表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

カレの汗ばんだポケットティッシュが欲しい

作者: 黒楓

私は病んでいる。


きっと

多分

おそらく

ひょっとして



可愛い?少女の頃なら“恋の病”


JDくらいならまだ“恋煩い”?


けれども

今じゃ


“オトコ日照り”が嵩じての色狂い??


でもね!

でもね!


この胸は

カレを思い出すと

切なくもトクトク鳴ってしまうの…



初めてカレを見かけたのは…木枯らしにコートの襟を立てる頃…


駅のコンコースへ続くアーケードでヘアサロンのティッショを配っていた。


ネイビーのジャンバーに白のマフラー、アッシュグレーのツンツンとしたマッシュショート。

切れ長の目で、人の事をちょっと斜に見て、ふいっとティッショを渡された。


カレから渡されたティッシュのヘアサロンへ行って見たけど…


店に掲示されているスタッフ紹介の中にはカレの写真が無かったから…


きっとアシスタントでもない…見習いアルバイトなんだわ。


店の中をガラス越しに見ると…レジにカレが居た。


もちろん声は聞こえないけど…

にこやかに話しかけるお客に対して

.ちょっとツンデレで

ツンツンしたマッシュショートの髪をスイっと掻き上げた。


それが可愛くて


男の子なのに白く繊細そうな指にも

激しく萌えるの!!


いずれあの指で…


女性の髪に触り

カットするのね!!


きっと口では小生意気な事を言って

でも指は繊細に…


ああ!!


あの指でシャンプーとか()()()()!!……


私、これを…うっかりお風呂の最中に考えてしまって


もう切なくて…


色々()()しまった…


お風呂の中だったから…

綺麗にして出たけど…


独り身で付けっぱなしテレビのニュースが


7時から9時に代わっていた。



そうだ!

あの時

レジに居たお客も

“あの子”狙いなんだ!


見習いの頃からの“ご贔屓”を狙っているに違いない!!


しまった!!

出遅れた!!!



早速、次の日お店へ行ったけれど

カレの姿はどこにもなく…


次の日も


その次の日も


そのまた次の日も…


毎日通ったけど…


そのサロンにカレは居なかった。


そして駅のコンコースへ続くアーケードのティッシュ配りの定位置でも

カレの姿を見る事は無くなった。


この“結末”に…

自分自身が信じられないくらいの事なのだけど…

私、JK時代に勇気を振り絞って初告白し、あえなく玉砕した時より落ち込んだ。



夜な夜な夜な夜な夜な夜な


切なく切なく切なく切なく


お風呂は毎日2時間越え。


こうしてクタクタになるまで()なければ


納まりが付かなかった。



季節がいくつか過ぎ…


今は日差しがガンガン照り付けて、アーケードでは暑さ対策のミストシャワーを発生させている。

そのふわふわモクモクのミストシャワーの向こうのティッシュ配りの定位置に…


アッシュグレーのマッシュショートの頭が見えた!!!

以前よりも少し長めで…ツイストパーマが掛かっていたけど…

間違いなくカレだ!!


真夏なのに凍り付いていた私の胸は一気にヒートアップ!!!


もうどうしようもなく

カレじゃなきゃダメなんだ!!!

カレの名前さえ知らないのに…


Tシャツ1枚の私、わざと胸のふくらみ辺りで手を拭って


ミストシャワーをくぐり、カレを目指す。


ますは…



『カレの汗ばんだポケットティッシュが欲しい!!』


この後の“私”は…


やっぱ猪突猛進なんだろうなあ(^^;)



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