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騎神伝  作者: 一一【ニノマエ ハジメ】
試練
33/56

炎のチャレンジャー3

 リング上で生き絶える騎神と、それを見下ろす騎神、息も絶え絶えに上げる勝鬨が激しい対戦の決着を告げる。


 勝利した騎神は炎に包まれると同時に別の場所へ移され、残された死体は業火に焼かれ黒い焦げ跡だけを残し焼失した。

 この世界ではこれまでと違い、倒された騎神はオーブにはならず、ただの死体として焼却処理される。


 対戦を終えたリングには戦いの残り火と焦げついた肉片、敗者の焦げ跡も散見できる。

 リング上のタイルも至る所がヒビ破れ、破損し陥没している所もある。


 そしてまた、火の神の号令がこだまする。

「さぁ、次の対戦を始めるよ!!!」祝融の一声と共にリングに二つの火柱が上がり次の騎神が現れる。


【火鮫銃】の騎神 一条朱音

 VS

【火虎鉄球】の騎神 松倉嗣郎まつくらしろう

 松倉は痩せ細った体にブリーフ一枚、体の至る所に彫られたタトゥーと注射痕、目は焦点が合っておらず、ほとんどの歯が抜け落ちた半開きの口からは涎が垂れている典型的な薬物中毒者だった。


 


 ーー4 朱音の正義 ーー


「さぁ、次はあんた達だ!あたしを楽しませておくれ!!!」祝融の対戦開始の号令に二人は騎神化し対峙する。


 銃床を肩にあてがい鋭い眼光で銃口の先にいる松倉を睨みつける朱音…朱音は松倉を知っていた。

 しかしそれは騎神犯罪の容疑者リストではなく、騎神とは関係ない別件のものだった。


 


 松倉嗣郎、この男の犯罪歴は違法薬物の所持・売買に始まり恐喝・傷害・窃盗など多岐にわたるが、その内訳は強制わいせつやレイプといった性犯罪が多くを占めている。


 何故ここまで詳しく記憶しているかというと、松倉嗣郎の経歴は私の思い出したくない過去を思い出させるから……


 三年前、当時13歳だった私の妹はレイプ集団に襲われ、妹は女性としての機能を失った!


 その後、妹は精神的ショックから自殺を図る。なんとか一命は取り留めたものの、身体の傷と違い心の傷が癒えることは無く、それ以来妹は心を閉ざしてしまった…


 裁判では未成年による犯行ということで、実名報道はされず、刑罰も罰金刑と少年院への僅かな服役だけだった。


 当時の同僚から聞いた話だと、この集団の一人に大物代議士の息子がいたらしい……恐らく金と権力で有耶無耶にして全てを無かったことにする気だったのだろう。

 現にしばらく経った頃その息子と思われる少年Aが麻薬取締法違反で検挙された。


 この頃からだ……

 犯罪者に対し甘いこの国の法律では検挙してもすぐに解放され、妹のような被害者が増えるだけ…

 だったら検挙なんてしなくていい…

 駆除する方が世の中のためになる……そう、考えるようになったのは、、、


 それを機に私はSATへの転属を決めた。


 怒りと憎しみの気持ちだけでSATの厳しい戦闘訓練を乗り越え、そして私の中で犯罪者というモノの見方が変わった。

 刑事時代のように検挙し更生させて先の人生を導く者では無く、誰かの大切なモノを奪う害虫と同じ()として考えるようになった……害虫は駆除しなくては………


 だから私は銃を取る。

 また誰かの大切なモノが奪われないように……


 火の神祝融、ありがとうございます。

 おかげでまた、害虫を始末することができる。


 


