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騎神伝  作者: 一一【ニノマエ ハジメ】
試練
53/56

進撃の巨人2

 一ヶ月ちょっと前、家出したあたしはダンス仲間の家を転々としてた。

 

 大体みんな実家暮らしで、親とか兄弟とか居てなんとなく遠慮とかして正直居心地悪かったんだけど、なぎさは唯一一人暮らししてて「ウチ来る?」って言ってくれたからすぐに転がり込んだ。

 なぎさは人一倍淋しがり屋でちょっとメンヘラなとこがあったからその監視って意味もあったけど、なぎさと居て楽しかったしずっとこのままでも良いかなって思ってた。

 

 でも…問題はその時付き合ってたなぎさの彼氏……そう、今目の前にいる進次郎このオトコだ!

 

 元々メンヘラ気味のなぎさだから彼氏に依存するタイプなのは分かってた。

 実際この男は一度なぎさを妊娠させたにも関わらず『今はまだ早いから』とか適当なこと言って「産みたい」って言うなぎさの意志に関係なく無理矢理堕ろさせた挙句、明らかに浮気してんのに『政治家の爺さんの手伝いで仕方なかった』とか言って最後には『じゃぁ別れよう』って、なぎさが自分に依存してんの分かっててそんなこと言うような最低な男だ。

 

 そして最後には……あたしを犯そうとした。

 

 なぎさがバイトに行ってる間に合鍵使って数人の男を連れて部屋に入ってきたコイツは、抵抗できないようにあたしを縛り上げてから弄び始めた。

 いやらしい手付きでカラダ触ってくる奴、痛いぐらい強く揉む奴、服を破って興奮する奴、そんな目にあってるあたしをカメラで撮りながら興奮してる奴もいた。

 怖くて声も出せないあたしに男たちはイヤらしい顔で笑いながら自分のベルトに手をかけ始める。

 

『犯される』って思ったその時!

 

「「目覚めよ!」」今思うとあの声って氷の女神様の声だったんだよね!

「「彩名美樹!覚醒の時が来た。チカラを授ける。『氷』『虎』『鞭』戦え!」」そしたら部屋中が凍りついて、目の前に白い虎がいた…その虎はあたしと一度目を合わせるとすぐに男たちの方を見てからゆっくりと右左に歩きながら男たちを睨みつけた。

 ビビってる強姦魔たちに向かって一回吠えた瞬間、男たちは一目散に逃げてった。

 

 その後はたぶん他の騎神と同じ、白い虎があたしの中に入って騎神になった。怖くなってそのままなぎさの部屋から飛び出して……その後すぐカムカムたちと会って…今って感じ……

 

 

 

 ーー3 氷の刃 ーー

 

「なんで……何であんたが騎神になってるワケ!?」騎神化した進次郎に怒鳴り声をあげる美樹、それに対し進次郎はいやらしく微笑み口を開く。

「会いたかったぜ〜美樹ちゃん!

 あの時ヤレなかったお前を力でガッツリ堕として思い知らせてやるよ!!

 どっちが上で、どっちが下かをな!!!」能力を解放した進次郎は周囲の水分を凍結させ建造物や床に氷を張りニヤリと笑う。


「奥義・斬雪ざんせつ」次の瞬間周囲に張り付いた氷が薄い氷の鱗のような形状で次々と剥がれ、それが進次郎の指示で一斉に舞い上がり美樹に襲いかかる。

 美樹に迫る氷の破片は一枚一枚が研ぎ澄まされた刃のように鋭く形状変化し、氷の刃の群れが美樹を呑み込もうとする。

「あんたバカ!?自分と同じ氷の騎神相手に奥義とか…意味無いに決まってんじゃん!」美樹は鞭を振るって氷の刃の群れをまとめて凍らせ一つの氷の塊に変えた。

 

()()()読み易い!」進次郎は美樹が斬雪の対処をしている隙に背後に周りこみ鎖で美樹を拘束、自由を奪うと一気に押し倒し武器を奪ってからのけぞる美樹に覆い被さるようにカラダを密着させる。

「チョロッ!」進次郎は美樹のカラダを弄りながら顔を寄せ耳元で囁く。

「実際どうなの?本当はこうされたかったんじゃないの?男を誘うようなカラダしてさ!騎神化して益々エロい格好して…誘ってんだろ〜素直になれよ〜」いやらしく囁く進次郎の気色の悪い声に激しい拒絶反応を示し、頭の先から爪先まで虫唾が走り身の毛もよだつ思いだった。

