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賭け引きの果てに

お互いの気持ちが通じ合った中馬なかま乃美のみ

嬉しさのあまり酒は進み、夜は更けていきます。

付き合いたての男女が二人。

何も起きないはずはなく……?


どうぞお楽しみください。

「おい、大丈夫か?」

「らいじょぶらいじょぶ。にへー」

「全然駄目だろ……。仕方がない。お会計お願いします」

「う? 帰るのー? まだのむー」

「いくら何でも飲み過ぎだ。送って行ってやるから帰るぞ。家どこだ?」

「えー? 若知多わかちたー」

「んげ、送ってったら俺の終電がないな……」

「? いいじゃん、うちに泊まっていったらー」

「は? お前、何言って……」

「うち一人暮らしだし、気にしないでいいよー」

「いや、でもお前……。あ、お会計……、は!? ただ!? ご祝儀!? いや意味が……! タクシー代!? いや、助かりますけど……! あの、ちょ」




「とーちゃーく!」

「……き、来てしまった……」

「うひー。やっぱり我が家は落ち着くなー」

「い、いいのか俺!? 告白した初日にこんな……!」

「何してんのー? 早くあがんなよー」

「あ、あぁ……」

「てきとーに座ってー。水? お茶?」

「み、水で……」

「はーい」

「……何であいつ平気なんだよ……。慣れてるのか……?」

「はい水ー! どうぞー」

「あ、ありがと……」

「はぁ、おいし……」

「!」

「今日はさいこーの日だよー……」

「な、なぁ……」

「……んー……?」

「俺は入社当初はそうでもなかったんだけど……」

「……ん」

「一緒に仕事する中で、こう、お前の一生懸命さとかいいなって思って……」

「……」

「だから今日、お互い好きだってわかって凄く嬉しくて……!」

「……」

「そう思ったらお前の事が、何て言うか、こう、い、色っぽく見えて……!」

「……」

「つ、付き合った初日にこんな事言うのは、何か自分を抑えられないみたいで嫌なんだけど……!」

「……」

「……中馬なかま?」

「……」

「……おーい」

「……すぅ……、すぅ……」

「……男を部屋に招いて寝るか普通……?」

「……すぅ……、すぅ……」

「……ま、そんなところが好きなんだけどな……」




「はっ!? ご、ごめん! 寝てた!」

「……くぅ……、くぅ……」

乃美のみ……? あ、上着……。起こさないようにかけてくれたんだ……」

「……くぅ……。くぅ……」

「……ごめんね……。家にあげておいて寝ちゃうなんて……。その気になってくれてたのかもしれないのに……」

「……くぅ……。くぅ……」

「……してくれてもよかったんだけどなー……。うりうりー」

「……ぅんん……。くぅ……。くぅ……」

「……でも私の事大事にしてくれてるから、我慢してくれたんだよね、きっと……」

「……くぅ……。くぅ……」

「……ありがと。大好き」

読了ありがとうございます。


久々に会話だけでの作品にしてみました。

皆様の想像力を刺激する試みであり手抜きではない、いいね?


しかし私は現代恋愛を書くと、高確率で酒飲みヒロインが出来上がります。二つの意味で。

お酒にテンションが上がる女の子は可愛いからね。仕方ないね。


また何か甘々短編を書くかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

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