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何やら、竜さん界隈ではエラいことになっていたようです。
以前、レミュさんから聞いていた竜さんたちの揉め事、
若い竜たちと長老たちの確執が、ついに大爆発。
そして、竜界、分裂。
『革新派』:これまでの古臭い因習やら何やらを全部ブッ壊して、
もっと自由に生きようぜ、
っていう、若い竜たちを中心としたイケイケ集団。
『保守派』:因習っていうのは平和に暮らすための先人の知恵なのだから、
むやみに壊したら駄目じゃろ、
っていう、長老たち主導の古参の竜の集まり。
『雌伏派』:経緯はどうあれ争いごとはうんざり。
同じ種族でさえ仲良く出来ないような連中とは仲良くしたくない、
っていう、自由を愛する面々。
えーと、それって何だか既視感アリアリな状況では……
もしかしておふたりは"雌伏派"に?
『そうだけど正確には派閥じゃなくて、どちらにも所属しなかった竜たちを"雌伏派"って呼んでいるだけ』
『私はそういうのは鬱陶しいから、どさくさに紛れてアネッサさん一族の封印を解いてきた』
『ありがとね、レミュさん』
『大変だったでしょ、アレを全部集めるの』
『まあ、それなりに』
『とりあえず、集めて使っちゃえばこっちのもんだし』
『ってことで、はい、これ』
何ですか、その珠。
こう言っちゃなんですが、ただの石ころにしか見えんのですが。
『これは"龍玉"』
『昔、アネッサさん一族を封印する時に使われた龍の秘宝だよ』
『解放するためにも使っちゃったから、力が満ちるまではこんな感じ』
おっと、龍の秘宝だったのですね、ディスっちゃってごめんなさい。
『レミュさんが、あちこちの竜の里に散らばっていたそれを集めて、封印を解いてくれたの』
『本当にありがとね』
もしかしてレミュさん、これを手に入れるために仲間の竜たちと闘ったり……
『まあ、それなりに』
『みんな歯応え無さ過ぎでびっくりだったけど』
『そんな感じで7つの"龍玉"を集めたら、"龍"のお偉いさんを呼び出して願いを叶えてもらうってわけ』
ちょっと待った。
どっかで聞いたことあるような……
『あれ、シジマさんも知ってたんだ』
『もしかして"龍玉"の通称の方かな』
『確か、ドラゴンボ……』
はい、ストップ。
それ以上は絶対に言っちゃダメ。
って、こっちに持ってきちゃったんですか、そんな大事な秘宝。
『持ってきたのは、これ1つだけ』
『それぞれの派閥の長に2つずつ渡して、もし揃えたいなら全力で奪い取りに来いって言ってきた』
『まあ、鍛錬不足でたるみ過ぎな長老たちと、経験も実力も足りてない若い子たちなら、どうとでもなるでしょ』
『私が預かっとく?』
『お願いします』
『アネッサさんなら、私よりも遥かに強いし』
どんだけ強いんですか、おふたりとも。
『うん、やっぱりシジマさんが持っていた方が良いかも』
『呼び出した龍のお偉いさん、シジマさんに興味津々だったよ』
マジか……