 恐怖と嫌悪感で身体を震わせる美樹…その姿に欲情した進次郎は興奮で息を荒げ、血管が怒張し理性が吹き飛ぶ。

 奇声のような笑い声をあげながら美樹に対し何度も手をあげる進次郎

 

 元々猟奇的な性癖を持つ進次郎にとって怯える表情や恐怖に震えるなどの反応は逆効果であり、その反応に益々興奮していき美樹に対する暴力も激しさを増していく

 

 理不尽な暴力に晒され呻き声を挙げる美樹

「助けて……誰か…………」美樹の小さな小さな囁きに、獣のような咆哮が応えた。

 次の瞬間、建物の崩れる音と鈍い風切り音と共に周囲のイベントブースが吹き飛んだ。

 

 

 

 ーー4 獣の声 ーー


 ・数分前

 4人の騎神の同時攻撃によって吹き飛ばされるカムイ、宙を舞う巨体がブースの展示物を破壊する。破片の中から立ち上がるカムイに隙を与えず襲いかかる騎神たち

 この波状攻撃にカムイは防戦一方ながらも一歩も引くことなく立ち向かうも、ジリジリと追い込まれ会場の分厚いコンクリートの壁に接する。

 騎神たちは距離を取り一斉に遠距離攻撃を放ち数の暴力でカムイを追い詰める。

 分厚いコンクリートの壁を背に次々と迫る騎神たちの攻撃を受け止め続けるカムイに反撃の余地は無く、そんなカムイを嘲笑いながら騎神たちは必殺技を放つ。

 次々と繰り出される高威力の必殺技の応酬を大斧と身体一つで受け止めるカムイ

 歯を食いしばり必死に耐えるが、そんなカムイより先に背後の壁が限界をむかえた。

 

 

 最後の騎神の必殺技がカムイの大斧に叩きつけられた衝撃で背後の分厚いコンクリート壁を破壊、高い壁に亀裂がうまれ崩れ落ちてくる瓦礫がカムイに振り注いだ。

 その様子を笑いながら眺める騎神たちは生き埋めになったカムイを放置

 離れた場所で進次郎に拘束された状態でいたぶられる美樹を見つけると鼻の下を伸ばし行為に参加しようと4人は進次郎のもとへ向かう。

 攻撃が止んだことで静まり返る会場内に聞こえてくるのは進次郎が美樹を叩く音とそれに呻く美樹の声のみとなった……その声にアテム族の本能が呼び起こされる。

 

 瓦礫の中からこだまする怒りの咆哮

 

 次の瞬間、轟音と共に会場の一部が崩落し土煙が上がる中、巨影が現れる。

 それは2m程度のカムイの身体を現すモノではなく、会場の中心に建てられた大型モニュメントを凌駕するほどの巨大な影

 

 その巨大さに呆気に取られる騎神たち…徐々に崩落していく会場、降り注ぐ瓦礫の中その巨影が動き出す。

 巨影は持っている武器を懐深く引き寄せるとそのまま横へ一直線に振り抜いた。

 

 その一閃は人知を超えた巨大な鉄の刃!

 刃が通った軌道にあった物は跡形も無く消し飛び、その軌道上に居た4人の騎神は何がおきたのかわからないまま4つのオーブとなり、巨影の足下に吸い込まれていく。

 4つのオーブがカムイに吸収され、徐々に晴れていく視界の先、カムイの後ろに聳えるのはカムイの父ユビルの姿を模した巨人

 

「奥義・鉄巨人てっきょじん」カムイの動きに合わせ動く鉄の巨人。

 今にも高い天井を突き破りそうなほどの巨体が、その巨躯と同様のサイズの斧を持って動く姿を見て進次郎は腰を抜かす。

 

 そしてカムイの目が進次郎の横で拘束され涙を流す美樹を捉えると、カムイの瞳がゆっくりと進次郎に向く。

 カムイの眼を見た進次郎は恐怖のあまり身体が震え動けない

 

 女をいたぶる男に対し、アテム族の男に慈悲は無い……

 

 無言で斧を振り上げるカムイ

 カムイの動きに合わせ巨人の剛腕が会場の天井を貫いた。

 その様子は外に避難した人々も目の当たりにすることとなり、突然会場の屋根を突き破った人知を超えたサイズの鉄の塊にその場は騒然とし、翼や海などのカムイを知る者たちは頭を抱えた。

