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異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~  作者: 黒蓬


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第63話 海への誘い

 朝日が牧場を優しく照らし、鳥たちのさえずりが心地よく響く。悠真は家畜たちの様子を見ながら、いつものように朝の見回りをしていた。


「悠真さーん!おはようございまーす!」


 そこへミリアムが挨拶をしながら駆け寄ってきた。彼女はいつも以上に弾んだ声で、駆け足で牧場へと向かってくる。後ろにはリーフィアとリオンの姿もあった。


「おはよう、ミリアム。今日は朝から随分と元気だな」


「はいっ!悠真さん、たまにはみんなで遊びに行きませんか?」


「遊びに?」


 悠真が首を傾げると、ミリアムは楽しそうに頷いた。


「そうです!この牧場はいつでも快適ですけど、たまには違う場所でリフレッシュするのもいいと思いまして。そこで、近くの海岸にみんなで行くのはどうかなってお誘いに来たんです!」


「海か……」


 悠真はしばらく考えた。確かに、この牧場でのんびり過ごすのは快適だったので気にしたことはなかったが、たまには環境を変えるのも悪くない。ミリアムの目は期待に満ちていて、リオンもリーフィアもどこか楽しみにしているようだった。


「……まあ、たまにはいいか」


 悠真がそう答えると、ミリアムはぱっと笑顔を輝かせた。


「やったー!じゃあ、みんなで準備しましょう!」


 海に行くと決まれば、準備が必要だ。悠真たちは早速、海へ行くための準備を始めた。


――――――


 準備のため、悠真は家の倉庫を開け、持っていくものを確認した。


「食材は……果物やパン、それから干し肉とチーズも持って行くか」


「お菓子も持って行きましょう!」


 ミリアムが嬉しそうに追加する。


「じゃあ、リーフィアとリオンは水筒にハーブティーを入れてくれ。俺はレジャーシートを持っていく」


「了解です!」


 ウィンドが悠真の側に寄り添いながら、興味深そうに荷物を覗き込んでいた。


「プゥプゥ!」


 ステラとルミも準備している様子を見て、楽しそうに跳ねている。


「ステラたちも楽しみみたいだな」


「みんな楽しみにしてくれているみたいで良かったです。お誘いに来たかいがありました!」


 そう言って、ミリアムが微笑んだ。


「そうだな。よし、準備は万端だな」


 みんなで協力して準備を進めると、あっという間に支度が整った。


「楽しみですね」


 リーフィアが微笑み、ミリアムも元気に頷く。


「うん!みんなでいっぱい遊びましょう!」


 悠真はそんな彼女たちの様子を見ながら、小さく笑った。


「さて、それじゃあ出発するか」


――――――


 青く澄み渡る空の下、悠真たちが浜辺に到着すると、さっそく各々が海の方に向かていった。


レインは空中で優雅に舞い、光の粒子を散らしながら海面を滑るように泳いでいる。まるで海そのものを楽しんでいるかのような躍動感に満ちた動きだった。


アースは白い鱗を輝かせ、静かに砂浜を這っていく。深紅の瞳は、周囲の風景を鋭く観察している。時折、波打ち際の小石や貝殻に興味を示し、体を寄せては観察する様子は、まるで未知の世界を探検する学者のようだった。


アウラは、波打ち際に立ち、静かに足の指を砂に埋めた。黄緑色の髪が潮風にゆらゆらと揺れる。植物の少女らしからぬ好奇心で、海の水を見つめている。


「アウラちゃん、海は大丈夫そう?」


ミリアムが優しく声をかけると、アウラは小さく微笑んだ。身振り手振りで、水や潮の匂いを楽しんでいることを伝えている。


クロロは興奮気味に小さな炎を吐き、砂浜を駆け回り始めた。二足歩行の恐竜が、まるで子供のように無邪気に遊ぶ姿に、悠真は思わず笑みをこぼした。


「皆さっそく楽しんでるみたいだな」


 まるで子供のように無邪気に遊ぶ姿に、悠真は思わず笑みをこぼした。


「風が心地いいですね」


 リーフィアも目を細め、砂浜に残る波の跡を観察していた。


「悠真さん、せっかくだから泳ぎませんか?」


 リオンが元気に声をかける。


「俺は……浜辺でのんびりしてるよ」


「えぇ~、もったいないですよ!」


 ミリアムが少し拗ねたように頬を膨らませる。そんな彼女の様子に苦笑しながらも、悠真は砂浜にレジャーシートを敷き、荷物を広げた。


「遊ぶなら、先に少し休憩してからにしよう。お茶でも飲んで、一息ついてからな」


 みんながそれぞれ思い思いの場所に座り、リーフィアが淹れてきたハーブティーを配る。海を眺めながらの一服は、なんとも贅沢な時間だった。


「うわぁ、これ、美味しい!」


 ミリアムがハーブティーを口にして、目を輝かせる。


「今日は特別に、リオンが選んだハーブを使いました」


「えへへ、喜んでもらえてよかったです」


 リオンが照れ臭そうに笑う。


「ねえ、せっかくだし、貝殻を集めませんか?可愛いのがたくさん落ちてるかも!」


「それはいいな」


 悠真は砂浜を眺めながら、さっそく小さな白い貝殻を見つけた。


「綺麗な形だな」


「見せてください!」


 ミリアムが覗き込み、目を輝かせた。


「わぁ、本当に綺麗!こういうのを集めたら、何かアクセサリーとか作れそうですね!」


「リーフィアなら上手く作れそうだな」


「そうですね。少し集めておきましょうか」


 しばらく貝殻を集めていると、レインが水面から勢いよく飛び跳ねた。


「キュイー!」


「レイン、楽しそうだな!」


「水が透き通っていて、泳ぎやすそうですね」


「悠真さん、本当に泳がないんですか?」


 ミリアムが、海の方からそんな風に再び悠真のことを誘ってきた。


「仕方ないな、少しだけな」


 そう言って、悠真は服を軽く整え、波打ち際へ足を踏み入れた。思ったよりも水は冷たく、心地よい感触が広がる。


「おぉ、これは……意外といいかも」


「でしょう!?さあ、一緒に遊びましょう!」


 こうして、悠真たちは思い思いに海を楽しんだ。


――――――


 夕日が海に沈みかける頃、みんなは砂浜に集まり、最後のひとときを過ごしていた。


「楽しかったですね!」


 ミリアムが満足そうに笑う。


「ああ。たまにはこういうのも悪くないな」


 悠真がそう呟くと、リーフィアやリオンも微笑みながら頷いた。


「また来ましょうね!」


「そうだな」


 楽しい一日を締めくくるように、みんなの笑顔が海風に揺れていた。



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