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騎神伝  作者: 一一【ニノマエ ハジメ】
出会い
19/56

鉄血のオルフェン2

 10時30分 嬉優市内〇〇銀行

 

 平日の午前中、まだ客のまばらな時間帯に三人の男が訪れる。

 一人は髭を蓄えサングラスを掛けた短髪の青年、もう一人はフードをまぶかに被りパーカーのポケットに手を突っ込んだ青年、そして最後の一人は甚平のような服を着た身長2mはあろうかという大男。

 

 この三人が入店すると同時に大型金庫の防犯ブザーが作動、周囲の警察・警備会社が出動する事態となった。

 

 

 

 ーー2 騎神犯罪 ーー

 

 警察無線に情報が届く

「現場は嬉優市内〇〇銀行、銀行内に設置された貸金庫がなんらかの力で破壊され防犯ブザーが作動した模様、至急現場に急行してください!犯行に騎神が関わっている可能性あり十分注意してください。」けたたましいサイレンの音と共に多くの警察車両が集まり、所轄の刑事たちによって捜査本部が設置された。

 騒ぎを聞きつけ集まった野次馬たちは警備会社の警備員が対処し、銀行前の道路は閉鎖された。

 そのうち事件を聞きつけた報道記者も現れ、多くのメディアが取り上げる事態となった。

 無論、その記事は様々な媒体に拡散され、学校に居る闘気の目にもはいることとなる。

『嬉優市内で強盗立て籠り事件発生!犯人は騎神!?白昼堂々の犯行』

 

 

 ・銀行内・

 待合に手足を縛られ目隠しをされた状態の人質が10名一箇所に集められている。

 銀行窓口の奥にある貸金庫の巨大な扉は真っ二つに切断され、大量の金が散らばっている。

 

「動くなよ〜お前ら・・・動くな〜へへへ」髭を蓄えた男(犯人A)は人質たちに銃を向け、怯える姿を見て楽しんでいた。

 そこへパーカーのフードをまぶかに被った男(犯人B)が貸金庫から札束を持って現れる。

「見ろよこれ、楽勝だな!まったく騎神様様だぜ!」札束を叩きながら喜ぶ犯人B

「だな、しかもその騎神様が何も知らねぇバカで飯だけ食わしときゃなんでも言うこと聞くときてる。人生チョロいもんだな!ハハハハハッ」犯人ABが高笑いしている間、もう一人の甚平を着た大男(犯人C)は札束でいっぱいになったバッグを一人で運び出す。

 犯人ABは指示を出すだけで手伝おうともせず、二人で談笑を続けていた。

 そのことに何の疑問も抱かず淡々と金を運ぶ犯人C

 そこに外から拡声器の声が聞こえてくる。

 

 

「犯人に告ぐ!人質を解放し、自首しなさい今ならまだ罪を軽く済ませることができる。これ以上続けると言うなら、こちらとしても実力行使せざるを得なくなる。」この警察からの警告に対し、犯人ABは笑い犯人Cに命令する。「あいつら黙らせろ!」

 犯人Cは黙って頷き銀行の窓の前に立って騎神化【鉄牛斧】

筋骨隆々な肉体に密着する腹掛けに半パンにゴツいスニーカー、左上腕に鉄のプロテクターを着け、前腕には鋼鉄の籠手、その手には分厚い大斧を持つ。

 騎神化前は甚平の袖で見えなかったが、右肩に大きな紋章のようなものが痛々しく焼印されていた。

 

 犯人Cは窓から外の様子を確認すると大斧を振り上げる。

 するとどこからともなく巨大な鉄の刃が上空に現れ犯人Cの斧の動きに連動、斧を振り下ろすと外の鉄の刃も同時に落下し、停車していたパトカーを一刀両断した。

 

 その瞬間現場は騒然、周囲の人々は悲鳴を上げ逃げ惑いその中には警備会社の人間もいた。

 その様子を見て爆笑する犯人AB、騎神化を解き再び金運びに戻る犯人C

 

 

 混乱する銀行の外では捜査本部が応援を要請する。「嬉優市内で起きた銀行強盗立て籠り事件に騎神が関与している模様。至急騎神対策班の協力を要請する。」数分後、サイレンと共に大型トレーラーが現場に到着する。

 

 

 

 ーー3 KCS出動 ーー

 

 大型トレーラーから降りてきたのは目の下にクマをつくり、傷だらけで憔悴しきった剛と正臣、最後にティアドロップのサングラスを掛けた朱音が現れる。

 正臣は憔悴してはいるが高級スーツを着こなしそれなりに見えるが、剛と朱音は寝起きなのか非常にラフな格好だったため、所轄の刑事たちの中には『騎神対策班だからと特別扱いされている』と不信感を抱く者も多かった。

 

「お疲れ様です。騎神対策部隊KCS副隊長の室井正臣警視正です。状況はどうなってますか?」早速捜査本部に入り状況確認を行う正臣に対し、その後ろでは半袖半パンで背伸びしながらあくびをかく剛と、タンクトップで現場と周囲の警察官たちを睨みつける朱音

 傍から見ればただの野次馬と何ら変わらない二人に対し、正臣は冷静に状況を分析し周囲の刑事たちに指示を出し始める。

 若年の正臣のこの行動に現場を指揮していた40代の警部が難色を示す。

「おい若造!お前立て籠りの経験あんのか?犯人は人質を取ってるんだ!騎神の力とやらでゴリ押しするわけにはいかねぇんだぞ!」高圧的なベテラン刑事の言葉に正臣は一切怯むことなく淡々と見解を述べる。

 

「騎神による立て籠りならばそう難しくは無いでしょう。

 目撃情報によれば犯人は三人、内騎神は一人で間違いない。

 こういう計画性の無い犯行に二人以上の騎神が関与することはまず無い。

 もし複数の騎神が関与すれば間違いなく金の取り分でもめて殺し合いが起きます。元々そういうものですから

 

 次に他二人ですが、恐らく騎神が雇った雑用係で特に脅威になることは無いかと・・・ここまでの経緯を見る限り全て騎神の能力を使用した騎神頼りの犯行ですから

 主犯格である騎神が居なくなれば一気に無力化できるものと思われます。」正臣の見解に周囲の刑事たちは揃って頷く。

 

「ですので作戦としては、先ず我々KCSが先行して主犯格と思われる騎神の切り離しを行い、その後所轄の皆さんで人質の救出と他2名の犯人確保を行ってください。」「「了解!」」正臣の作戦に周囲の刑事たちは一斉に敬礼、それを見た警部は不機嫌そうに「わかったよ!」と言い放ち出て行く。

 

 部下たちが正臣に従うのが気に食わなかったのか舌打ちしながらタバコを吸い始めた警部「若造が調子に乗りやがって・・・KCSだか何だか知らんが・・・、待てよ・・・たしかあの正臣ガキ・・・室井?室井って、警視総監の!?そうか、そういうことか!所詮は親の七光りってことかよ!!」道端に火のついたタバコを投げ捨て苛立たしげに本部に戻る警部

 

 そこに、落ちたタバコを踏み躙りながら冷静に銀行を見つめるジャージ姿の若者が一人、人混みに消えた・・・

 

 

 

 


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