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 若くして武術の極意に目覚め、


 その生涯を武の道に捧げた偉大なる武術家。


 晩年は巡回司法省の特別武術師範として、


 若手司法官の育成に心血を注いできた、最強にして最良の師範。



 ノミネスコ老師の魂に安らぎあれ……




「心の安らぎには、あの触り心地の良いふたつの柔らかさがイチバンじゃっ」

「ペルネちゃんではまだまだ役不足じゃのう」



「言ったなっ、じっちゃん」

「本気でイクからね!」




 ……武の道に生涯を捧げ、多くの弟子たちから拳神と慕われた老師は、


 今はもういないのです。



 目の前にいるのは、ふさふさ黒髪を伸ばし放題な細マッチョの若者。


 めっちゃ楽しそうにペルネさんと組み手しておられますよ。



 見た目はにいさん、口調はじいさん、中身はおっさん。


 ノミネスコ師範 (20代前半ver.)




 えーと、ルーリシェラさん。


 とりあえず経緯を教えてください。



「流石の老師も老いには勝てませんでした」

「惜しまれながらその生涯を終えようとしていた老師の枕元に、ひとりの若い女性が現れたそうです」

「"竜の使い"と名乗ったその女性が『エリクサー改』なる妙薬を、ベッドに伏したままの老師に口移しすると……」


 ……あんな風に若返っちゃった、と。



「若返った老師……師範は、すぐに目の前の女性を口説き始めたとか」

「『お祖母様の想い人が、こんなにも軽薄な男だったとは』と怒り心頭の女性は、師範をボコボコにして去っていったそうです……」



 何やらかしてるんですか、師範……



「今でも武術師範としてご指導を続けてくださってはおりますが、その、何と言いますか、ムラっ気が……」


 うん、見れば分かります、武術シロウトの俺でさえ。


 アレはまさに、ヒャッハー魂に目覚めちゃったやんちゃボーイそのもの。




「フィニッシュ!」



 さわさわ



「もー、じっちゃんのえっち!」



 ダメだ、あの元老師……




 ---




 いや、とてもじゃないけど、


 あのヒャッハー師範にはペルネさんを任せておけないですって。


 ってことで、早々に撤収しようとした俺たち。




「ジルマちゃん、元気しとったかの?」



「お母さん、すっごく元気!」

「故郷の村でデッカい盗賊団が暴れてるって聞いて、ワクワク顔で退治しに行ったよ」

「私がお父さんの生まれた国を見に行きたいって言ったら、修行ついでに行っといでって」



 おっと……



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