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第3話

 あれ……おかしいな、目から汗が滝の様に流れてるんだけど何故かな?


 アネットさんが同衾していいよってお許しが出たから、喜び勇んでアネットさんにお幾らですかと聞いただけなのに、アネットさん以外の女性からゴミを見る目で見られてるんだけど……正直な気持ちをトロすると……今の状況は針の筵状で居心地は最悪の極みですよ。


 魔法使いのおねーさんは、「私は魔術使いです」って憤慨するし魔法も魔術も同じではないのかな?そこまで怒る事なのかな?俺には解りません。さっきは笑ってたやん。掌を返すのが早すぎなんだけど……目が笑ってないよ。ガチですガチ。


 因みに《《魔術師》》のお姉さんの名前は、ロザリーさんと言うらしい。斥候のお姉さんの名前はシルヴィさんだそうだ。そして戦士のアネットさんを含めた三人でパーティーを組んでいるそうで、パーティー名はイリスと言うらしい、俺はパーティーのリーダーのアネッサさんにレベッカの経緯を話すと、どうにか冒険者として生活基盤を整える事は出来ないかと相談してみた。


「レベッカってのはアンタの事だよな、何か特技とかあるのかい」


「私は小さな時から狩人として暮らしてきました。弓の扱いにはなれてます」


「夜間でも弓を射ることは出来るのかレベッカ」


「夜間ですか……夜間に弓を射たことは無いです……何故ですか」


「私達のパーティーは、ダンジョンに潜るのを前提としてメンバーを集めているんだよ。だからダンジョンの中は暗く狭いんだ。そこで役に立てないのなら残念だが諦めて貰うほかないんだよ。すまないね」


 これからレベッカを育てるのは駄目なのかアネットさん。


「それも考えたんだがね。私達はあと二つランクを上げればダンジョンに潜れるんだ。それは分かるよね。今からレベッカさんが冒険者になってランク上げをしたとして、私達がダンジョンに潜れるギリギリで第4級冒険者の金になってないと一緒にダンジョンには潜れない。パーティーなら第3級冒険者の銀級の二つしたのランクまでは一緒に潜ることが可能なんだが、だから、急いで私達の居る場所まで上がってこれるならパーティーに参加してもいいよ」


 アネットの言い分は一見して無茶振りに感じるが、それをしないとレベッカは冒険者として、ソロで街道を巡回しながら狩りをする事になるって事だろう。元々は三人でダンジョンに潜る予定だったのを俺が無理してレベッカを捻じ込むのだから、その位の無茶を覚悟でないとパーティーの参加を諦めてほしいと案に言っているのだ。


 俺もレベッカの為に一肌脱ぐ事にしますかね。


「私、弓しか自信がないけど頑張ります。だから、見捨てないで下さい」


「よく言った。根性がない奴はお断りだったが、あんたは根性がありそうだね期待してるよ新人ちゃん」


 話も纏まったので俺は町に入る事にしたのだが、ここで問題が発生してしまう。俺とレベッカは身分証が無い為か、身分証を呈示して町に入るより倍の値段が掛かってしまったのだ。レベッカはお金の持ち合わせがない為に、全額を俺の今日の売り上げから支払る事になったのだよ。とほほほ。


 二人で大銀貨二枚も取られてしまい、宿屋代と冒険者登録費用を計算しても残りが金貨一枚しか残らなかった。宿代が一泊銀貨二枚(素泊り)で登録費用は大銀貨二枚も掛かってしまった。何故か俺も冒険者に登録する事になったのが解せぬ!


 いや、俺の場合ならば、商業ギルドの登録だけだろ、おかしいだろう? why? 

