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最愛なる殺人鬼さまへ  作者: 有氏ゆず
第五話 殺人鬼の贈り物
34/83

5-7





「……ばァか」


黎一郎はようやく言葉を発したかと思うとため息をひとつついて、私の頭に何か乗せた。


「え、何これ……?」


見ようと首を動かすと、それが頭から落ちてくる。……それは、小さな箱だった。


「開けろ」

「う、うん……」


一体、彼はどういうつもりなのだろうか。黎一郎の意図が読めない。どうして彼がこんなものを持っているのか、私には分からなかった。

戸惑いながらも私は箱のラッピングを解く。





「……!」


箱を開けて、私は思わず言葉を失った。

そこに入っていたのは、アイスブルーの色をした、リボンだった。


「ど、どうしたの、これ……」

「やる」

「え、私に……?」

「俺ァお前以外に贈り物をするような奴はいねェ」

「贈り物……!?」


まさかこの前言ったことを本気にしたのだろうか。気が向いたから買ってくれた、とでも言うのだろうか。


「少し早い誕生日プレゼントってことに、しておけェ」


私は相当変な顔をしていたのだろうか、フォローするように彼が言った。




「これを、買いに行ってたの……?」

「何が喜ぶのか分からなかった。ただ、お前の瞳の色を思い出して、これが似合うなって思っただけだ」

「私の、ために……?」

「……ンだよ。気に入らないなら捨てても……」

「ううん。嬉しいの。本当に嬉しい。私、サプライズなんて初めて」


……だめ。また泣いちゃいそう。今度はさっきと違って嬉し涙だけど。

きっと、そんなに高いものじゃないと思う。だって、ただのリボンだもの。

でも黎一郎って変なところ真面目だから、これを選ぶだけで、すっごく悩んでくれたんだと思う。


そんな、彼の気持ちが優しくて。嬉しくて。





「……泣いちゃっても、良い……?」

「はァ!?たかがリボンだろ!?」


「たかが」じゃない。確かに私は今までお父様に、物凄く高いであろうプレゼントを沢山送って貰った。でも、そんなに嬉しくなかった。

そんなプレゼントよりも外に出して欲しかったし、自由にさせて欲しかった。

それに、お父様やお母様に直接お祝いされたかった。


でも、黎一郎は私と向き合ってくれて、私に似合うだろうプレゼントを一所懸命悩んでくれて……想いの大きさが違い過ぎるもの。


「今まで貰ったどんな贈り物よりも嬉しい。ありがとう、黎一郎」


私は素直にそう告げると、照れ隠しなのか黎一郎はぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた。




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