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最愛なる殺人鬼さまへ  作者: 有氏ゆず
第一話 殺人鬼との出逢い
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1-6





どれくらい走り続けただろうか。

ぼーっとしている中、いきなり足を止められたので思わず舌を噛みそうになった。


「……ばか。止まるなら、言って」

「我儘言うな。助けてやっただろ。……で、飯は?」

「食べさせてあげるけど、ちょっと待って欲しいの」

「あァ?騙したのか?」

「騙してない。でもお金を作りたいから、ちょっと待ってて」

「……逃げンなよ」

「あなたの足からはどう考えても逃げられないから安心して」


ちょうどいい所にあったジュエリー買取ショップに家から持ち出した宝石を売る。査定して貰うと思った以上の金額で売れた。……うん。これだけあればわたしが死ぬまでは大丈夫そう。





「……お待たせ」

「遅ェ。何してたんだ」

「宝石をお金にしてたの。わたし、子供だしまともなお店では売れなかったから……」


わたしの「子供」という単語に反応したらしい。

男は頭から爪先まで私をジロジロと見て、言った。


「ふぅん。テメェ、幾つだ」

「11歳。寿命は12歳だよ」

「……一年で死ぬのか」








「一年……。ううん。後、一ヶ月で誕生日なの」







そう。本当にわたしの猶予は無かった。

自分の身体のことは、自分が良く分かっている。

わたしは後、一ヶ月で死ぬ。理解している。


「だから死ぬ前に好きなことやりたかった。ずっと軟禁されたまま死ぬなんて、御免だもの」

「そうかよ」


男は興味無さそうに視線を逸らした。

あまり聞かないでくれて有難い。……詳しく話したいようなことでも無いから。




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