 アネットさんの話では、冒険者登録して国の中を旅して回るには冒険者は優遇されているとの事なので、丸々の大損と言う訳でもなさそうだ。因みに商人ギルドの登録だけだと冒険者が町に入る入場料の倍は払わないと駄目だそうだ。何処でも世知辛い世の中だよね……政治家しね権力者しね……


 冒険者ギルドと言うと、お約束の新人潰しのイベントもあったぜ。


 アネットさんのパーティーと仲の悪いパーティーに絡まれてしまったんだが、俺は別に何とも思ってませんよ。


 



*

 冒険者ギルドで俺とレベッカが登録をしてると、背後から四人組のお姉さんの集団に俺だけが拉致されてしまい、女性三人に取り囲まれて揉みくちゃにされちゃいました。(汚されちゃった……パンツの中に手を入れるのは反則です。此処ではダメなので宿屋でしましょう)


「またあんたかいアレクサンドラ、うちのパーティーにちょっかい掛けないって約束はどうしたんだい。約束も守れないなら……その時は決闘だって言ったよね」


「このおじさんは、アネットのパーティーの新人さんかい?こんな歳で冒険者とか笑わせてくれるね。だから私達が冒険者の厳しさを教えてやってんのさ」


「そのおじさんは、パーティーメンバーではないが私達の客人だよ。そろそろ離してもらおうか。もしも嫌と言うなら覚悟を決めなアレクサンドラ」


「そうなんだね。お客人か……私にも味見させておくれよアネット」


 OKっすよお姉さん。


「「「「OK?」」」」


「異国の御仁なのかね。意味は良くわからなかったが、今日は此処までにしといてあげるよアネット、私の本命はあんただって知ってるだろ。だから、今度時間を作っておくれよ」


 断る!


「おっさんは黙ってな」


 すまぬ……


 アレクサンドラって女性はアネットに気があるみたいだな。それでちょっかいをかけて気を引こうとしているのだろう。だが、愚策だな。何故ならば俺がアネットさんを……んっ、アレクサンドラの仲間から解放されたのに、まだ俺のお尻に違和感があるのだが何故だ……


 俺は後ろに振り向くと、どさくさに紛れて俺の尻を揉みしだいていた人物が居た。それも女性ではない。俺はすかさず飛びのくと、その人物に向けてファイティングポーズを取っていた。


「あらぁーん、可愛い子猫ちゃんが逃げちゃったわ。残念だわ」


 顔も汚いが、声も汚いよ。


 俺の尻に欲情していた人物は、明らかにそっち系の系統であり、服装も身体つきも見た目通りのホッ……ゲフン……そっち系だった。


「ギルドマスター何をしてるんですか」


「アネットちゃん、お久しぶりじゃないの。お姉さん寂しかったのよ。ちょくちょく顔をギルドに出してよね」


「私は毎日ギルドに来てますよ」


「ノンノン、私の部屋にってことよ。そしたら、女なんって消し炭にしてやるんだからね」


 おい、このおっさんは、今さらりと怖い発言をしたぞ。やばすぎやろ。


 「キミは新人君なのかな。見かけない顔だからそうよね?それとも放浪冒険者なわけ」


「ギルドマスター、この人は私の客人です。迷惑を掛けないで頂きたいですね」


「ふん、メスガキが粋がって生意気ね。本当にあなた達二人とも消し炭にしたいわ」


 俺は商人だが冒険者ギルドの登録の方が、町の入場料が安くなると聞いて登録に来ただけなんだがね。そしたら、そこのお姉さん四人組に絡まれて迷惑……《《はしてないが》》、ギルドマスターの行動に苦言を呈したいね」


「まぁー冒険者登録しにきてくれたのね。ありがとう。サービスはして貰ったかな?私が第4級冒険者の銀にしてあげようか」


「「そんな不正をするのか。納得いく説明を求める」」


 アネットとアレクサンドラの発言は息があっており、はもっていた。


「ふん、冗談よ、冗談。これだから女って嫌だわ。直ぐに嫉妬しちゃうんだから。もう冗談も通じないとか世も末だわ」


 おめぇーの存在が世の末だよ(小声)


「んっ、何か言った子猫ちゃん?」


 俺は無言で首を左右に振って沈黙を保って、この険悪な場で空気になる努力をした。


 俺は空気、俺は置物、俺はシャンデリア、俺はアネットのパンティ、俺は……



 

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