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騎神伝  作者: 一一【ニノマエ ハジメ】
出会い
27/56

ボディーガード2

 5月19日 明日ホーちゃんがりょうちん(竜馬)ニコ中(闘気)(ニコチン中毒から)を呼んで会議するって、カムカムも来るって言ってた! アガる〜

 

 なんのお話しすんのかわかんないけど〜?

 でもテラスで美味しいご飯食べながら話そうって言ってたからきっと楽しいお食事会って感じだよね!!きっと・・・

 

 でもニコ中がな〜あいつタバコ臭いんだよね〜〜〜マジでサゲだわ・・・

 

 

 

 ーー4 不信感 ーー

 5月20日 翼邸庭園

 

 新緑に彩られた木々に囲まれ季節の草花に彩られた庭園を5月の穏やかな風が吹き抜ける正午

 テラスに準備された大きなテーブルに次々と料理を運ぶメイドたち、その中に美樹はいた。当初はメイド服も「カワイイけど動きにくい」と文句ばかりだったが一週間も経つと慣れたようで歩く姿も様になっていた。

 

 それとは逆に落ち着かない様子で警備班のSP達と打ち合わせを行う海

 そこに古巣のSPである石動保いするぎたもつ(46)が声をかける。

「余計なことは考えるな!他のことは俺達がやる、お前は自分の仕事に集中しろ。

 素人のお前と違い俺たちはプロだ。お膳立ては任せてお前はできることをやれ!いいな!!」石動の頼もしい言葉に海は「よろしくお願いします。」と深く頭を下げた。

 

 

 先日のことで海は闘気を警戒していた。

 容赦無い翼への攻撃と必殺の串刺し公(ヴラド・ツェペシュ)、竜馬の介入がなければ翼はあの時死んでいた。

 翼のボディーガードでありながら不甲斐ない結果を出した自分自身を責めた海は自分一人でできる事への限界に気付き、橘へ相談して警備班の訓練を受けたのだった。

 そのおかげで当初険悪だった翼邸のSP達との関係は大きく改善された。中でも石動は警備班の厳しい訓練に必死に喰らいつく海の姿に感化される形で海を組織的な警備計画の一部に組み込むことに決めたのである。

 

「お客が来たようだ、全員配置につけ!」石動の指示でそれぞれの配置へ向かうSP達、緊張した様子で慣れないイヤホンジャックを取り付け翼の元へ向かう海の背中を強めに叩く石動

「頼んだぞ・・・」

「・・・はいっ!」翼の元へ向かう海の背中を感慨深げに見送った石動は他のSP達に指示を出しながら配置へ向かう。

 

 

 

 翼邸前に停車した高級車から竜馬と闘気が現れる。

 竜馬は背伸びしながら楽しそうに邸へ向かうが、闘気は逆に降車直後にタバコをふかし憂鬱そうな表情で邸を見つめる。そして邸から醸し出される異様な雰囲気に気付く。

以前訪れた際、邸に居たのは執事やメイドなどの使用人だけだった。

だが今は到着早々自分たちを監視している少なくとも数人の黒服のSP達を見つけ「まぁ、そうなるわな・・・」と愚痴りながら邸へ向かう。

 

 

 

 橘に案内され中庭へ向かう竜馬と闘気

 そこにはテラスに用意された大きなテーブルの上に並ぶ豪勢な料理を貪るカムイとその側で料理を装いそれを食べるカムイを嬉しそうに眺める美樹、そして二人の到着を嬉しそうに出迎える翼とその後ろにピタリと貼り着く海がいた。

「白金さん山城さん、ようこそいらっしゃいました!ビュッフェを準備してあるので一緒にいただきましょう。・・・でも、カムイくんがほとんど食べてしまったようですが・・・・」二人を案内したテーブルの上の惨状を見て唖然とする翼を見て爆笑する竜馬

「いいよいいよ、気にしないで!それより美樹ちゃんのメイド服すごく似合ってるよ!可愛い」

「でしょでしょ!りょうちんわかってる〜」美樹は嬉しそうにスカートをなびかせ竜馬に見せた。

「カムイくんも背中の具合はどう?」カムイのもとへ向かう竜馬を尻目に闘気は一人テラスに隣接する書斎へ向かう。

 

 

 膨大な量の書籍を一人物色する闘気の側で睨みを効かせる海

「ぼっちゃんの護衛はいいのか?」目ぼしい本をいくつか手に取りながら海へ言葉を投げ掛ける闘気、その言葉に一瞬も監視の目を緩めず答える海

「お前以外に危険人物は居ないからな・・・」

「竜馬はいいのかよ・・・」本のページをめくりながら話す闘気に対し

「言ったろ・・・借りがあるのは白金にであってお前じゃない・・・」殺気剥き出しで話す海に闘気は流し読みしていた本を閉じ、海の顔をまっすぐ見つめる。

「だったら、あんたはもう用済みだな・・・」

「俺は仕事を全うするだけだ。」次の瞬間SP達が書斎のカーテンを全て閉め、テラスに抜ける扉に鍵をかけた。

 

「最初から俺だけを狙ってたってわけだ・・・」闘気は一気に顔を強張らせ本を棚に戻すと、ゆっくり書斎の開けた場所に出てから騎神化、それと同時に海も騎神化し槍を構える。

 互いに構えた武器の切先がぶつかるかぶつからないかの微妙な距離で対峙する二人、周りを囲むSP達にも緊張が走る。

 

