きっと上出来
陽は暖かいけれど
風はまだまだ冷たくて
深呼吸すれば
澄んだ空気が
肺の中から全身へ巡っていくのを
イメージなんだろうけど
感じる
遠くに綺麗に見える山々は
頭に真白な帽子を深く被って
考えなくても
季節的に当然なんだけど
それだけゆっくり
歩くのも
久し振りだったのかと
物悲しくなって
川が静かに流れていく
水の中には錆びついた
鉄の塊が留まって
少しだけ
全体の流れを変えている
梅の花が咲いている
鶯はまだいないけど
白く綺麗に咲いている
高架下の日陰には
まだ白いままの雪が少しだけ残っていて
足が痛くなったのは
完全なる運動不足の証明
眼鏡の隙間から
入ってくる冷たい風のせいか
やたらと涙が溢れてくる
一人歩く道は
相変わらず
いつも通りでも
気持ちは
少し晴れたから
それで充分か
何も気付けないまま
季節を見送らずにすんだだけでも
僕にしたら
きっと上出来




