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うん、早とちりしてた。
俺たちはてっきり、
お母さんを亡くしたペルネさんが天涯孤独のひとり旅していたのかと……
「どうしましょう、シジマさん……」
ほんと、どうしましょう、ツェリアさん。
ちゃんと保護者が健在な子を、これ以上あちこち連れ回すわけにはいかんです。
それに、育児放棄か教育方針なのか、正直、俺には判断がつかんのですよ。
ルーリシェラさんは、どう思います?
「王都の託児施設やノミネスコ師範の元に居るよりは、シジマさんたちと暮らす方が……」
「……ペルネさんの意思を尊重する、というのは卑怯でしょうか」
俺もそう思いますが……
ぱたぱたぱた
『ペルネちゃん、お母さんに会いたい?』
「うん、会えるなら会いたいけど……」
『じゃあ、お母さんに会えるまで一緒に暮らしたい人は誰か、チミコお姉ちゃんに教えてっ』
『1番、ノミネスコさん』
『2番、ルーリシェラさん』
『3番、シジマさん』
『それでは、一緒に暮らしたいと思う人に、思いっきり抱きついてくださいっ』
ちょっとだけ、首を傾げたペルネさんが……
とことこ、たったった、ひゅん
げふぅ
「シジマパパのとこ!」
くぅ、
この涙は、みぞおちに全力ダッシュをキメられた痛み、ではなく……
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ルーリシェラさんが、巡回司法省としての正規の手続きを進めてくれましたよ。
ペルネさんは正式にシジマ家預かりとなりました。
養子とかではなく、あくまで保護者として、ですが。
ありがとうございます、ルーリシェラさん。
「ペルネさんには内緒ですが、母親であるジルマリエラさんは緊急"特務手配"となりました」
「これは、極一部の特務司法官にのみ伝えられる特令で、表立った指名手配などではありません」
「今回のような育児放棄との判別が難しいケースで発令される、可能な限り事を荒立てないようにと配慮された特別な手配です」
ジルマリエラさんは、逮捕されるのですか……
「厳しい詮議となるでしょう」
「子供たちが幸せに育つことを第一義とした、ツァイシャ女王自らが発案した特令なのです」
「私個人としては、今回のケースは……許せません」
……ペルネさんの将来を見据えた上での、巡回司法省の厳格な裁き、お願いします。