 構えたまま一歩も動かず睨み合う二人、闘気はその間頭の中で状況を分析する。

 

 

 これまでの藤堂の戦い方は竜馬と同じ直球勝負、目の前の敵に真っ直ぐぶつかっていく単調なものだった。

 だがヤツは今翼のSP達を味方につけている。俺をここに閉じ込めたのも藤堂の案じゃなく恐らくSP達のだろう。

 俺を密室に閉じ込める事で竜馬の参戦を防ぎ、翼も遠ざけられる。

 翼の性格上、俺を消す事を了承するわけがないからな・・・チッ万事休すってやつか・・・

 だが、藤堂の性格を考えるとSP達に俺を取り押さえさせるような事はしてこないだろう。あくまで俺とのタイマンで決着をつける気でいるはずだ・・・だったらまだやりようはある!

 

 

 闘気が動いた瞬間『ガシャーーーン』とテラス側の扉が蹴破られ、扉の前を見張っていたSP2名が吹き飛ばされた。

 

 驚く二人の前に現れたのはカムイ

 

 翼に闘気と海を呼んできてほしいと頼まれたカムイは、施錠した書斎の扉を力任せに開いてしまったため、カムイの怪力で扉もろともSPを吹き飛ばしてしまったのだ。

 

「翼、二人、呼んでる。早く、来る。」何事もなかったような態度で二人を呼びつけるカムイに唖然とする闘気と海は騎神化を解くと数秒睨み合った後中庭へ向かった。

 

 

 

 ーー5 中庭の舌戦 ーー

 

 中庭へ出ると木陰で翼と竜馬が待っていた。「来ましたね・・・では始めます。」あらたまった様子で話し始める翼に、竜馬は飲み物片手に椅子に座り、カムイは地面にあぐらをかき、その膝の上に美樹が座る。

 闘気も用意されていた椅子に腰掛けタバコに火をつけ翼の話しに耳を傾け、その少し後ろに海が着く。

「この度皆さんにお話ししたい事と言うのが、『騎神狩り』の異名で知られる榊明さんについてです。」話しの導入の段階で内容を察した闘気は呆れた表情でイラ立ち気にタバコを灰皿に擦り付ける。

「僕は彼を・・・」

「仲間にしたい・・・と?」闘気は翼を睨みつけ次の言葉を言い当てる。

「はい」

「無理だ」闘気は断言し席を立つ

「竜馬、帰るぞ・・・」「ちょっ、闘気!」

「山城さん、榊さんを仲間にできない根拠を教えてください。」強い口調で闘気に問いかける翼、その姿に萎縮するカムイと美樹。

 

「いいか、榊は生身で騎神を殺し、騎神化すれば一度に複数の騎神を圧倒する実力者だ・・・それに比べてお前はどうだ?

 綺麗事の理想論ばかりで戦う覚悟も無い、戦うたびにお荷物を増やす温室育ちの平和ボケおぼっちゃんの話しをあの榊が耳に入れると思うか?

 榊にとって俺やお前はただの獲物にすぎない!カムイが狩りをする時いちいち獲物に同意を得ていると思うか?

 いいかげん自分のわがままに振り回されている連中のことも考えろ!!」闘気は傷だらけのカムイの背中を翼に見せつけ更に言い放つ。

「お前は、自分のわがままのためにやっとできたカムイ(友達)を殺す気か?」この言葉に翼は一瞬言葉を失う。

 

「で、ですが!人と人とは分かり合えるはずです!榊さんだって話し合えばきっと・・・」

「断言する、お前と榊は絶対に相容れない!

 榊の考え方も行動理念もお前には理解できないだろうからな・・・」

「どういうことですか?」

「あいつは戦闘を楽しんでる。竜馬との戦闘中アイツは笑ってた。竜馬との戦いは榊にとって最高の遊びなんだ・・・そんな戦闘狂と和平論者が手を結べるわけがない・・・」タバコの灰を落とし帰るとする闘気に何も言えない翼、そこへ竜馬が立ち上がる。

 

「でも、そんな榊くんを仲間にできたら便利だなって思ってるでしょ!」竜馬の発言に闘気は面倒臭そうにため息を吐き竜馬を睨みつける。睨んだ先の竜馬は挑戦的な笑みを浮かべていた。

「お前、本気か?」

「なんかあんでしょ!?」竜馬の挑発に再度ため息を吐き、頭を掻きむしりながらしばらく考え込んだ後翼へ言い放つ

「翼!書斎に俺専用の喫煙室を作れ。それが協力する条件だ!」闘気の提案に満面の笑みで「はい!」と答える翼

「言っとくが、無傷で片付くと思うなよ。」闘気の忠告に翼は表情を険しくさせるも納得する。

 

「待ってよ!あたし絶対ヤダかんね!

 だってカムカムに酷いことしたヤツだよ!ゼッッッッッッッッッタイ許さないから!!

 てか、やんならニコ中だけでやってよ〜あたしら関係無いし、タバコ臭いし。」駄々をこねる美樹に対し、カムイが一言

「美樹、カムイ護る、絶対!」その言葉に美樹は目を輝かせ「わかった、あたしもカムカム護る!!」恐ろしいスピードの手のひら返しにその場に笑いが起こる。

 

 だが、ただ一人笑わない男の存在を橘と石動は離れた場所から見ていた・・・

 

 

 

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