠真の声に応えるように、レインの体が徐々に光を帯び始めた。最初は淡い光だったが次第に強さを増し、やがて太陽のような輝きを放っていた。


「キューー!」


力強い鳴き声と共に、レインは闇の瘴気に向かって光線を放った。まばゆい光が森全体を照らし、闇の瘴気に突き刺さる。


「すごい……闇の瘴気が……」


悠真が感嘆の声を上げる。レインの光に浄化されるように闇の瘴気は徐々にその姿を消していく。やがて、闇の瘴気は完全に消え去り、その場所には清らかな空気だけが残った。


「やった!」


リオンが喜びの声を上げる。レインは少し疲れた様子だが、「ピュイー!」と鳴きながら誇らしげに上空を舞った。


――――――


「今日は本当にありがとうな、レイン」


悠真がレインを撫でると、レインはキュッと嬉しそうに鳴き、光の輪を作った。


「百毒華も全て消えたし、これで森も安全になりましたね」


リオンが笑顔で言う。彼の顔色もすっかり良くなっていた。


「そうだな。さて、そろそろ夕食の準備をしよう」


悠真の提案に、皆が明るい笑顔で応じた。夕闇が訪れる牧場に、今夜もまた温かな灯りが灯された。

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