 その様子は次の講演会に向かう代議士の公用車からも見え、その光景に大代大作は戦慄する。

 

 

 そして、振り上げられたモノはいつかは落ちる。

 

 会場の屋根を突き破った剛腕に握られた斧が会場の屋根を破壊しながら振り下ろされる。

 天井を破壊しながら進次郎向け真っ直ぐ迫る巨大な鉄の刃、破壊した天井の瓦礫が降り注ぐ中いち早く倒れる大型モニュメントが美樹目掛けて倒れこむ。

 迫り来る大型モニュメントに恐怖し美樹は気を失うが、奇跡的にキャラクターのポーズの隙間に入ったため降り注ぐ瓦礫の山から美樹を守る傘となった。

 

 

 対して進次郎は目の前に迫る確実な『死』に色々なモノを漏らしながら叫ぶ。

「待て!俺は、エリートで、大物代議士の孫で、上級国民なんだよぉーーー!!!」叫びも虚しく進次郎は巨大な刃に呑まれた。

 会場に穿たれた鉄の刃の衝撃は会場全体を揺るがし全ての支柱を破壊、崩壊する建物を前に避難した人々はただただ呆然と立ち尽くすのだった。

 

 

 

 ーー5 奔走 ーー

 

 先程まで自分達が居た建物が一瞬のうちに崩壊し巨大な瓦礫の山へと変わった衝撃に茫然自失となる人々

 人々をかき分け瓦礫の山へ一人向かおうとする翼を諌める橘と石動

「翼様おやめください。危険です!」カムイと美樹の安否を心配するあまり二人の静止が耳に入らない翼は譫言のようにカムイと美樹の名前を呟きながら前進を止めない。

 

 そこへ全スタッフの避難を確認した海が報告に現れる。

「全スタッフ・来客に怪我人無し。

 会場入口の警備員の話しじゃ来客の一人が数人の部外者を招き入れたらしい!恐らくそいつらが騎神だったんだと思います。」現状報告をしつつ狼狽する翼を一瞬見るも、海は冷静且つ淡々と仕事をこなす。

「石動さん、全員分の移送車両の手配と救援物資の要請、あと結構精神的にキてる人もいたから念の為に病院の方も頼みます。

 橘さん、カムイと彩名を掘り返す。重機の手配をお願いします。」橘と石動に後事を頼み海は一人瓦礫の山へ向かう。

 

 頼もしい海の姿に落ち着きを取り戻す翼

「橘さん、もう大丈夫です……そうですよね。瓦礫に埋まってるんだから掘り返さないとですよね!」「ええ!」橘はスマホを取り出し指示をしながら海の背中を見て少し笑うのだった。

 

 

 

 瓦礫の山の前まで来た海は騎神化、水圧で飛び上がり瓦礫の山の天辺に一気に登り立つ。

「カムイ!彩名!!無事か!?掘り返してやるから返事しろ!!」海の声に少し離れた場所の瓦礫が少し動く。それを見て海がそこへ向かおうとした次の瞬間!山が大きく揺れ始め、瓦礫を突き破って巨大な鉄の拳が瓦礫の中から飛び出した。

 そのせいで雪崩を起こす瓦礫の群れに足場を取られ転げ落ちる海

 腰を押さえながら起き上がる海が山の天辺から突き出た拳を見上げるとその拳がゆっくりと開き、そこに気を失った美樹が見えた。

「橘さん!カムイと美樹の無事を確認

 あと俺も腰打ったから担架を頼む。」スマホで橘に報告を終えると海はその場に寝転びため息を吐き「ハ〜ッ!!キッツ!」

 

 

 数分後、重機と救助隊が到着しカムイの掘削作業が行われ、二人とも目立った外傷も無く無事だった。しかし海は思いの外強く腰を打ったようで、しばらくの間腰痛に悩まされた。

 

 

 

 ・翼邸 書斎喫煙室

 

 闘気は翼から許可を得て書斎に籠り調べ物をしていた。しかしこの日見ていたのは書斎に保管されている書籍ではなく、橘の用意した大量の名簿とそれに伴う情報を保管した情報端末…その二つから得られる情報を頭に叩き込み答えを出す闘気

 

 そこへ翼たちが帰宅し橘が書斎を訪れる。

「いかがでした?」橘の問いに対し闘気は一瞬目を合わせた後一言

畠山厳春はたけやまげんしゅん!奴には気を付けろ」闘気の忠告に対し橘は真剣な表情で頷く。

「やはり……」

 

 

 

  

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