 ライフルを構える朱音はすぐさま松倉の頭目掛け数発発泡、松倉は鉄球を顔前に構え防御し弾倉交換の隙をついて鉄球を投げつける。

 迫る鉄球を避ける朱音だったが、松倉は鉄球と持ち手を繋ぐ鎖を巧みに操り、鞭の要領で朱音のライフルを弾き飛ばす。

 武器を手放した朱音に襲いかかる松倉、朱音に抱きつき押し倒す。

「へへへっおねーちゃんいい身体してるね〜、おじさん興奮しちゃったよ!」朱音の耳元でいやらしく呟く松倉、朱音の身体をやらしい手付きで弄りながら股間を朱音の太ももに押し当てる。

 松倉の行動に虫唾が走る朱音は舌打ちして抵抗する。

「無駄無駄!俺こういうの慣れてるから!もう我慢できないからここでまな板ショー始めちゃうね!」松倉は朱音の両手首を掴みリングに押しつけ自由を奪うと朱音に跨り行為に及ぼうとする。


 自由を奪われ公衆の面前で今まさに犯されそうな状況の中、朱音は冷静に状況を判断し、冷めた目で松倉を見る。

「何だよ!もっと悲鳴聞かせてくれよ!そんな目で見られたら萎えちゃうじゃん」肩透かしな朱音のリアクションに不満を漏らす松倉

 それに対し朱音は冷めた表情で一言「かわいそうな男……でも仕方ないよね、こうでもしなきゃ女抱けないもんね!」股下に居る朱音の見下した態度に松倉は腹を立てる。

「何だと?お前今の状況わかってる?…」こめかみに血管を浮き立たせながら朱音に迫る松倉に朱音は一言


「脚!忘れてるよ!!」朱音は松倉の首に長い脚を絡ませ締め上げる。同時にその勢いで朱音の両手首を拘束していた手が離れたので、ついでに松倉の目に人差し指を突っ込み片目を潰し松倉を解放する。

 松倉が痛みで悶絶している間に朱音はライフルを拾い上げゆっくり弾倉を交換する。

 だが朱音は必殺の弾丸を銃身に込めるでも、銃口を松倉に向けるでもなくライフルを抱えた状態で松倉をただ待っていた。


 そのうち「このクソアマーーーーーーーっ!!!」と、松倉が怒りに任せて朱音に襲いかかってきた。

 迫る松倉に対し朱音はライフルを天高く投げ飛ばした。


 その行動に思わず会場中がどよめき、祝融も玉座から前のめりになる。


 怒りに任せ向かってくる松倉に対し、朱音は一本背負いでリングに叩きつけると、流れるような動きで関節を取り松倉を取り押さえ、今度は朱音が松倉に跨り自由を奪う。

 必死に抵抗する松倉に冷静に対処する朱音

 すると、先ほど投げ飛ばしたライフルが銃剣を下にした状態で落下してくる。


 それを見て祝融はその先を予想し声を出して笑う。


 落下した銃剣は松倉の股間を貫いた。

 その瞬間、闘技場中の男達が自分の股間を押さえ顔を顰める。


 断末魔を上げる松倉に朱音は拘束を解き、叫ぶ松倉の口にヒールを突っ込み踏みつけ顎の骨を砕くと、股間に刺さったライフルを手に取り松倉の一部を乱暴に切り取るように力任せに動かし、骨を砕かれ閉じなくなった口に向かって振り抜いた。

 すると飛んできた肉塊が松倉の口を塞ぐ。

 次の瞬間、血まみれの銃口が松倉に向けられた。


「テメェでしゃぶってな!!」朱音は捨て台詞と共に引き金を引いた。


 松倉の頭は粉々に吹き飛び、身体と飛び散った肉片は業火に焼かれ焼失した。

 祝融へ向け朱音がライフルを掲げて勝利宣言すると炎に包まれ別の場所へ移動した。


 


「はっ!なかなかやるやん!あのねーちゃん!!これはオモロい事なりそーやで……なぁ竜馬くん!」「んぐ?」隆之介が竜馬の方を見ると、竜馬はフランクフルトを食べていた。

「…竜馬くん、よう今の観てそんなモン食えんな!」

 

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